本文へ移動

喜久水酒造

代表銘柄:聖岳・猿庫の泉・ひのくち

長野県

NAGANO

1944年創業

喜久水酒造の本社
喜久水酒造の本社(2022年撮影)「Kikusui Shuzo, Iida.jpg」 — 写真:運動会プロテインパワー / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

喜久水酒造株式会社は、長野県飯田市に本社を置く南信州地域唯一の酒蔵です。1944(昭和19)年7月に飯田・下伊那地域の37軒の酒造業者が企業合同して「下伊那酒造株式会社」として設立され、1951年に「喜久水酒造株式会社」へ改称しました。太平洋戦争下の企業合同の形態を維持したまま存続している全国的にも稀な酒蔵です。

酒造りには中央アルプス山系の伏流水を用い、契約栽培により復活させた「たかね錦」や「美山錦」など長野県産の酒造好適米にこだわっています。環境省の全国名水百選に選ばれた湧水を仕込み水に使用した純米吟醸「猿庫の泉」や、大吟醸「聖岳」、「ひのくち」などの清酒を製造しています。清酒以外にも信州産の素材を活かした焼酎やシードル、リキュールなど多彩な酒類を展開しており、全国新酒鑑評会では通算17回の金賞受賞歴があります。

喜久水酒造の歩み

喜久水酒造株式会社は、長野県飯田市に本社を置く、南信州・下伊那地域で唯一の酒蔵です。中央アルプスと南アルプスに挟まれ天竜川を望む城下町に蔵を構え、清酒に加えて焼酎やシードル、リキュールなど多彩な酒類を手がけています。

1943年(昭和18年)10月、戦時下の企業整備令により、飯田・下伊那地域にあった多くの酒造家は半数近くが廃業を余儀なくされました。これを受けて地域の酒造家37軒が全員でいったん廃業したうえで一つの会社にまとまり、1944年(昭和19年)7月26日、資本金120万円の下伊那酒造株式会社として新たに設立されました。初代社長には宮島唯七、副社長には田口政治郎が就き、市内愛宕町の加藤酒造店などが中心となって醸造を担いました。

設立からまもない1947年(昭和22年)4月には、飯田市を襲った大火により中央蔵・新町蔵・通り町の予備蔵が全焼する被害を受けています。

銘柄「喜久水」は、本社・壜詰工場の建物を提供した村田屋酒造店が明治期から使っていた由緒ある名で、企業合同にあたり組合員の投票により全社共通の銘柄として引き継がれました。名の由来は、慶応元年(1865年)に飯田藩士が楠木正成を祀る湊川神社から分霊を受けて祀った地にちなむとされ、正成の家紋である菊水から「多くの人に長く久しく喜びを」との願いが込められたと伝わります。1951年(昭和26年)7月には社名を喜久水酒造株式会社に改め、資本金を1,000万円に増資し、加藤義雄が新たに社長に就任しました。

1952年(昭和27年)10月には本社に壜詰工場を新設するとともに、酒類業への功績により関東信越国税局長表彰状を受け、1959年(昭和34年)10月には食品衛生優良施設として厚生大臣賞を受賞しました。戦時下の企業合同という成り立ちをそのまま維持して存続している酒蔵は全国的にも珍しく、2002年(平成14年)9月には本社を飯田市鼎に移転し、現在の所在地となりました。現在の代表取締役社長は後藤髙一が務めています。

全国新酒鑑評会では昭和52年5月と昭和57年4月に金賞を受賞し、平成2年5月から平成5年5月にかけては4年連続で金賞を受賞しました。この間の平成5年5月には代表銘柄となる純米吟醸「猿庫の泉」を、平成11年4月には特別本醸造「たかね錦」を新たに発売しています。

酒造りの特徴

仕込み水には中央アルプスの伏流水を用いています。なかでも環境省の全国名水百選に選ばれた名水「猿庫の泉」と同じ水系の水を使用しており、この泉は江戸時代に茶に適した水を求めて諸国を巡った不蔵庵竜渓宗匠が探し当てたと伝わる名水で、すっきりとした中にほのかな甘みを感じる味わいが特徴です。

酒米は長野県を代表する酒造好適米「美山錦」を中心に用いるとともに、いったん姿を消した幻の酒米「たかね錦」を契約栽培農家とともに復活させ、日本酒造りに取り入れています。原材料をできる限り地元産でまかない、地域とともに歩む「地酒」であり続けることを大切にしています。

清酒に加えて、連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎、南信州産の果実を使ったリキュール、シードルなど、多彩な酒類製造免許を活かした商品づくりを行っています。地元産の梅やかりん、桃、柚子などを使ったリキュール類や、信州産そばを使ったそば焼酎など、地域の素材を生かした商品展開が特徴です。

シードルは国内外のコンクールでも評価されており、Fuji Cider Challenge 2021ではトラディショナル方式のシードルとして最高賞のトロフィーを「CIDRE N35 Terroir Brut Nature」が受賞したほか、第20回フェミナリーズ世界ワインコンクール2026では日本産シードル部門のTOP OF THE BESTを「CIDRE N35 Terroir Rosé」が受賞しています。

全国新酒鑑評会では、金賞を通算17回受賞しています。平成15年・16年、平成20年、平成22年、平成27年から29年の3年連続、令和元年にも金賞を受賞したほか、令和七年酒造年度の長野県清酒鑑評会でも金賞を受賞しています。長野県清酒品評会では知事賞を受賞し、関信越国税局酒類鑑評会では平成25年度から令和元年度にかけて6回優秀賞を受賞したうえ、令和2年度には純米吟醸酒の部でこれより上位の特別賞を受賞しました。

I.W.C.(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では令和3年(2021年)と令和6年(2024年)に本醸造にごり酒「白貴天龍」がゴールドメダルを受賞し、全国燗酒コンテストでは令和2年(2020年)に同商品が特殊燗酒部門で最高金賞を、令和3年(2021年)には純米生酛原酒「風越」がプレミアム燗酒部門で最高金賞を受賞しています。

KURA MASTERでは平成29年に純米吟醸「猿庫の泉」、平成30年に本醸造にごり酒「天龍」、令和元年に純米大吟醸「桒-SOU-」が金賞を受賞し、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは大吟醸「聖岳」が平成25年と令和元年に最高金賞を受賞したほか、令和8年(2026年)には吟醸「㐂久水」が金賞を受賞しています。

代表銘柄

聖岳

大吟醸「聖岳」は、酒米の王様とされる兵庫県産の山田錦を100%使用し、精米歩合35%まで磨き上げて醸した一本です。アルコール度数17%、日本酒度は+4.5とやや辛口で、華やかで上品な吟醸香となめらかで繊細な味わいが特徴です。山田錦ならではの奥深い旨みとすっきりとした後味が楽しめ、冷やしても常温でもおいしく味わえます。お祝いごとや贈り物にもおすすめの一本です。

猿庫の泉

純米吟醸「猿庫の泉」は、環境省の全国名水百選に選ばれた名水「猿庫の泉」を仕込水に使用し、信州産の酒米「美山錦」を精米歩合55%まで磨き上げて長期低温発酵で醸した一本です。アルコール度数15%、日本酒度は+5.0で、上品な吟醸香となめらかな口当たり、米の旨みと繊細な香りが調和した奥深い味わいが特徴です。名水が育んだ澄んだ味わいで、常温からぬる燗まで幅広く楽しめます。

ひのくち

本醸造「ひのくち」の生貯蔵酒は、一般米とたかね錦を原料に精米歩合65%まで磨いて醸した一本です。アルコール度数17%、日本酒度は+3.5で、生貯蔵酒らしいフレッシュな味わいが持ち味です。よく冷やして飲むのに適しており、常温でも楽しめます。300ml瓶で気軽に楽しめる商品として展開されています。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵元直営店「翠嶂館」
補足
直営店の翠嶂館では、昔の酒造りで使われていた道具の展示や酒造りの工程を紹介する映像を見ることができ、日本酒をはじめとする自社商品の試飲・販売も行っています。実際の酒蔵内の見学はできません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
長野県飯田市鼎切石4293番地
創業
1944年
公式サイト
kikusuisake.co.jp

出典

japansake.or.jp / kikusuisake.co.jp / wikipedia.org / sakenomy.jp / naganosake.jp / sena-vision.jp / rakuten.co.jp / ja.wikipedia.org / nrib.go.jp / msnav.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。