谷櫻酒造
代表銘柄:谷櫻
山梨県
YAMANASHI
1848年創業
1848年(嘉永元年)、小宮山酒造所として創業。創業時に蔵の敷地から大量の古銭が出土したことから「古銭屋」の屋号でも親しまれてきた。1955年に谷櫻酒造有限会社を設立。
八ヶ岳南麓の清らかな伏流水を仕込み水に使用し、自社精米と食に寄り添う辛口の酒造りにこだわる。伝統技術の継承に力を入れており、1998年には「生酛(きもと)造り」を復活させたほか、大吟醸などの一部商品では手間のかかる「槽(ふね)絞り」を採用している。
2016年の香港HKIWSC(Hong Kong International Wine & Spirit Competition)にて「純米大吟醸 サクラサクラ」が日本酒の最高賞「Best Sake」トロフィーを受賞したほか、東京国税局酒類鑑評会をはじめ国内外の品評会で受賞歴を持つ。
谷櫻酒造の歩み
谷櫻酒造は、山梨県北杜市大泉町、八ヶ岳の南麓にある蔵元です。創業は嘉永元年(1848年)で、初代の小宮山権左衛門が御神酒酒屋と呼ばれる小さな酒蔵として始めました。蔵の敷地から大量の古銭が出土したことにちなみ、「古銭屋(ふるぜにや)」の屋号でも親しまれてきました。のちに「小宮山酒造所」と称し、1955年(昭和30年)10月に谷櫻酒造有限会社を設立しています。
新しい試みにも早くから取り組んできた蔵です。1981年(昭和56年)には山梨県で初めての生酒を発売し、1992年(平成4年)には級別制度の廃止にあわせて特定名称酒だけを造る蔵になりました。1998年(平成10年)には、蔵では明治時代の初めごろまで行っていた生酛造りを、一部の商品で復活させています。2013年(平成25年)には、日本酒と同じ製法で地元・北杜市明野町のサツマイモ「あけの金時」を原料に加えた芋酒「あけのGT」を発売しました。
2018年には漫画家の松本零士さんとの企画「名将銘酒47撰」に山梨県代表として参加し、純米吟醸「甲斐の虎信玄」を期間限定で販売しています。
蔵を継いだ4代目の小宮山光彦さんは、東京のホテルでフレンチのコックとして修業を積んだ後に山梨へ戻り、酒造りに打ち込みました。目指したのは、和食にも洋食にも、肉料理にも合う食中酒です。その考えから、純米大吟醸を氷温で10年以上寝かせる長期熟成にも取り組み、1997年(平成9酒造年度)に熟成を始めています。国内の鑑評会で好まれる軽やかな酒質とは別に、しっかりした酸を持ち、食事とともに飲み進めたくなる辛口の酒を造ってきました。
受賞は海外の品評会で目立ちます。2016年の香港インターナショナル・ワイン&スピリット・コンペティション(HKIWSC)には「純米大吟醸 サクラサクラ」を初めて出品し、日本酒の最高賞である「Best Sake」トロフィーを受賞しました。蔵の発表では、同じ大会で2016年に「純米吟醸 粒粒辛苦」が銀賞となり、2017年から2021年までは「粒粒辛苦」と「サクラサクラ」のいずれかが毎年、銅賞または銀賞を受けています。
蔵の発表では、2019年にロサンゼルスのワイン・コンペティションで「大吟醸 谷櫻」が金賞、2022年にはラスベガス・グローバル・ワイン・アワードでも同じ酒が金賞に選ばれました。熟成酒「古銭屋秘蔵酒」も、2020年のロンドン酒チャレンジで古酒部門の銀賞、2021年のボルドー酒チャレンジで古酒部門の金賞、2022年のルクセンブルク酒チャレンジで純米大吟醸部門の金賞を受けています。蔵の発表では、2023年のシンガポール酒チャレンジでも古酒部門の金賞でした。
国内では東京国税局の酒類鑑評会での受賞があります。平成22年(2010年)の鑑評会では、銘柄「谷櫻」が清酒の常温審査部門(吟醸)と燗審査部門の両方で受賞製造場に選ばれました。令和5年(2023年)の鑑評会では、「大吟醸 谷櫻」が清酒吟醸部門で、「純米大吟醸 サクラサクラ」が清酒純米吟醸部門で、それぞれ優等賞を受けています。
酒造りの特徴
酒造りの土台は、水と米です。仕込みには、敷地内の深井戸から汲み上げる八ヶ岳南麓高原湧水群の伏流水を使います。この一帯は日本名水百選に選ばれた湧水の地で、水は弱軟水でミネラルのシリカを多く含みます。米は玄米の状態から全量を自社で精米し、酒の銘柄に合わせて磨き具合を変えます。平均すると粒の約40%を削り、雑味のもとになる部分を取り除いています。
生酛造りは、蒸米と麹をすり潰す山卸しを行い、乳酸菌を自然のまま育てて、蔵つき酵母による発酵を待つ昔ながらの方法です。醸造用乳酸を加える速醸酛より時間と手間がかかりますが、複雑で深い味わいが生まれます。谷櫻では生酛造りの本醸造「櫻守」と純米酒「櫻舞」を造っています。純米酒だけでなく、燗でも楽しめるようにと本醸造も用意しました。
大吟醸の「大吟醸 谷櫻」「純米大吟醸 古銭屋の酒」「純米大吟醸 サクラサクラ」は、伝統的な槽(ふね)絞りで搾ります。発酵させたもろみを布の酒袋に入れ、槽に敷き積んで木の蓋をし、上から時間をかけて圧をかけます。搾り終えるまでに2日から3日ほどかかり、手作業で何百枚もの酒袋を積み重ねる重労働です。また、氷温で10年以上寝かせた純米大吟醸の秘蔵酒は、2026年の蔵開きでも限定販売されました。長い熟成を経た古酒ならではの熟成香と深い味わいが持ち味です。
酒造りは例年11月から3月ごろまで続きます。杜氏は岩手県の南部杜氏で、2023年時点では杜氏歴30年の梅澤杜氏が仕込みを率いていました。仕込み期間中、蔵人は寝食をともにし、昼食は全員がそろって食べる習慣が続いています。
代表銘柄
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谷櫻
谷櫻は蔵の名を冠した主力ブランドで、大吟醸から本醸造までを同じ名で展開します。看板の「大吟醸 谷櫻」は、兵庫県産の山田錦を35%まで磨き、槽絞りで仕上げた一本で、フルーティーな香りとすっきりしたのどごしが特徴です。蔵の発表では2019年のロサンゼルスの品評会と2022年のラスベガスの品評会で金賞を受けており、令和5年の東京国税局酒類鑑評会では吟醸部門の優等賞に入りました。2026年7月には、山田錦100%を45%まで磨いたやや辛口の「純米大吟醸 谷櫻」も加わっています。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 敷地内に直営店があり、全商品を購入できます。営業は平日の8:30から17:00で、土曜・日曜・祝日は定休です。試飲は無料ですが、2026年10月時点では一部の商品のみで、運転する方の試飲はできません。駐車場があります。
- 補足
- 蔵見学は予約制ですが、2026年10月時点では休止しています。毎年3月上旬の蔵開きの際には見学ができ、2026年は3月7日と8日の10時から16時まで、入場無料で新酒の試飲などが行われました。夏季などの休業日は、隣のひまわり市場やきららシティ内の地酒の八峰でも購入できます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山梨県北杜市大泉町谷戸2037
- 創業
- 1848年
- 公式サイト
- www.tanizakura.co.jp
出典
sakedata.jp / tanizakura.co.jp / yamanashi-sake.jp / pref.yamanashi.jp / nta.go.jp / makuake.com
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