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春日酒造

代表銘柄:井乃頭

長野県

NAGANO

1915年創業

長野県伊那市に拠点を置く春日酒造は、大正4年(1915年)に「漆戸酒造店(後の漆戸醸造)」として創業し、2020年に現在の社名へ改称した蔵元です。代表銘柄「井乃頭」の名称は、「よい水の湧くところ」を意味する言葉に由来しています。

中央アルプスと南アルプスに囲まれた伊那谷の自然環境のもと、中央アルプス水系の伏流水を仕込み水に使用し、長野県産の「美山錦」や「ひとごこち」などの酒米を中心に地酒を仕込んでいます。東京農業大学醸造学科を卒業した兄弟ふたりのみが造り手となり、すべての酒を丁寧に醸しているのが大きな特徴です。醸し出される酒は、軟水ならではの柔らかな口当たりと濃醇な旨味が引き立つ味わいに仕上げられています。

過去には全国新酒鑑評会での金賞受賞や、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)での金賞受賞など、国内外のコンテストで評価を受けています。

春日酒造の歩み

春日酒造は、大正4年(1915年)10月に漆戸周平が「漆戸酒造店」として開業した蔵です。周平はそれまで箕輪町の造り酒屋で番頭を務めていました。独立にあたっては、現在の伊那市伊那部宿にあった休業中の酒屋「いさわ」の店舗を借り受けました。契約期間は10年、生産量は百石からの出発でした。当時は米の仕入れから販売までを自前で賄い、味噌や醤油も造って売っていました。のちに社名へ「醸造」の字が付いたのは、このためです。

開業当初の酒銘は、貸し主の「いさわ」で売られていた酒の名をそのまま受け継いだ「花の友」でした。ところが大正10年(1921年)、別の酒造会社が同じ名を使っていると分かり、周平は改名を決めます。酒には上質の米と汚れのない水が欠かせないと考え、そのどちらかにちなんだ名をつけようと決め、徳川将軍家の茶の湯にも使われた東京・井の頭公園の名水にちなんで「井乃頭」と名付けました。「最上の水」「よい水の湧くところ」を意味する「井戸の頭」の意も込められています。

1921年5月27日に商標登録され、現在まで続く銘柄の歴史が始まりました。

昭和元年(1926年)には現在のJR伊那市駅の隣へ移転し、昭和25年(1950年)に漆戸醸造株式会社となりました。平成7年(1995年)、兄の漆戸正彦が新潟の八海醸造から帰郷し、漆戸醸造で酒造りを始めます。平成13年(2001年)に先代社長が急逝すると、正彦が代表取締役に就任し、弟の貴彦が帰郷して兄弟ふたりでの酒造りが始まりました。いずれも東京農業大学醸造学科の卒業生です。

令和2年(2020年)4月1日、社名を春日酒造株式会社に改称しました。同じ会社のまま社名を改めたもので、蔵の所在地や代表銘柄「井乃頭」、造り手の兄弟の体制は引き継がれ、代表取締役社長には馬場博一、代表取締役会長には春日靖史が就いています。社名変更から間もない令和3酒造年度には、新ブランド「龍游」の大吟醸が全国新酒鑑評会で金賞に選ばれました。

受賞の実績も豊富です。全国新酒鑑評会では、蔵は平成8酒造年度と平成13酒造年度にも金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降に限っても、平成18酒造年度と平成29酒造年度の「井乃頭」、令和3酒造年度の「龍游」で金賞を受賞しました。入賞は平成19・21・22・23・27・28酒造年度と令和元・2・4酒造年度で、令和元酒造年度は金賞が選定されなかった年のため、入賞が最高の成績でした。

関東信越国税局酒類鑑評会では優秀賞を、平成9年(第64回・第65回)、平成11年(第68回)、平成13年(第72回)、平成21年(第80回)、平成24年(第83回)、平成25年(第84回)、平成29年(第88回)、平成30年(第89回)、令和4年(第93回)、令和7年(第96回)に受けています。長野県清酒品評会では、平成22年(第57回)に「井乃頭 大吟醸」が県知事賞(優等賞)を、平成27年・28年・30年(第62・63・65回)に「井乃頭 純米大吟醸」が長野県知事賞を受賞しました。

平成24年公開の映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」には、井乃頭のラベルが登場しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、中央アルプス水系の湧出する伏流水を自然のまま使います。軟水ならではのやわらかさがよく表れた、濃醇な旨口の酒に仕上がるのが特徴です。蔵は中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷にあり、天竜川が流れる、酒造りに適した土地です。

原料米は信州生まれの「美山錦」と「ひとごこち」が中心で、一部の商品を除いて長野県産米を使います。純米大吟醸には長野県産の金紋錦や美山錦のほか、兵庫県産の山田錦、岡山県産の雄町も用いています。地元の米を丁寧に磨き、米の旨味と香りを楽しんでもらうことを目指しています。造りは昔ながらの伝統的な手法で、大吟醸や限定酒では道具や独特な手法も使います。全商品を、東京農業大学醸造学科を卒業した兄弟ふたりで醸しています。

蔵では近年、新しい取り組みも進めています。寒造りだけだった酒造りに、新鮮な酒を届けるための四季仕込みを加え、設備も整えました。令和4年(2022年)からは農薬を使わない自社栽培米にも挑戦し、美山錦を100%使った生酒のほか、山恵錦とひとごこちも育てています。「龍游」の純米と季節限定の生酒には、この農薬不使用の自社栽培米を使っています。

伊那市の蔵のお酒を缶に詰め、アートなラベルを付けて若い人にも手に取りやすくする「日本酒缶」のプロジェクトにも参加しています。地元の信州で試飲会にも出店し、飲み手との距離が近い蔵です。

代表銘柄

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井乃頭

井乃頭は、大正10年(1921年)に商標登録された、蔵の看板となる銘柄です。「よい水の湧くところ」を意味し、中央アルプス水系の伏流水と、長野県産の美山錦やひとごこちで醸します。純米酒、純米吟醸、本醸造のほか、純米大吟醸は金紋錦、山田錦、雄町、美山錦と米違いで揃います。IWC2023では純米が金賞、同年の香港のワインとスピリッツのコンペティションでは純米が最高賞のトロフィー賞、Kura Masterでは2022年に純米大吟醸 山田錦39がプラチナ賞、2023年と2026年に純米吟醸が金賞でした。

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見学・購入

直売所
蔵の売店があります。営業は月曜から金曜の9時から17時30分までで、土日祝日は定休です。蔵元のオンラインショップもあります。
補足
JR飯田線の伊那市駅から徒歩約1分、中央高速の伊那ICから車で約10分の場所にあります。伊那市内には蔵の酒を飲める飲食店も複数あります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
長野県伊那市西町4875-1
創業
1915年
公式サイト
kasuga-shuzo.co.jp

出典

japansake.or.jp / iinachancard.com / naganosake.jp / base.shop / wikipedia.org / sakenomy.jp / kasuga-shuzo.co.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / thekura.jp / mssakaya.com / urushido.co.jp

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