SAKE BREWERY — TOKYO

石川酒造

東京都福生市熊川1番地 1863年創業

紹介

1863年(文久3年)に13代当主・石川和吉があきる野市の酒蔵を借りて創業し、1880年(明治13年)に現在地の東京都福生市熊川に移転した歴史ある酒蔵です。敷地内には明治時代などに建てられた本蔵をはじめ6棟の建造物が国の登録有形文化財に指定されており、直売店やレストランなどを併設した「酒飲みのテーマパーク」としても親しまれています。

酒造りでは地下150mから汲み上げる多摩川伏流水(中硬水)を仕込み水に使用し、「食事に寄り添う酒造り」をコンセプトに、米本来の旨みや甘みを活かした味わいの日本酒を製造しています。代表銘柄の「多満自慢」をはじめ、純米大吟醸の「たまの慶」、季節・蔵元限定の「かめぐち」や「ささにごり」などを展開するほか、明治期の歴史を受け継ぐクラフトビール「多摩の恵」なども醸造しています。

主な受賞歴として、全国新酒鑑評会での金賞受賞歴や、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2024」での「多満自慢 純米大吟醸 たまの慶」の金賞受賞、南部杜氏自醸清酒鑑評会での優等賞受賞などがあります。

歴史

石川酒造の歴史は1863年(文久3年)9月1日にさかのぼります。当時、熊川村の名主を務めていた石川家の13代目当主・石川和吉が、多摩郡小川村(現在のあきる野市)にあった森田酒造の蔵を借りて酒造りを開始したのが始まりとされています。農業を本業としながら青梅産の縞織物の販売なども手がけていた石川家は、在郷商人としての商いを経て、計画的に酒造業へと軸足を移していきました。

1880年(明治13年)、石川家は小川村から現在地である熊川(東京都福生市)へ移転し、新たに酒蔵を建設しました。敷地内には江戸時代末期に建てられた長屋門や、移転の年である明治13年築の本蔵をはじめ、明治期に建てられた新蔵・向蔵・雑蔵、そして1863年築の文庫蔵など計6棟の建物が現存しており、2004年2月17日にいずれも国の登録有形文化財として登録されました。

明治20年(1887年)には日本酒に加えてビールの醸造にも着手し、近在のほか東京・横浜方面にも販売していましたが、当時は王冠による密栓技術が普及しておらず瓶が破裂しやすいなどの理由で、明治23年(1890年)に製造装置を売却して醸造を中止しました。日本酒については1933年(昭和8年)、16代目当主・石川真作の代に主力銘柄「多満自慢」が完成しています。ビール事業は長く途絶えていましたが、1998年(平成10年)に111年ぶりとなる地ビール醸造を再開し、「多摩の恵」として現在まで製造を続けています。同年には地ビール醸造の再開とあわせて「酒飲みのテーマパーク」のコンセプトを掲げ、土蔵を改装したレストラン「福生のビール小屋」などを開設し、酒造りの現場を訪れて楽しめる蔵として親しまれるようになりました。現在は18代目当主・石川彌八郎(太郎)氏が社長を務め、日本酒「多満自慢」とクラフトビール「多摩の恵」「TOKYO BLUES」を両輪として、160年以上にわたる歴史を受け継いでいます。

酒造り

仕込み水には、敷地の地下150メートルから汲み上げる東京の天然水(中硬水)を使用しています。この水を仕込みに用いることが石川酒造の酒質の土台になっています。

杜氏を務める前迫晃一氏は自らを「発酵マニア」と称するほど発酵科学への探究心が強く、米の旨味を重視した「食事に寄り添う酒」を酒造りのモットーに掲げています。現在は辛口や高香気の酒が好まれがちななか、あえて米由来のオリゴ糖による優しく柔らかな甘みを生かした味わいへと舵を切り、家庭の食卓に合う日本酒づくりを進めています。

原料米は商品によって使い分けられており、大吟醸系には兵庫県産山田錦を精米歩合35%まで磨いて用いる一方、季節限定の純米生原酒「しぼりたてかめぐち」には精米歩合70%の米を使用するなど、銘柄の個性に応じた設計がされています。雄町を使ったシリーズも展開しており、メロンを思わせる豊かな風味や独特の余韻など、それぞれの米が持つ甘みや香りの違いを生かした造りに取り組んでいます。

蔵データ

所在地

東京都福生市熊川1番地

創業

1863年(東京都)

公式サイト

www.tamajiman.co.jp

代表銘柄

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多満自慢:石川酒造の看板銘柄で、蔵の酒造りの理念である「食事に寄り添う酒」を体現する日本酒です。中でも純米無濾過は、米の旨みと甘みを引き出した定番の純米酒で、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2016金賞やスローフードジャパン燗酒コンテスト2015最高金賞などを受けています。全国新酒鑑評会では平成22酒造年度・平成30酒造年度に金賞を受賞しているほか、大吟醸・純米吟醸・雄町を使ったシリーズなど幅広いラインナップを展開しています。

たまの慶:多満自慢の純米大吟醸として位置づけられる銘柄で、きめ細やかな口当たりと味わいの幅の広さが特徴です。吟醸香は控えめで優しく、温度を変えて飲み方の違いを楽しめる酒として紹介されています。ワイングラスでおいしい日本酒アワード2024では、多満自慢 純米大吟醸 たまの慶が金賞を受賞しました。

ささにごり:毎年1月末から2月初旬頃に発売される、熱処理も加水もしていない純米大吟醸のにごり酒です。うっすらと澱を残したタイプで、華やかな吟醸香が特徴です。蔵の外での販売は予約分のみの限定品です。

かめぐち:しぼりたてかめぐちは、注文を受けてからその場で瓶詰めを行う蔵限定・季節限定の純米生原酒です。精米歩合70%、アルコール分17度で、しぼりたてゆえに時期によって味わいが変化していく過程も楽しめる商品です。例年11月頃からゴールデンウィーク頃まで、蔵敷地の直売店「酒世羅」と「福生のビール小屋」で販売されます。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

直売店「酒世羅」では、蔵でしか手に入らないしぼりたてかめぐちなどの限定酒や季節限定酒、地ビール「多摩の恵」「TOKYO BLUES」、大吟醸ケーキや酒粕を使った漬物・石鹸といった関連商品、前掛けやTシャツなどのグッズを販売しています。営業時間は10時から18時まで、定休日は火曜日(12月を除く)です。駐車場を備えています。

補足

最寄りはJR拝島駅から徒歩約20分です。酒蔵見学は基本的に事前予約制で、無料の散策コースのほか、試飲付きの少人数向けコース(500円、45分程度)や酒蔵弁当付きの見学コースなどを用意しています。予約は直売店「酒世羅」(電話042-530-5792)またはメールで受け付けており、火曜日は定休のため見学できません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

wikipedia.org / kuramotokai.com / tamajiman.co.jp / meimonshu.jp / diamond.jp / imatama.jp / at-tama.tokyo / shubou-tamajiman.jp / tamajiman.com / guidoor.jp / ja.wikipedia.org / bishukikaku.co.jp / fussa.co.jp

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