東京駅酒造場
代表銘柄:どぶろく
東京都
TOKYO
2020年創業
2020年8月3日、JR東京駅構内の商業施設「グランスタ東京」地下1階に、酒販店「はせがわ酒店」が併設する形で誕生したエキナカの醸造所。小売店として初めて、清酒・その他の醸造酒・リキュールの3つの製造免許を新規に取得して運営されている。広さ約22.8平方メートルのガラス張りの蔵内に256リットルの小型タンク3本や電気式の甑などの設備を備え、洗米から蒸米、麹づくり、発酵、瓶詰め、火入れまでの全工程を駅構内で行っているのが特徴である。
主力の「どぶろく」は、清酒と同様の三段仕込みの製法で造られ、なめらかな口当たりとお米の甘み、爽やかな酸味が楽しめる。併設のテイスティングバーで出来たての生どぶろくが味わえるほか、火入れしたボトル商品や、清酒に果汁を合わせたリキュールの季節限定「フルーツどぶろく」なども展開している。さらに、2021年からは総米80キログラムの小仕込みによる清酒の試験醸造を行い、他県の酒蔵との共同醸造シリーズなど、多様な取り組みを実施している。
東京駅酒造場の歩み
東京駅酒造場は、東京駅の改札内にある商業施設「グランスタ東京」の地下1階に、2020年8月3日にオープンした醸造所です。運営しているのは酒販店の株式会社はせがわ酒店で、同店のグランスタ東京店に併設されています。酒蔵ではなく酒の小売店が、駅の構内で洗米から瓶詰めまでの酒造りの工程をすべて行うという、世界でも例を見ない取り組みです。
はせがわ酒店はもともと下町の小さな酒屋で、現在の代表である長谷川浩一さんが跡を継いでからは、日本酒にこだわって各地の酒蔵を巡り、おいしい酒を探してきた店です。グランスタ東京の大規模なリニューアルが決まったとき、それまでと同じ店ではなく新しい挑戦をすることにし、店を酒造りや酒米に触れられる体験型にしました。2020年は東京オリンピックの年で、世界中から旅行者が集まると見込まれていました。酒を売るだけでなく造る様子を見てもらい、日本酒を通して日本の発酵文化を伝えたいという考えが、駅構内の醸造所の出発点でした。
もともと醸造免許を持たない小売店が酒造りに乗り出すには、免許の壁がありました。はせがわ酒店は、小売店として初めて、清酒、その他の醸造酒、リキュールの3つの酒類製造免許を新規に取得しています。準備には約2年をかけ、取引のある酒蔵に酒造りを教わりながら、並行して醸造所の設計を進めました。造り手は社内で募集をかけ、やってみたいと手を挙げた社員です。開業当初は社員2名が酒造りを担い、蒸気がうまく抜けない、どぶろくの米粒が充填機に詰まる、火入れの際に瓶が割れるといった苦労がありました。
第1弾として発売したのは、桃の甘みを加えたリキュールの「桃のどぶろく」でした。その後、洗米から瓶詰めまですべての工程をこの蔵で行った初醸造のどぶろくを、2020年9月1日に発売しています。清酒の仕込みは2021年6月上旬に始まり、7月に最初の試験醸造 #1 を発売しました。その後も試験醸造は続き、#2 は2021年12月、#3 は2022年12月、#4 は2023年12月、#5 は2024年12月、#6 は2025年8月に発売されています。
いずれも山田錦を精米歩合60%まで磨き、きょうかい9号酵母で仕込んだ、総米80キログラムの小仕込みの清酒です。
2023年6月からは、全国の蔵元と一緒にお酒を仕込む「共同醸造シリーズ」も始まりました。#1 は栃木県の仙禽で、2023年6月1日に発売しています。さくら市で栽培された亀ノ尾を使い、低温でじっくり発酵させたどぶろくです。#2 は宮城県の7蔵(勝山、浦霞、墨廼江、伯楽星、山和、萩の鶴、黄金澤)による共同醸造プロジェクト「DATE SEVEN」との共作で、宮城県産の吟のいろはと宮城酵母を使い、2024年6月21日に発売しました。
#3 は三重県の作との共同醸造で、三重県が開発した酒米の神の穂と14号酵母を使い、2024年10月1日に発売しています。#4 は岩手県の南部美人の若手杜氏と組んだ、シリーズ初の清酒でのコラボレーションで、岩手県産の結の香と金沢酵母を使い、2025年11月21日に発売しました。
酒造りの特徴
醸造所の広さは22.8平方メートルです。通りに面したガラス張りの蔵内には、容量256リットルの発酵タンクが3本並び、それぞれTYO(東京)、NYC(ニューヨーク)、LON(ロンドン)と世界の都市名が付けられています。一般に日本酒の仕込みに使うタンクは5000〜10000リットルほどなので、約20分の1の大きさです。タンクの内部は多層構造になっていて、厳密な温度管理ができます。このタンクで、どぶろくは約20日間、日本酒は約25日間、ゆっくりと発酵させています。
米を蒸す甑(こしき)は電気式で、内部は蒸籠のように4段に分かれています。各段に10キログラムずつ入り、一度に40キログラムの米を蒸せます。駅の構内なので火は使えず、限られた空間で酒造りをするために、さまざまな工夫が施されています。たとえば甑は米を蒸すだけでなく、湯を張って瓶燗火入れにも使います。蔵の裏側、広場側の小窓からは甑を見ることができ、蔵の中の工程は通りからもガラス越しに眺められます。
環境への配慮として、精米の際にマイナスイオンをあてる特殊な加工を施した酒米を使い、洗米時の濁りを抑えることで、洗米の回数と水の使用量を大きく減らしています。
主力のどぶろくは、清酒と同じ三段仕込みで造っています。原材料は米と米麹だけで、アルコール度数は7%です。なめらかな口当たりで、米の甘みと爽やかな酸味のバランスが良く、初めて飲む人にも分かりやすい味わいを目指しています。初めて醸した2020年のどぶろくは、兵庫県産特等の山田錦を精米歩合60%にして造りました。現在は山田錦とななつぼしを使い、仕込みによって使う米が異なることがあります。酒税法では、もろみを濾さないどぶろくは、にごり酒(清酒)とは別に「その他の醸造酒」に分類されます。
瓶詰めの商品はすべて火入れをしていて、併設のテイスティングバーでは、完成から1週間ほどの時期に生どぶろくを少量提供しています。
「季節のフルーツどぶろく」は、清酒に果汁を合わせたリキュールで、女性や日本酒が苦手な人にも気軽に楽しんでもらいたいという思いから生まれた商品です。原材料は国内で製造された清酒と果汁で、アルコール度数は5%と控えめです。果実のほのかな甘みとどぶろくの酸味が、ヨーグルトのような味わいになります。マンゴー、林檎、みかん、パイナップル、桃、ぶどう、はちみつレモンがあり、いずれも季節限定です。キャップに山手線がデザインされているのも特徴です。
代表銘柄
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どぶろく
東京駅酒造場が自社で造る主力のどぶろくです。清酒と同じ三段仕込みで、米と米麹だけを原料にし、アルコール度数は7%です。なめらかな口当たりで、米の甘みと爽やかな酸味のバランスが良い味わいに仕上げています。使用米は山田錦とななつぼしで、仕込みによって異なることがあります。瓶詰めの商品はすべて火入れをしており、併設のテイスティングバーでは、完成から1週間ほどの生どぶろくを少量提供しています。
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- 直売所
- はせがわ酒店 グランスタ東京店(東京駅改札内 地下1階)で瓶詰めの商品を販売しています。併設のテイスティングバーでは、できたてのどぶろくや、全国の酒蔵から届く日本酒を味わえます。
- 補足
- 見学ツアーの案内はありませんが、醸造所は通りに面したガラス張りで、タンクや瓶詰めの作業を外から眺められます。改札内にあるため、駅を利用しない場合は入場券が必要です。酒米を使ったおにぎりなどの軽食もあります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 東京都千代田区丸の内1丁目9-1 JR東日本東京駅構内 グランスタ東京 B1F
- 創業
- 2020年
出典
saketto.com / hasegawasaketen.com / tokyostation-sakebrewery.com / gransta.jp / saketime.jp / marukome.co.jp / sake-times.com
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