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綾菊酒造

代表銘柄:綾菊・国重

香川県

KAGAWA

1790年創業

寛政2年(1790年)創業。香川県綾歌郡綾川町に位置し、蔵のうち4棟は国の登録有形文化財に登録されている歴史ある酒蔵です。代表銘柄「綾菊」をはじめ、名誉杜氏の名を冠した「国重」などの日本酒を手掛けています。

酒造りでは地元の香川県産米「オオセト」と清流綾川の伏流水を使用することを基本としており、地域の自然や風土を生かした酒造りを追求しています。近年では香川県独自の「さぬきオリーブ酵母」を使用した仕込みなど、伝統を継承しながらも新しい挑戦を進めています。

「現代の名工」を受賞した国重弘明名誉杜氏の技術と精神は後進の杜氏へと引き継がれており、全国新酒鑑評会での金賞受賞をはじめ、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」でプラチナ賞や金賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受けています。

綾菊酒造の歩み

綾菊酒造は、寛政2年(1790年)に創業した香川県綾歌郡綾川町山田の酒蔵です。阿讃山脈の北麓、清流の綾川のほとりにあり、蔵のある山田地区(旧山田村)は、大正天皇の即位にあたり、大嘗祭に供える新穀を育てる主基斎田に選ばれた米処です。「山田米」と呼ばれて名声が高く、往時は藩主の御料米にもなっていました。「綾菊」の名は、綾郡、綾川、綾黒丸から「綾」の字を取り、菊の花を浸した酒で長寿を保つという中国の故事にならい、菊のように香り高く気品ある酒を願って付けたと蔵は説明しています。

敷地の東酒蔵、仲酒蔵、西酒蔵、離れ座敷の4棟は、2006年3月2日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。東酒蔵は明治期の土蔵造り、仲酒蔵は南側の妻面に酒の銘を漆喰で描いた蔵、西酒蔵は1950年の建築です。

会社としての設立は1945年です。1970年、広島県東広島市安芸津町出身の国重弘明が33歳で杜氏に就任しました。国重は賀茂鶴酒造で9年間修行したのちに綾菊へ迎えられ、2015年までの45年間、杜氏を務めました。1995年(平成7年)11月に「現代の名工」(労働大臣表彰)を受け、黄綬褒章も受章しています。蔵の発表では、国重は2007年11月までに全国新酒鑑評会で通算20回の金賞を受けています。2015年に国重は名誉杜氏となり、同年10月から愛弟子の宮家秀一が杜氏を務めています。

宮家は香川県丸亀市飯山町の出身で、2007年に副杜氏となりました。杜氏の名を冠した「国重」を、蔵は全国で初めての試みと位置づけています。

経営体制は2014年に変わりました。当時の蔵は経営者の高齢化が進み、後継者もいないまま存続が危ぶまれ、売却先を探していました。名乗りを上げたのは、酒類や食品の卸を手がける大阪の株式会社飯田で、2014年5月に綾菊酒造の全株式を取得しました。岸本健治が同年に代表取締役へ就き、従業員、設備、銘柄はそのまま引き継がれました。商号は承継後も綾菊酒造株式会社のままで、2023年時点でも岸本が代表を務めています。飯田グループは綾菊酒造を、清酒の製造・販売を担うグループ会社に位置づけています。

承継後は設備への投資が進み、2021年時点では、瓶詰めを行う密閉のクリーンルームや、約2万本を収める冷蔵保管庫を備えています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に15回入賞し、うち金賞は平成16・17・19・28酒造年度と令和5・6・7酒造年度の7回です。令和5酒造年度から7酒造年度は3年連続の金賞でした。高松国税局の四国清酒鑑評会では、平成16年、19年、22年、25年、26年、29年、30年、令和元年、2年、3年、5年、7年に優等賞を受けています。全国燗酒コンテストでは2018年から2026年までに延べ11の賞を受け、うち最高金賞は2021年、2023年、2026年の3回です。

フランスのKura Masterでも、2020年から2025年にかけて金賞とプラチナ賞を受けています。

酒造りの特徴

酒造りの基本は、地元香川県産米です。蔵が特に大切にする「オオセト」は、1979年に農林水産省の中国農業試験場で育成された奈系212と関東77号の交配種で、瀬戸内地方に広く適することから名づけられました。山田錦や雄町のような酒造好適米とは性質が違い、国重名誉杜氏が10年をかけて研究し、オオセトでの酒造りを築きました。山田地区では平成16年ごろまで多く栽培されていましたが、需要の減少でJAが受け入れをやめ、栽培されなくなりました。

2017年度に地元の農業法人グリーンフィールドと連携して復活し、2018年度からは水田の温度・水位や気象を計測するセンサーを導入して、データの分析で米作りの質を高めることを目指しています。乾燥は遠赤外線の乾燥機でゆっくり行います。大吟醸系では山田錦も使います。

仕込み水は、阿讃山脈から流れ出る伏流水です。硬度50〜60mg/L、pH6.9の軟水で、鉄分は水道水の10分の1です。2023年時点では、綾川に流れ出る手前の地下7〜8メートルから井戸で汲み上げ、蔵内で使う水はすべてこの水です。麹は基本的に箱麹で、一部の酒は麹蓋でも造ります。酒母は冷蔵設備内の酒母室で速醸タイプを仕込み、吟醸の仕込みも冷蔵設備内の部屋で行い、搾りは冷蔵庫内のヤブタで行います。貯蔵には温度管理のできるサーマルタンクを使い、精米は岡山県の新中野工業(飯田グループの会社)に任せて蔵に戻しています。

2019年からは、香川県産オリーブの果実から見つかった「さぬきオリーブ酵母」を使った酒造りも行っています。香川県酒造組合と香川県産業技術センター発酵食品研究所の共同研究で、開発から4年をかけて見つかった酵母です。原料米から仕込み水まですべて香川産の「さぬきオリーブ純米酒」は、青い果実のような穏やかな香りと、キリッとした酸が持ち味です。ほかにスパークリング清酒のAWASAKE「泡菊」もあります。

商品は、主力の「綾菊」シリーズと、香川県内を中心に限定流通する「国重」シリーズが中心です。県外向けの限定流通では、主基斎田の土地で育てたオオセトを使う「主基のさと」の超辛口純米と特別純米別囲いを、綾菊の系列として出しています。清酒のほか、米焼酎の「空海の道」、かりん酒、うめ酒、ゆず酒も造っています。

代表銘柄

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綾菊

蔵の名を冠した主力ブランドです。普通酒の「金紋」は晩酌酒として地元で長く親しまれ、全国燗酒コンテストで2021年と2023年に最高金賞、2022年・2024年・2026年に金賞を受けました。山田錦を精米歩合40%まで磨いた純米大吟醸は、Kura Masterで2020年から2022年に金賞、2025年にプラチナ賞で、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026ではプレミアム大吟醸部門の金賞です。ほかにオオセトを精米歩合50%で仕込む大吟醸「重陽」などがあります。

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国重

名誉杜氏の名を冠したシリーズで、蔵のオンラインショップのほかは、主に香川県内の特約店(国重会)で扱う限定流通です。山田錦を35%まで磨いた大吟醸は、令和5・6酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞、2024年のKura Masterでも金賞でした。山田地区の契約栽培オオセトで仕込む純米吟醸(精米歩合50%)や、香川県産オオセトの特別純米(60%)もあります。特別純米は全国燗酒コンテストで2018・2020・2023・2024年に金賞、2026年に最高金賞です。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の店で、綾菊・国重のほか焼酎やリキュールなどを購入できます。蔵のオンラインショップでも販売しています。
補足
酒蔵見学は通年で受け付けていますが、完全予約制です(電話087-878-2222)。見学時間は10:00〜16:00、所要は約60分、入場は無料です。蔵の歴史の説明とビデオ上映のあと、蔵と工場を見学します。年末年始とお盆は休みで、土曜・日曜・祝日は要確認です。時期や当日の作業内容によりお断りする場合があります。高松空港から車で約20分、琴電綾川駅から車で約10分で、大型バスも駐車できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
香川県綾歌郡綾川町山田下3393-1
創業
1790年
公式サイト
www.ayakiku.com

出典

sanuki-sake.com / japansake.or.jp / ayakiku.com / jcto-japan.co.jp / my-kagawa.jp / sakagura-press.com / kuramaster.com / sakedata.jp / online.bunka.go.jp / bk-web.jp / wakamatsuyasaketen.com / oising.jp / iidagroup.co.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / web.archive.org / kansake.jp

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