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佐嘉酒造

代表銘柄:窓乃梅

佐賀県

SAGA

1688年創業

佐嘉酒造(撮影当時の窓乃梅酒造)
佐嘉酒造(撮影当時の窓乃梅酒造)(2017年撮影)「Madonoume Shuzo office Kubota, Saga.jpg」 — 写真:Pekachu / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

佐嘉酒造は1688年(元禄元年)創業の佐賀県最古とされる歴史を持つ酒蔵です。初代・古賀六右衛門が鍋島藩の余剰米を利用して酒造りを命じられたことに始まり、当初は「寒菊」の銘で創業しました。1860年(安政7年)、仕込み桶に白梅の花びらが舞い降りて芳醇な酒が醸された際、藩主・鍋島直正から歌を賜ったことから、代表銘柄である「窓乃梅」へと改称された逸話を持ちます。長年「窓乃梅酒造株式会社」として親しまれてきましたが、2022年に「佐嘉酒造株式会社」へ社名を変更しました。

酒造りでは、佐賀県産米を使い、仕込み水には蔵の敷地内の地下150mからくみ上げる深層地下水を用いています。旧蔵では生酛系の酒母や木桶仕込みといった昔ながらの手法も取り入れていましたが、2026年4月に竣工した新酒蔵では工程の大半を自動化し、データ管理による安定した酒造りに切り替えています。また、限定流通のブランド「佐嘉」も展開しています。

佐嘉酒造の歩み

佐嘉酒造は、佐賀平野の中ほど、嘉瀬川のほとりにある酒蔵です。北に脊振山系、南に有明海を望むこの一帯は、嘉瀬川が運んだ土や砂が積もり、近世に有明海の干拓と水路の整備が進んで水田が広がり、米の一大産地になりました。1688年(元禄元年)、佐賀藩主の鍋島家はその米を使った酒造りを、かつて肥前佐賀地方を治めた龍造寺家の家臣に縁のある古賀六右衛門に命じ、六右衛門が「寒菊」の銘で酒造場を開いたのが蔵のはじまりです。佐賀県で最も古い酒蔵とされています。

銘が「窓乃梅」に改まったのは幕末のことです。八代目の古賀文左衛門は、1859年(安政6年)に63歳で酒造りを学び直そうと決意し、当時の先進地だった灘(兵庫県)を訪ねて工程や設備を細かく観察し、記録しました。良い酒には良い水が欠かせないと学んだ文左衛門は、帰郷すると蔵の敷地内の井戸水をやめ、嘉瀬川をさかのぼって理想の水源を探し、何艘もの舟に水を積んで蔵まで運んで仕込み水にしたと伝わります。

そして1860年(安政7年)3月、蔵の横に咲いた白梅の花が風に舞って窓から仕込み桶に降り注ぎ、桶からこれまでにない芳醇な香りが立ちのぼったという話が、蔵に語り継がれています。この酒を献上された藩主・鍋島直正は、その香りを喜んで「年々にさかえさかえて名さえ世に香りみちたる窓乃梅が香」と詠み、酒は「窓乃梅」と命名され、蔵の名も「窓乃梅」に改められました。直正の歌は直臣の古川松根が掛軸に仕立てて贈り、古賀家の家宝として受け継がれてきました。

文左衛門の孫の文一郎は、独自に温度の測定器を考案したほか、灘を訪ねて新しい機器や醸造法を研究して蔵を近代化し、窓乃梅は数々の品評会で高く評価されて佐賀県屈指といわれるまでになりました。1918年(大正7年)11月22日には、十代の古賀文一郎が法人化して「窓乃梅酒造株式会社」を設立しています。その後も代々の蔵主が、ほかの酒蔵との勉強会を重ねて佐賀の酒の地位向上に力を尽くしました。

日本酒を取り巻く環境が厳しくなるなか、300年あまり続いた酒蔵を次の世代へつなぐため、蔵は2020年に新しい酒蔵への転換を決め、酒蔵の再構築に着手しました。同じ年に九州みらい建設グループ(福岡市、現在の地域みらいグループ)の傘下に入り、2021年10月には十四代の力久光浩が社長に就任、2022年3月からは木下里美が社長を務めています。2021年には限定流通の清酒「佐嘉」と、シェリー樽で長期熟成した蒸留酒「佐嘉 SAGA」を売り出し、2022年11月1日に社名を窓乃梅酒造株式会社から佐嘉酒造株式会社に改めました。

社名を改めたもので、会社は同じです。窓乃梅は清酒の看板銘柄として引き続き造られています。ブランド名「佐嘉」には、先人が築いてきた壮大な酒造りの物語(サーガ)への感謝と、さらなる革新への覚悟が込められています。

受賞も重ねています。福岡国税局の酒類鑑評会では平成14年以降に金賞を11回受けました(吟醸酒の部5回、純米酒の部6回)。平成15年(純米酒の部)、平成18年(吟醸酒の部)、平成20年(純米酒の部)には優等賞を受けています。全国新酒鑑評会では平成14酒造年度以降に平成16、23、24、29酒造年度と令和3酒造年度の5回入賞し、平成24酒造年度は金賞でした。全国燗酒コンテストでは、特別純米 窓乃梅が2016年にプレミアム燗酒部門で最高金賞、2018年と2022年に同部門で金賞を受けています。

Kura Master日本酒コンクールの純米酒部門では2019年と2024年に金賞を受け、2018年の全米日本酒歓評会では純米大吟醸 文左衛門が大吟醸B部門で金賞でした。

酒造りの特徴

2026年4月、佐嘉酒造は約3年をかけて蔵のすべてを建て替え、新しい酒蔵が竣工しました。2023年に着工し、醸造所、瓶詰め工場、樽貯蔵庫、冷蔵貯蔵庫、事務所棟の5棟を新築しています。総事業費は約30億円で、総合設計監修は、同じ元禄年間に源流を持つ住友林業が担いました。外観は白と黒を基調にし、白は酒米や有田焼の陶磁器を、黒は伝統的な酒蔵の黒壁をイメージしています。麹づくりを担う麹室には、佐賀県産の杉材を使っています。

新しい蔵では、生産工程の大半を自動化しました。これまで杜氏の経験や勘に委ねられていた浸漬の具合などを分析して数値化し、工程ごとに異なる温度・湿度・時間の管理もデータ化することで、一年を通して意図した味わいを安定して醸せる体制を整えています。木下社長は、夏の高温期にあった味のばらつきが気候に左右されなくなったと話しています。窓乃梅は火入れを2回から1回に減らし、風味が格段にパワーアップしたと語っています。人の手が必要な部分は残し、杜氏の石丸絋和をはじめとする蔵人が、感覚を研ぎ澄ませて酒と向き合っています。

旧蔵の時代には、生もと系の酒母や木桶仕込みといった昔ながらの手法も取り入れていました。仕込みに使う水は、すべて蔵の敷地内の地下150mからくみ上げる深層地下水です。約10km離れた天山山系の丘陵地に降った雨が地中をゆっくり流れてたどり着く軟水で、凛とした気品のある味わいを支えています。

銘柄は役割ごとに分かれています。一般流通の窓乃梅は、佐賀県産米「さがの華」と佐賀県の清酒酵母で造り、純米は精米歩合65%、純米吟醸は55%です。2021年に立ち上げた限定流通の「佐嘉」には、山田錦を25%まで、愛山を40%まで磨いた「プレミアム佐嘉」の純米大吟醸などもあり、こちらは酒造とコンセプトショップに限って販売しています。梅ヶ谷は、明治時代末期に生まれて昭和中期まで愛された銘柄を、100年前の製法をもとに岡山県産の雄町と熊本酵母で復刻した限定流通の酒です。

アルコール度数8%でワインのようにフルーティなSAGA BLUEと、若葉を思わせる香りと苦味を持つ度数10%のSAGA FOREST Bitter Greenは、限定流通の酒です。

清酒のほか、佐賀県産の大麦を使った麦焼酎も造っており、肥前竹炭麦焼酎 蒼天は福岡国税局の酒類鑑評会の本格しょうちゅうの部で平成23年に金賞を受けました。樫樽で熟成した肥州 樽焼酎、武雄産のレモングラスをブレンドしたリキュールのほか、シェリー樽で15年以上、17年以上熟成させた長期熟成焼酎の佐嘉 SAGAがあります。蔵は、乾杯の一杯から日々の食事まで人と料理を引き立てる「最高の脇役」としての日本酒を目指しています。

代表銘柄

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窓乃梅

1860年(安政7年)に藩主・鍋島直正が命名した、蔵を代表する一般流通の銘柄です。純米は佐賀県産「さがの華」を65%まで磨いたコクのある味わい、純米吟醸は55%まで磨いてフルーティな香りにまとめています。特別純米はJR九州の「ななつ星in九州」でも提供されたことがあり、古梅は2018年の全国燗酒コンテストお値打ちぬる燗部門で金賞を受けました。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に併設のショップがあり、一般販売していない限定銘柄も購入できます。福岡市中央区大手門には直営の「佐嘉酒造 大手門 Concept Shop」があり、営業は10:30〜18:30、定休は木曜(祝日は変更の場合あり)です。
補足
新しい酒蔵は無料で見学でき、見学時間は10:00〜16:00、定休日は不定休、所要は20分〜1時間です。仕込み蔵は自由に見学でき、ショップでの利き酒は予約制です。ガイド付きの見学は10名以上の事前予約が必要で、繁忙期や酒造りの状況によっては受け付けられません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
佐賀県佐賀市久保田町大字新田1833-1640番地
創業
1688年
公式サイト
sagashuzo.co.jp

出典

getnews.jp / prtimes.jp / sagashuzo.co.jp / sagasake.or.jp / meimonshu.jp / wikipedia.org / nta.go.jp / nrib.go.jp / kansake.jp / kuramaster.com / sakeappraisal.org / saga-s.co.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / madonoume.co.jp / excite.co.jp / rfgroup.co.jp

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