SAKE BREWERY — TOKYO
田村酒造場
紹介
東京都福生市、玉川上水のほとりに位置する田村酒造場は、文政5年(1822年)創業の老舗蔵元です。代表銘柄の「嘉泉(かせん)」は、敷地内で酒造りに最適な湧き水を掘り当てた喜びに由来します。「丁寧に造って、丁寧に売る」という家訓のもと、生産量に過度にこだわらず品質を最優先した酒造りを引き継いでいます。
仕込み水には敷地内で湧き出る秩父・奥多摩の伏流水を使用しており、代表作の「嘉泉」のほか、屋号を冠した「かねじゅう 田むら」などの銘柄を展開しています。敷地内には江戸期から昭和初期にかけて建てられた酒造蔵などが点在し、国の登録有形文化財に指定されています。
伝統を守る一方で時代の変化に合わせた挑戦も続けており、2026年7月には敷地内にレストランやバーを備えた日本酒の複合体験施設「&KASEN(アンドカセン)」をオープンするなど、東京からの酒文化の発信にも取り組んでいます。
歴史
田村家は江戸時代、武蔵国多摩郡福生村(現在の東京都福生市)一帯を治める名主を代々務めた家柄で、地域では「肝煎り庄屋」と呼ばれる大庄屋の身分にありました。福生村は江戸幕府の直轄領(天領)であったため、代官所の代官が田村家を訪れることもあったと伝えられています。当主の名は代々「十兵衛」「半十郎」として世襲されてきました。
文政5年(1822年)、9代目・田村勘次郎(賢真)が酒株を購入し、年貢米の余剰分を活用する形で酒造業を興したのが田村酒造場の始まりです。創業にあたり最大の課題となったのが仕込み水の確保でした。敷地内の複数箇所で井戸を掘り進めたところ、大欅の根元から酒造りに適した水が湧き出し、「正にこの水は良き泉よろこぶべき泉なり」との評価から、この酒を「嘉泉(かせん)」と名付けたと伝えられています。この井戸は現在も涸れることなく、秩父・奥多摩からの伏流水を湛え続けています。
嘉泉は創業後順調に販路を広げ、明治中期までには武州一帯(多摩地区や神奈川県、埼玉県の一部)に24の店蔵を構えるまでの酒蔵に成長しました。一方で家訓として「丁寧に造って、丁寧に売る」を掲げ、生産量の拡大よりも自らの目が届く範囲での品質維持を優先する姿勢を貫いてきました。
戦中・戦後にかけて甘口の酒が主流となった時期にも、十五代目当主は辛口の酒造りを貫き、昭和48年(1973年)には高精白の特別本醸造をあえて二級酒として売り出す試みに着手しました。この酒は評判を呼び「まぼろしの酒嘉泉」として全国に知られるようになりました。
現在は十六代目当主・田村半十郎氏が経営を担い、2022年には創業から200周年を迎えています。酒蔵や前蔵、雑蔵といった文政・文久年間の建造物、大正時代に組まれた石垣、昭和前期の旧水車小屋・脇蔵は国の登録有形文化財に登録されており、玉川上水からの分水である田村分水を活かした庭園とともに、江戸時代からの佇まいを今に伝えています。2026年7月には、酒蔵に隣接する形で日本酒の複合体験施設「&KASEN」を開業し、伝統を受け継ぎながら新たな酒文化の発信にも取り組んでいます。
酒造り
田村酒造場の酒造りを支えているのは、創業時に敷地内で掘り当てた井戸から湧く水です。樹齢800年ともいわれる大欅の根元から、秩父・奥多摩の伏流水が今も涸れることなく湧き続けており、この水は創業以来変わらず仕込み水として使われています。
酒造りの根底にあるのは家訓「丁寧に造って、丁寧に売る」という言葉です。生産量を追い求めるのではなく、自分たちの目が行き届く範囲で品質を磨き、造り手の思いとともに酒を届けることを大切にしています。
現在のラインナップは、上撰レギュラーから純米大吟醸まで幅広いグレードを揃える伝統的な「嘉泉EDO」と、大吟醸「對鴎」や「田むら」シリーズ、特別純米「東京和醸」、純米「白麹」といった銘柄からなる、より自由で現代的な感性を打ち出す「嘉泉TOKYO」の二本柱で展開されています。江戸から続く技を受け継ぎながら、時代の変化を捉えて新たな酒造りに挑む姿勢が反映された構成です。
2026年7月に開業した体験施設「&KASEN」では、酒蔵に隣接するレストラン&バーやSAKE-Barを併設し、田村酒造場の日本酒と料理を組み合わせて楽しめるほか、貴醸酒や「やわくち」といった&KASENブランドの新商品も展開しています。
蔵データ
代表銘柄
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田むら:伝統的な「嘉泉」に対し、より自由で現代的な感性を打ち出す「嘉泉TOKYO」ラインに位置づけられる純米吟醸を中心としたシリーズです。兵庫県産山田錦、岩手県産吟ぎんが、山形県産山酒4号と、酒米ごとに異なる個性を描き分けています。田村酒造場のオンラインショップでも購入できます。
嘉泉:田村酒造場の創業から続く代表銘柄です。文政5年の創業時、敷地内で酒造りに適した井戸水を掘り当て、「正にこの水は良き泉よろこぶべき泉なり」と讃えたことから、この酒銘が付けられました。上撰レギュラーから純米大吟醸まで幅広いグレードを揃え、家訓「丁寧に造って、丁寧に売る」を体現する、伝統ライン「嘉泉EDO」の中核を担っています。
見学・購入
あり(要事前確認)
「&KASEN」内のショップおよび田村酒造場のオンラインショップ(ONLINE SHOP)で、「嘉泉」「田むら」などの銘柄や酒粕を使った食品、オリジナルグッズを購入できます。
酒蔵ツアーは事前予約制で、定員10名(1名から申込可)です。平日火~金曜は10:30~12:00の1日1回、土日祝は10:30~12:00と15:30~17:00の1日2回開催され、所要時間は1時間~1時間半、見学料は2,700円(税込)からです。見学後は隣接する「&KASEN」のSAKE-Barで飲み比べが楽しめます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
japansake.or.jp / kuramotokai.com / sakeworld.jp / tokyogrown.jp / shubou-tamajiman.jp / oniwa.garden / prtimes.jp / tamurashuzojo.com / jp.sake-times.com
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