養老酒造
代表銘柄:養老・櫂
山梨県
YAMANASHI
1849年創業
1849年(嘉永2年)に創業した養老酒造は、山梨県山梨市に所在する同市唯一の酒蔵です。仕込み水には秩父山系を水源とする笛吹川の伏流水を用い、6代目蔵元兼杜氏の窪田裕光氏を中心に、伝統的な酒造りを手作業で引き継いでいます。和釜を使った米の蒸かし作業や、醪(もろみ)を「槽(ふね)」と呼ばれる木枠に入れて2日間かけて優しく丁寧に搾る昔ながらの技法を守り続けているのが大きな特徴です。
特に生原酒にこだわりを持って酒造りを行っており、一番人気である本醸造生原酒「櫂(かい)」をはじめ、「養老」「六波」「567」などの銘柄を展開しています。また、敷地内には築200年の母屋を改装した古民家カフェ・食事処「酒蔵 櫂」を併設しており、酒粕を用いた料理や利き酒が楽しめます。
養老酒造の歩み
山梨市北にある養老酒造は、嘉永2年(1849年)に創業した酒蔵です。前身は、山梨市堀之内にあった「松坂屋」です。庄屋の21代目だった窪田金左衛門が興した造り酒屋で、のちに2代目の庄太郎が、同じ造り酒屋だった八木酒造店から現在の敷地と建物を譲り受けて移りました。以来、窪田家が代々守り、現在の当主は6代目の窪田裕光さんです。
母屋は庄屋造りで、1階には土間と囲炉裏があり、2階は養蚕に使われていました。吹き抜けの中心に立つ大黒柱の太さから、建てられたのは200年以上前と推測されています。この母屋を改装して、2階に食事処の「酒蔵 櫂」、1階にカフェの「槽」が設けられ、造り手のすぐそばで酒と食事を楽しめる蔵になりました。また、酒蔵の1階を改装し、2023年12月に隠れ家バー「KARDIA」が開店しました。
山梨市で唯一の酒蔵であり、山梨県内で最も小さな酒蔵として知られます。杜氏を務めるのは6代目の裕光さんで、すべての酒を一人で造っています。江戸から続く酒蔵を引き継ぎ、文化としての日本酒を残したいという思いで、今日も酒を造り続けています。ハレの日の一杯に、そして今日を労う一杯になってほしいという願いが、酒造りの根にあります。
酒造りの特徴
仕込み水は、秩父山系を水源とする笛吹川の伏流水で、超軟水です。蔵には大きな機械やコンピューター、デジタル表示の装置が一切なく、昔ながらの造りをそのまま続けています。米は和釜で蒸し、もろみは「槽(ふね)」と呼ぶ大きな木枠の搾り機で搾ります。木枠の中にもろみを入れた酒袋を積み、丸2日かけてゆっくり均一に圧をかける手法で、機械搾りより時間はかかりますが、雑味のないまろやかな味わいに仕上がります。江戸時代から使い続けている道具が多く、槽のように今ではほとんど使われなくなった道具が壊れたときは、全国を探して修理しています。
仕込みは12月から3月上旬までで、搾りの日は酒の育ち具合に沿って決まるため、事前には知らせられません。本醸造に添加する醸造アルコールはごくわずかで、酵母が糖をしっかり食べて生んだアルコールを生かす造りです。蔵が力を入れているのは生原酒で、水を加えないため、搾ったままの味わいをそのまま楽しめます。
「櫂」と「金盃 養老」のほかに、3本の酒があります。純米生原酒の「六波」は、名が6代目の起こす小さな波という意味で、強さの中に米の旨みとしっかりした辛みを感じる味わいです。大吟醸生原酒の「567」は、弥勒菩薩が現れるとされる56億7千万年後にちなむ名で、蔵の住所でもあります。ほのかな木香と白ワインに似た酸味が特徴です。純米大吟醸生原酒の「玉笹」と「567」はどちらも山田錦を使い、「567」は精米歩合50%、「玉笹」は米を手洗いして低温でゆっくり発酵させます。
代表銘柄
養老
金盃の名を冠した普通酒「養老」は、いわゆる昔の二級酒にあたる火入れの晩酌酒です。辛口でキレがあり、飲み飽きしない優しい味わいです。常温でも冷やでも燗でも楽しめ、ぬる燗がおすすめです。720mlのほか、お得な一升瓶(1800ml)もあります。
櫂
本醸造生原酒「櫂」は、蔵でいちばん人気の超辛口です。真冬の仕込みを思わせる、搾ったままの力強い味わいで、アルコール度数は20度を超えます。冷酒でそのまま飲むほか、ロックや柑橘系のソーダ割りにも向きます。新酒の時期は、薄く濁った出来たてを透明の瓶で用意します。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 併設の「蔵元ごはん&カフェ 酒蔵櫂」で、季節を問わず試飲ができます。酒粕を使った鮭の粕漬けや粕汁などの蔵元ごはんも味わえ、蔵の酒は養老オンラインストアでも購入できます。1階のカフェ「槽」では、山梨の果物を使ったパフェや利きぶどうジュースが楽しめます。
- 補足
- 酒蔵見学は12時30分からの予約制で、所要時間は20〜30分ほど、見学料は1人500円です。20歳未満は見学できず、蔵の都合により7〜8月は基本的に行っていません。仕込みの最盛期にあたる1月から2月中旬の見学がおすすめです。例年2月には蔵開きが開かれ(公式の案内では第2日曜)、搾りの様子を確実に見られる日です。蔵開きでは、搾りたての酒粕の販売があるほか、酒蔵の入口に掛ける杉玉作りにも参加できます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山梨県山梨市北567
- 創業
- 1849年
- 公式サイト
- www.sakagura-kai.jp
出典
wikipedia.org / yoro-sake.jp / pref.yamanashi.jp / chuosuki.jp / tanoshiiosake.jp / sakenomy.jp / sakagura-kai.jp / store.yoro-sake.jp / kominka.jpn.org / yamanashi-kankou.jp / tabirai.net / houjin-bangou.nta.go.jp / nta.go.jp / fruits.jp
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