勇心酒造
代表銘柄:勇心
香川県
KAGAWA
1854年創業
安政元年(1854年)に香川県で創業した酒蔵で、代表銘柄は「勇心」です。伝統的な醸造発酵技術に現代の科学研究を組み合わせ、米の可能性を引き出した独自成分「ライスパワーエキス」を開発・製造する会社でもあります。 日本酒造りにおいては「食事と共に楽しめるお酒」を目指し、経験に基づく手造りに加え、米の水分量や麹の酵素力価といった科学的データを用いて品質を管理しています。地元の香川県産米や綾川の伏流水を使用し、地元米の量に見合った仕込みを行っています。
受賞歴としては、「勇心 純米吟醸 9号・14号」が2013(平成25)年度の「かがわ県産品コンクール」にて最優秀賞(知事賞)を受賞したほか、平成30年と令和7年の四国清酒鑑評会燗酒の部で優等賞に選ばれています。
勇心酒造の歩み
勇心酒造は、安政元年(1854年)に香川県宇多津町で創業した酒蔵です。創業者の蔦谷半右衛門が「蔦谷」の屋号で酒造りを始めた当時、宇多津町で唯一の造り酒屋でした。宇多津は塩田の盛んな港町で稲作がほとんど行われていなかったため、半右衛門は年貢米を米蔵に運び入れる農家から米を仕入れて酒を造りました。のちに社名は「徳山酒造場」となり、当主の徳山勇が1952年(昭和27年)に自らの名から一字をとって「勇心」と改め、現在の社名と銘柄の名が生まれました。酒蔵は現在、綾川町小野の本社の奥にあります(2014年時点)。
昭和30年代を境に清酒業が衰退へ向かったことから、昭和43年(1968年)ごろより、米の可能性に着目するようになりました。中心にいたのが6代目社長の徳山孝氏です。東北大学農学部を卒業し、東京大学大学院農学系研究科を修了して農学博士となり、国税庁醸造試験所に勤めたのち、昭和47年(1972年)に代表取締役へ就任しました。昭和52年(1977年)には清酒づくりの発酵技術から調味料「ゆうしん」を商品化し、経営を支える柱としました。
のちに米の発酵研究から「ライスパワーエキス」を開発し、化粧品や医薬部外品も手がける会社として知られるようになっています。平成5年(1993年)には本社機能を綾南工場へ移しました。
地酒の仕込みは、一時期ほとんど途絶えていました。2014年の時点で、それまでの約30年はほとんど酒造りをしていなかったためです。平成23年(2011年)、地元の農業を支えたいという思いから、地酒「勇心」の醸造を本格的に再開しました。平成25年度(2013年度)には「勇心 純米吟醸9号」「勇心 純米吟醸14号」がかがわ県産品コンクールで最優秀賞(知事賞)を受賞しています。平成26年(2014年)9月には「勇心 純米 おいでまい」「勇心 純米 山田錦80」の2種類の純米酒を、10年以上ぶりに発売しました。
2024年6月30日に徳山孝氏が逝去し、同年8月に徳山孝仁氏が7代目の代表取締役社長に就任しました。創業170年にあたる2024年10月には、「純米大吟醸 十年熟成 原酒」などの記念限定酒を発売しています。
清酒の品質は、四国清酒鑑評会でも評価されています。平成30年(2018年)の同鑑評会では燗酒の部で優等賞を受け、令和7年(2025年)にも燗酒の部で「勇心 純米 山田錦80」が優等賞に選ばれました。令和7年に香川県から燗酒の部で優等賞に選ばれたのは勇心酒造だけでした。2025年6月の第58回四国きき酒競技大会では、勇心酒造の社員が個人の部で初出場初優勝を果たし、香川県チームの団体優勝にも2名が貢献しています。
酒造りの特徴
勇心酒造が目指す清酒は、食事とともに楽しめるお酒です。経験に基づく手造りの酒造りに加え、白米の水分含量や麹の酵素力価といった科学的なデータも取り入れて品質を管理しています。微生物の力を借りて目的に応じて発酵をコントロールする技術を磨いてきたことが、酒造りの土台です。2014年の時点では杜氏を置かず、微生物や細胞を大学で学んだ20代から30代の7人の蔵人が、日々データを分析しながら仕込んでいました。
原料米と水は地元にこだわっています。三豊市財田町は山間部の気象条件を生かして酒造好適米の山田錦を栽培してきた土地で、栽培農家、農協、勇心酒造が協力して有機栽培米の生産を目指してきました。現在、勇心の清酒は減農薬米で造っています。仕込み水は、蔵の周辺を潤す綾川の伏流水です。純米の「おいでまい」には、綾川町産のおいでまいを使っています。2014年の時点では、確保できる酒米の量に見合った分しか仕込めませんでした。販売店も限り、陳列時にきちんと冷蔵保存してくれる酒屋にだけ酒を置いていました。
主な銘柄は、9号酵母と14号酵母をそれぞれ使った純米吟醸の「9号」「14号」です。どちらも精米歩合は55パーセントで、3月から6月には生酒も出します。ほかに、精米歩合80パーセントの「純米 山田錦80」、65パーセントの「純米 おいでまい」、40パーセントの「純米大吟醸」があります。「山田錦80」は燗にすると米のうまみが広がり、「おいでまい」は熱燗や燗冷ましに向く酒です。春には新酒の生酒を出し、2015年・2018年・2021年の10月には秋あがりの酒も出しました。限定酒の展開も続けています。
限定酒には、乳酸発酵技術で造った本数限定の「純米 プロトタイプL」(2020酒造年度・2021年10月発売、2026年10月にも発売)、アルコール分14度の低アルコール純米原酒「純米 プロトタイプ14」(2020酒造年度)、2025酒造年度のおいでまい使用の純米原酒などがあります。創業170年記念として2024年10月に出した麹歩合88パーセントの「純米 Henro」は、2025年10月にも発売しました。
さらに、宇多津町産古代米と綾川の伏流水を使い、ライスパワーエキスNo.101を配合した低アルコール飲料「リセノワール」も手がけています。2013年の瀬戸内国際芸術祭の公式グッズとなったボトルは、東京TDC賞に入選しました。
代表銘柄
勇心
勇心酒造の清酒の中心となる銘柄です。純米吟醸9号と14号は、平成25年度のかがわ県産品コンクールで最優秀賞(知事賞)を受けました。9号は味が濃醇で米の味がしっかり広がり、ぬる燗がおすすめです。14号は酸味が味をひきしめ、すっきりとした仕上がりで、冷酒が向きます。「純米 山田錦80」は令和7年(2025年)の四国清酒鑑評会燗酒の部で優等賞に選ばれました。ほかに「純米 おいでまい」や精米歩合40パーセントの純米大吟醸などをそろえています。
見学・購入
- 直売所
- 香川県内では、宇多津町のうたづ海ほたるや綾川町の道の駅「滝宮」などで勇心の酒を購入できます。
- 補足
- お問い合わせは平日9時から17時に受け付けています(土日祝日、お盆、年末年始は定休)。電話は087-814-3939です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 香川県綾歌郡綾川町小野2088-1
- 創業
- 1854年
出典
yushin-brewer.com / ineuly.com / ricepower-net.com / sakenomy.jp / my-kagawa.jp / goope.jp / kajima-tatemono.com / sipory.jp / kensanpin.org / ritsurinan.jp / nta.go.jp / utazu-kanko.jp
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