松尾酒造場
代表銘柄:宮の松
佐賀県
SAGA
株式会社松尾酒造場は、佐賀県西松浦郡有田町に蔵を構える酒蔵です。江戸末期に七代当主である松尾長助によって創業され、150年以上の歴史を有しています。2017酒造年度を最後に酒造りを休止し、2021年に酒造りを再開、2022年に営業を再開しました。
醸造環境においては、周囲を山々に囲まれた盆地特有の昼夜の寒暖差や、冬場に吹き込む寒風といった気候条件に恵まれています。仕込み水には、名水百選に選ばれた竜門峡などを擁する黒髪山系の柔らかい水を使用しています。この軟水を用いて穏やかに発酵させることで、やさしい味わいの酒を造り上げています。代表銘柄の「宮の松」では、純米大吟醸や特別純米酒、佐賀県産米「さがびより」を用いた純米酒など多彩な酒を展開しています。
主な受賞歴としては、福岡国税局酒類鑑評会での大賞(2014年に純米酒の部、2022年に吟醸酒の部)や金賞、2022年度全米日本酒歓評会における「宮の松 純米大吟醸」の銀賞受賞などがあります。
松尾酒造場の歩み
松尾酒造場は、佐賀県西松浦郡有田町の大木宿にある酒蔵です。江戸末期に七代当主の松尾長助が創業し、150年を超える歳月のあいだ、名水と豊かな自然に恵まれた有田郷の地で酒造りに取り組んできました。蔵があるのは、かつて有田焼が伊万里の港へ運ばれていた街道(往還)沿いです。手がける銘柄は「宮の松」で、小さな蔵ながら、一年ずつ積み重ねていくことを大切にしています。
蔵の歴史と伝統は、黒髪山の麓に湧く「竜門の清水」という名水とともに、江戸時代から育まれてきました。黒髪山は武雄市と有田町の市町境にあり、竜門の清水は1985年に環境庁(現在の環境省)が選んだ名水百選のひとつです。付近一帯は、1995年に林野庁が選んだ水源の森百選と、1982年に朝日新聞と森林文化協会が選んだ21世紀に残したい日本の自然・百選にも入っています。この水は地域の水道水の源でもあり、古くから地元の人々に大切に守られてきました。
蔵は水、米、農業、林業、森林の大切さをあらためて見つめ直し、自然との共生による酒造りを目指して、「山河の営みに仕込む」という言葉のもと、自然が生みだす美味の追求に励んでいます。
経営上の問題から、松尾酒造場は2017酒造年度を最後に酒造りを中断しました。再開のめどが立ったのは、日本酒を通じて日本の伝統文化を発信したいと考える中国・上海の起業家が社長に就任したことによります。2021年には3年ぶりの酒造りに取り組み、1月に仕込んだ特別純米酒「宮の松 あらばしり」などを、3月28日に蔵を開放して開いた地元住民との試飲会で振る舞いました。祭りの際に蔵の酒が振る舞われてきた地域の人々は、地元の酒がまた楽しめると再開を喜びました。2022年には営業再開を果たしています。
福岡国税局の酒類鑑評会(福岡県・佐賀県・長崎県の蔵が対象)では、2002年から2017年にかけて金賞を延べ10点受賞しています。吟醸酒の部は2002年、2003年秋、2009年、2012年、純米酒の部は2010年、2011年、2015年の「特別純米 宮の松」、2016年の「純米七割磨き」で、2017年は吟醸酒の部の「純米大吟醸」と純米酒の部の「特別純米酒」の2点でした。優等賞は、2003年春の吟醸酒の部、2006年と2008年の純米酒の部、2007年の吟醸酒の部の4回です。
2014年には純米酒の部の最高位である大賞に選ばれました。再開後の2022年は、吟醸酒の部で「純米大吟醸」が大賞、純米酒の部で「特別純米酒」が金賞となり、2025年には燗酒として出品した「純米酒 七割磨き」が純米酒の部で金賞を受賞しています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限ると、平成16酒造年度、平成23酒造年度、令和5酒造年度の3回入賞しています。いずれも商標は「宮の松」で、令和5酒造年度は再開後の蔵としての入賞です。全国酒類コンクールでは、蔵の発表によると、2012年秋から2017年秋にかけて第一位を延べ10点、第二位を2点受けています。上位の賞では、2016年春に「純米大吟醸」が第一位特賞、2017年春に「純米大吟醸」が第一位最高賞、「大吟醸」が第一位特別賞、2017年秋に「七割磨き純米」が第一位特賞でした。
2022年の全米日本酒歓評会では、「純米大吟醸」が大吟醸A部門(精米歩合40%以下)で銀賞、「特別純米酒」と「純米酒 七割磨き」が純米部門で金賞を受賞しました。
酒造りの特徴
蔵の西には長崎県との境をなす国見連山が連なり、東には黒髪山系がそびえる、典型的な盆地です。日中の寒暖差が大きいため、この地では実の締まった酒米が収穫されます。北には有田焼の積み出しで栄えた伊万里湾が開けており、冬の酒造りの時期にはシベリアからの寒風が吹き溜まって、よく冷え込みます。
黒髪山系には名水百選などに選ばれた「竜門峡」があり、岩間から湧き出る水は大変柔らかく、口に含むとほのかに甘味があります。柔らかい水で仕込むと発酵は穏やかに進み、蔵の酒を味わった人からは「やさしい味だね」とよく言われます。
2021年の時点で杜氏を務めていたのは井上満さんで、宮の松には約20年向き合っていました。佐賀県肥前町(現在の唐津市)の農家に生まれ、蔵人を束ねる肥前杜氏に憧れて、中学卒業後に町外の酒蔵で働き始めた人です。30歳のときには、浦霞の醸造元である宮城の佐浦で酒造りを手伝い、その後は宮城、兵庫、静岡、広島、福岡の酒蔵で杜氏を務めました。42歳で佐賀に戻り、鹿島市の馬場酒造場で10年間「能古見」を手掛けています。蔵の紹介では、この間に全国新酒鑑評会で金賞を受賞したとされています。
県内外13の酒蔵を渡り歩き、「能古見」「松浦一」「万里長」といった佐賀を代表する酒を手掛けてきました。洗米の水温や浸漬時間はその年の酒米の具合に応じて見極め、麹やもろみづくりの要になる温度管理を丁寧に行っていました。目指していたのは、香りが良く、膨らみがあり、舌に残らないのにたなびくような余韻を残す酒です。
再開後の酒のうち、2023年の春に蔵出しされた新酒を見ると、特別純米酒の火入れは福岡県産山田錦100%・精米歩合60%・アルコール度数16度、純米吟醸の無濾過生原酒は佐賀県産山田錦100%・精米歩合50%、純米大吟醸は佐賀県産山田錦100%・精米歩合30%でした。純米吟醸の無濾過生原酒は久しぶりの復帰で、派手な吟醸香はなく、瓜系の程よい甘さと切れのよい酸、苦みがあります。同じ春には、精米歩合40%の山田錦古酒で仕込んだ貴醸酒「WALTZ」のおりがらみ生酒も500mlで出ています。
「純米酒 七割磨き」は、佐賀県産さがびよりの味をしっかり表現した旨口の純米酒です。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
宮の松
蔵の製造銘柄はこの「宮の松」です。ラインナップには、純米大吟醸、特別純米酒、純米吟醸の雄町火入れ、さがびよりの味を表現した旨口の純米酒七割磨きなどがあります。純米大吟醸は福岡国税局の吟醸酒の部で2017年に金賞、2022年に大賞、特別純米酒は純米酒の部で2015年・2017年・2022年に金賞、七割磨きは2016年と2025年に金賞を受けています。名水に育まれた、やさしい味わいが持ち味です。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 蔵で購入できます。営業時間は9時から17時で、定休日は土日祝日、8月のお盆、年末年始です。所在地は佐賀県西松浦郡有田町大木宿乙617です。
- 補足
- 蔵を訪ねる際は、事前に電話(0955-25-8427)で営業日を確かめておくと安心です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 佐賀県西松浦郡有田町大木宿乙617
- 公式サイト
- matsuoshuzo.com
出典
matsuoshuzo.com / arita.jp / sakedata.jp / sakeappraisal.org / saga-s.co.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。