尾澤酒造場
代表銘柄:十九
長野県
NAGANO
1820年創業
江戸文政年間(1820年頃)に創業した、長野県長野市信州新町に蔵を構える酒蔵です。年間生産量が約60石という全国でも極めて小規模な蔵で、蔵人3名ほどによる丁寧な小規模手造りの酒造りを行っています。
「酒造りは米作りから」という考えのもと、地元・信州新町で酒造好適米「美山錦」などの契約栽培に取り組んでいます。仕込みは200〜600kgほどの小さな単位で行い、精密な温度管理のもと低温でじっくりと醸すことで、旨味とキレを兼ね備えた食中酒を目指しています。
代表銘柄の「十九」は、人間でいえば一人前とされる「二十歳」の一歩手前を意味し、酒造りにおいて常に一人前を目指し探求し続けるという謙虚で真摯な姿勢から名付けられました。また、地元向けの主要銘柄「美寿々錦」は過去に全国新酒鑑評会で金賞を受賞した実績があります。
尾澤酒造場の歩み
尾澤酒造場は、長野県長野市信州新町の新町にある酒蔵です。創業は江戸の文政年間、1820年ごろとされます。現在の信州新町にあたる地で酒造りが始まり、創業以来、ほぼすべての酒を地元向けに醸してきました。地元向けの昔からの銘柄が「美寿々錦」で、酒名は「信濃」の枕詞「みすずかる」に由来します。銘柄事典には、平成3年度の全国新酒鑑評会で金賞を受けた銘柄として載っています。蔵は国道19号を長野市から松本市へ向かうちょうど中間に位置し、町の中央を犀川が流れ、まわりを山々に囲まれています。
標高が400メートルを超えるため、北信地方と同じく冬の寒さが厳しい土地です。代表取締役の尾澤俊昭さんが八代目の蔵元を務めています。
かつては長野県内の大手の蔵に酒を納めており、一時は800石ほどを生産していましたが、納入先からの買い入れが減って生産が急に落ち込んだとのことです。先代は平成4年に四季醸造もできる最新設備の蔵を建てて立て直しを図りましたが、その設備投資の借入も重なりました。日本酒の需要が低迷する中で、平成10年に蔵は酒造りを休むことになりました。
蔵を再開させたのは、平成4年にこの家へ嫁いだ尾澤美由紀さんです。南部杜氏のもとで手伝いながら酒造りを学んでいた美由紀さんは、長野県醸造研究所の馬場所長の指導を受けて醸造を学び、平成13酒造年度から自ら杜氏として酒を仕込み始めました。仕込みを教わったのは1回の造りの期間だけで、その後は1人で試験醸造を重ね、不安なときだけ指導を仰ぎました。再開の年に新しく世に出したのが「十九」です。
人間は20歳で一人前といいますが、酒造りで一人前になるにはまだ遠く、飲む人の声を聞いて、いつか20才の酒になりたい、という思いが名前に込められています。現在、美由紀さんは専務取締役と杜氏を兼ねています。
平成20年には、明治29年に建てられた酒蔵の一部を改修し、多目的空間・貸しギャラリーとして開放しました。明治時代の滑車「阿弥陀車」や、ちょうなで仕上げた大きな梁を見上げることができる空間で、地元の作家の陶芸や染織、絵画などの展示に使われています。事業は清酒のほか、清涼飲料水の甘酒と漬け物の製造販売にも広がっています。2026年9月時点では、蔵の売店で販売している酒は「十九」の4種類のみで、そのほかの商品は取扱酒販店で購入するよう案内されています。
酒造りの特徴
蔵は生産石数が約60石と、全国の酒蔵の中でも指折りの小規模経営です。蔵人は社長を含めて3人ほどで、仕込みを続けながら、瓶洗い、瓶詰め、ラベル貼り、出荷準備、配達、営業、さらには蔵の補修まで、あらゆる仕事をこなしています。仕込みの単位は200〜600キロの小さな量で、2011年には600キロ仕込みを基本としていました。小さな単位だからこそ精密な温度管理ができ、できるだけ低温で米をじっくりゆっくり溶かしていきます。そのため、全部の米をタンクに仕込んでから搾るまでのもろみの日数は35日ほどになります。
濃い味の料理に合わせても負けない、味があってキレのある食中酒を目指しています。
「酒造りは米作りから」という考えのもと、平成13年度から信州新町で酒造好適米「美山錦」の契約栽培を始めました。2011年には、美山錦のほか山田錦、ひとごこち、しらかば錦の4種類の酒米を使っていました。美山錦は、粒が小さくなりがちな現在の多収穫の系統ではなく、近くの苗の生産者に昔ながらの良質な系統を特別に育ててもらったものを使っていました。原料米はすべて国産で、2011年には「純米大吟醸酒 十九 山田錦100%使用」が兵庫県産の山田錦で、それ以外はすべて長野県産米を使っていました。
米は手洗いして浸漬し、麹ともろみに朝から夜中まで向き合う手造りを大切にしています。
酵母の使い分けも特徴です。2011年には、長野県が開発した長野C型、D型などの酵母に加え、協会のK-7系、K-9系、K-14系、K-1501系といった約9種類を使ってきました。2011年当時は約70石の蔵でありながら、「十九」は15種類ほどの酒を醸し分けていました。2012年の商品一覧には、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米、純米酒のほか、金紋錦を使った純米吟醸や、リンゴ酸高生産性酵母を使った純米酒、大吟醸粕や板粕などの酒粕も並んでいました。
2016年の訪問時には、仕込み水に蔵から車で1時間ほどの距離にある湧き水を運んで使い、洗浄水には市水を精密ろ過と活性炭ろ過で整えて使っていました。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
十九
人間なら二十歳で一人前、そこにまだ届かない十九歳という意味で名付けられた銘柄です。平成13酒造年度の酒造り再開とともに生まれ、杜氏の尾澤美由紀さんが飲み手の声を聞きながら二十歳の酒を目指して醸しています。長野県産の美山錦を主軸に、金紋錦なども使います。小仕込みで酵母や酒米を使い分け、純米大吟醸から純米酒まで多彩な酒を揃えています。酸が美しく立つ酒質が持ち味で、季節ごとに意匠を変えるラベルのシリーズもあります。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 蔵の売店では、2026年9月時点で「十九」4種類のみを販売しています。国道19号沿いで駐車場があり、隣接するコンビニの駐車場も利用できます。
- 補足
- 平成20年に改修した旧酒蔵のギャラリーは、音楽の小さな催しや展示に貸し出されています。利用料は無料で、電気代として使用量に応じて1日500円からを負担します。公共交通では、長野駅前から川中島バスの新町大原行きで約45分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長野県長野市信州新町新町168-1
- 創業
- 1820年
出典
japansake.or.jp / misuzunishiki.co.jp / sakedata.jp / tanoshiiosake.jp / wikipedia.org / misuzunishiki.jugem.jp / saketime.jp / sanwasake.jp / ameblo.jp / syukoukai.cocolog-nifty.com / sakenomy.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。