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太冠酒造

代表銘柄:太冠

山梨県

YAMANASHI

1877年創業

太冠酒造は1877年(明治10年)、現在の甲府市にあたる地で初代・大澤利右エ門が「割菱正宗」として創業した山梨県の酒蔵です。代表銘柄の「太冠」は、出世した武官が前途を祝う際に被った冠にちなみ、祝い事に合うようにと名付けられました。

2007年には、より酒造りに適した水と冷涼な環境を求め、現在の南アルプス市へ蔵を移転しました。南アルプス前衛である櫛形山の伏流水を仕込み水に使用しており、食事を引き立てるすっきりとした辛口の酒質を特徴としています。

伝統的な酒造りを守る一方で、ワイン酵母を用いたスパークリング日本酒や、山梨県産シャインマスカット果汁を使用したリキュールなど、柔軟な発想による新しい酒造りにも取り組んでいます。また、地元の子供たちと酒米「山田錦」の栽培・収穫体験を行うなど、地域に根ざした食育や地産地消の活動も継続しています。

太冠酒造の歩み

太冠酒造は、1877年(明治10年)に初代の大澤利右エ門が、現在の甲府市若松町にあたる地で「割菱正宗」として創業した酒蔵です。4代目の大澤美弘の代に、メインのブランド名を「太冠」に改めました。「太冠」は、出世した武官が前途を祝うときにかぶったとされる冠にちなんだ名で、祝い事に合う酒にという願いが込められています。

2007年には、現社長で5代目の大澤慶暢が、より良い水を求めて蔵を南アルプス市に移しました。それまでは甲府市の市街地で酒造りをしていましたが、新しい蔵は南アルプス前衛の櫛形山の麓にあり、すぐ後ろに山が迫ります。社長は、気温が甲府より2℃ほど低く、山から冷気が下りてくると話します。大澤社長は大学の航空宇宙学科から自動車業界に進み、30歳で山梨に戻って家業を継ぎました。

酒造りの信条はチームワークです。杜氏は諏訪杜氏の菊池良充さんで、昭和58年秋に蔵人として入り、平成6年秋に杜氏となりました。2022年時点では、長野県の原村や茅野市から集まった蔵人が杜氏を中心に仕込みを担っており、蔵では「人の和」を大切にした武田信玄の教えを酒造りに重ねています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に9回入賞し、そのうち金賞は平成15酒造年度と平成26酒造年度の2回です。平成15酒造年度の金賞は大吟醸での受賞で、蔵にとって4回目の金賞(現杜氏としては3回目)でした。入賞は平成14・16・17・20・21・24酒造年度と令和元酒造年度で、令和元酒造年度は山梨県産山田錦で造った大吟醸での入賞です。

山梨県が属する東京国税局の酒類鑑評会では、優等賞を長く受けてきました。蔵の発表では平成21年(2009年)に25年連続でした。その後も2010年から2013年まで毎年受賞し、2015年、2017年、2018年、さらに2020年から2025年まで毎年受賞しています。2024年は吟醸、純米吟醸、燗酒、純米燗酒の清酒の4部門すべてで優等賞に選ばれました。全国燗酒コンテストでは、2018年から2020年までの3年連続を含め、2018年、2019年、2020年、2022年、2023年、2025年に金賞を受賞しています。

ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2021年から2025年まで毎年金賞に選ばれ、2022年は3点が金賞でした。2022年のフランスのKura Masterではスパークリングが金賞を受賞し、蔵の発表では2023年のインターナショナル・サケ・チャレンジの純米大吟醸部門でSilverを受賞しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、南アルプス前衛の櫛形山の麓にある蔵で、その伏流水を仕込みに使っています。山梨県はミネラルウォーターの生産量が全国の約4割を占める名水の地で、南アルプス山系の水もその質の良さで知られます。蔵では食事を邪魔せず飲み飽きない、すっきりとした辛口の食中酒を目指しています。

原料米は県産米が95%以上を占め、全体の6割以上を山梨県産の山田錦が占めています(2022年時点)。山田錦は昭和町の幼稚園・保育園の園児や児童と一緒に田植えから稲刈りまで育てる食育活動でも作られ、収穫した米は子どもたちと保護者に贈る甘酒と日本酒になります。大澤社長は、手伝ってくれた子どもたちが成人したらおいしい日本酒を飲んでほしいと話します。

大吟醸では山田錦を40%まで磨き、洗米は10キロずつ小分けにして手洗いし、吸水時間は秒単位で管理します。製麹では、蒸した米に種麹をふりかけたあと、約30秒間は室内の空気を止めて全員が動かずに待ちます。山田錦の精米歩合は、超特選大吟醸原酒と袋雫取りの純米大吟醸原酒で40%、特別純米と辛口の特別本醸造で60%です。袋雫取りは、もろみを吊るした袋に入れて垂れてきた原酒だけを集める手法です。

新しい酒造りにも積極的です。2019年にワイン酵母で仕込み瓶内二次発酵させた純米酒タイプのスパークリングを発売し、2,000本が売り切れました。山梨県産シャインマスカットの果汁を純米酒にブレンドしたリキュールや、南アルプス市産のソルダムを漬け込んだリキュールもあり、地元の素材を生かした酒が揃います。

代表銘柄

太冠

蔵のメイン銘柄で、出世した武官が前途を祝ってかぶった冠にちなみ、祝い事に合う酒として名付けられました。食事を引き立てるすっきりとした辛口が持ち味で、山田錦を40%まで磨いた超特選大吟醸原酒や袋雫取りの純米大吟醸原酒、60%精米の特別純米と辛口の特別本醸造まで幅広く揃います。燗酒コンテストや東京国税局の酒類鑑評会でも評価されています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
公式オンラインショップ(太冠愛好倶楽部「乱波」)で販売しています。好きな文字や写真を入れたオリジナルラベルの注文もできます。
補足
蔵見学は予約制です。2026年10月時点の公式案内では、見学可能時間は9時から17時で、日曜・祝日と第2・3・4土曜は休み、12月は繁忙期のため受け付けていません。1回の見学は5名以内です。事前に電話でご確認ください。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
山梨県南アルプス市上宮地57
創業
1877年
公式サイト
taikan-y.co.jp

出典

japansake.or.jp / taikan-y.co.jp / yamanashi-sake.jp / yamanashi-kankou.jp / fujisan-pref.jp / nta.go.jp / kansake.jp / finesakeawards.jp / kuramaster.com / ybs.jp

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