八巻酒造店
代表銘柄:甲斐男山
山梨県
YAMANASHI
1862年創業
八巻酒造店は、山梨県北杜市高根町にて1862年(文久2年)に初代・八巻仲右衛門が創業した蔵元です。代表銘柄である「甲斐男山」の名は、酒の神様として知られる京都の男山八幡宮(現在の石清水八幡宮)に由来しています。仕込み水には地下96メートルから汲み上げる清らかな八ヶ岳の伏流水(軟水)を使用し、原料米には主に山梨県産の「あさひの夢」などを採用しています。現在は5代目当主の八巻俊司氏が自ら杜氏を務め、家族で伝統の酒造りを守り続けています。酒質は米本来の旨みを生かした濃醇でしっかりとした辛口が特徴です。
主力商品の「甲斐男山 純米酒 仲」や「辛口造り」は、東京国税局酒類鑑評会(純米燗酒部門等)において優等賞を複数回受賞するなど、高い評価を得ています。
八巻酒造店の歩み
八巻酒造店は、山梨県北杜市高根町下黒沢にある酒蔵です。創業は1862年(文久2年)で、当時の甲村で地主だった八巻仲右衛門が酒造りを始めました。八ヶ岳の麓に田園が広がる土地で、創業から150年以上の歴史を重ねています。
蔵の酒銘「甲斐男山」は、創業当初から使われてきた名です。かつて「男山八幡宮」の旧称で呼ばれた石清水八幡宮(京都府八幡市)に由来します。
地主として栄えた八巻家の歴史は、敷地内の直売店にも残っています。壁には、昭和19年に当代の祖父が宮中行事の新嘗祭に粟を献上した際の神事のモノクロ写真や、宮内省(現在の宮内庁)から贈られた賞状が飾られています。
昭和52年(1977年)には株式会社八巻酒造店となり、昭和63年(1988年)には精米歩合35%の純米大吟醸酒「巫女の舞」の販売を始めました。2014年に長年酒造りを支えてきた杜氏が高齢で退くと、5代目当主で社長の八巻俊司さんが自ら杜氏に就きました。4代目だった父も造りの経験がなく、八巻さん自身も学生時代に蔵人が休みの時に作業を手伝った程度だったため、就任当初は前杜氏ら専門家のバックアップを受けながら勉強を重ねたといいます。現在は妻と長男の3人で蔵を守っています。
造りで人手が必要な時は妻が協力し、長男は造りの傍ら東京国税局の研修会や酒類総合研究所(広島県広島市)の研修会にも出向き、最新の情報を取り入れて社長杜氏を支えています。「時流に流されず、芯がぶれずに、伝統の味を受け継いでいく」という信念を掲げ、小さい蔵として、今ついている客の期待を裏切らず、長く飲んでもらうことを目指しています。
東京国税局酒類鑑評会では、令和元年に「甲斐男山」が清酒燗酒部門、「甲斐男山 仲」が清酒純米燗酒部門で優等賞を受けました。八巻俊司さんが杜氏に就いて初めての受賞でした。令和2年には「甲斐男山 辛口造り」が燗酒部門、「甲斐男山 純米酒 仲」が純米燗酒部門で、そろって優等賞に選ばれています。さらに令和4年と令和7年にも、「仲」が純米燗酒部門で優等賞を受賞しました。
酒造りの特徴
仕込みには、地下96メートルから汲み上げる井戸水を使います。八ヶ岳の伏流水で、軟水であり、水温は年間を通じて13℃と一定です。この水を洗米や仕込み、瓶の洗浄など、酒造りのあらゆる場面で惜しみなく使っています。
純米酒の原料米は、ほとんどが山梨県産の「あさひの夢」です。米本来の甘味があり、口当たりが良く、粘り気が少なくあっさりとした品種です。酒造好適米に比べて手頃な価格のため、毎日の晩酌に選んでもらいやすい価格で提供できる利点もあります。蔵は、八ヶ岳の火山灰が堆積した肥沃な土地が米を育み、地元の米は風味を最大限に引き出せると考えています。
仕込みで最も大切にしているのは、毎年同じ酒質になるよう、味のばらつきを最大限抑えることです。温度などのデータに忠実に従って造り、とくに麹ともろみの温度を、状態を判断するうえで重要な要素として見ています。高原の冷涼な気候は酵母の活動を穏やかにし、じっくりと熟成させるのに適していると蔵は考えています。
酒質は、味のしっかりした辛口が中心です。純米酒のほか、吟醸酒や純米大吟醸酒など幅広い種類を造っています。蔵は日本酒を「食の相棒」と位置づけ、冷やからぬる燗、熱燗まで、温度によって変わる味わいを楽しんでもらいたいと考えています。若い世代や海外の人にも楽しんでもらえる日本酒造りを目指しています。
代表銘柄
甲斐男山
「甲斐男山」は、創業当初から続く蔵の看板銘柄です。味のしっかりした辛口で、純米酒や吟醸酒、純米大吟醸酒などを揃えます。純米酒「仲」は山梨県産米「あさひの夢」だけで仕込み、名は初代の八巻仲右衛門にちなみます。精米歩合65%、アルコール分15度で、季節酒に冷仲・秋仲・純米生原酒もあります。「巫女の舞」は精米歩合35%の純米大吟醸酒で、地元商工会と協力して開発し、1988年に誕生しました。各瓶には使用した酒米を貼った首掛けが付きます。純米酒「お館様」は武田信玄にちなむ、コクのある純米酒です。
見学・購入
- 直売所
- 製造直売所を併設しており、試飲と購入ができます。営業時間は9時から17時、定休日は日曜と祝祭日で、駐車場は約10台(大型バス可)です。
- 補足
- 来店や製造場見学は、事前に電話(0551-47-3130)で問い合わせます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山梨県北杜市高根町下黒沢950
- 創業
- 1862年
- 公式サイト
- yamakishuzou.com
出典
yamanashi-sake.jp / yamakishuzou.com / city.hokuto.yamanashi.jp / sakedata.jp / youtube.com / ybs.jp / nta.go.jp
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