SAKE BREWERY — NAGANO

市野屋

長野県大町市大町2527番地イ号 1865年創業

紹介

慶応元年(1865年)創業、長野県大町市に所在する老舗酒蔵です。かつて「富久蘭」と呼ばれた銘柄は黒部ダム建設を機に代表銘柄「金蘭黒部」へと改称された歴史を持ちます。2022年に経営体制を一新して以降は、複数杜氏制の採用や温湿度管理システムの導入により四季醸造が可能な体制を構築しました。北アルプスの豊富な伏流水や地元産の酒米を使用し、伝統的な生酛・山廃造りの技術を取り入れつつ、多様な食に寄り添う緻密な酒造りを行っています。2023年には「食す快楽を最大化するSAKE」をコンセプトに、新フラッグシップブランド「龍水泉」を始動しました。受賞歴としては、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023」での金賞受賞や、「ミラノ酒チャレンジ2023」におけるダブル金賞、「2023年度全米日本酒歓評会」での金賞などがあり、国内外のコンテストで高い評価を受けています。

歴史

市野屋は慶応元年(1865年)に創業した酒蔵です。北アルプスの麓、現在の長野県大町市大町に蔵を構え、通りに面した「なまこ壁」や隣家との境に立つ「うだつ」など、明治期の町家や土蔵群の姿を今に伝える建物で酒を造り続けています。

創業当時の銘柄は「福正宗」といい、昭和6年(1931年)に株式会社への組織変更を行った際に「富久蘭」と改称しました。そして昭和44年(1969年)、黒部ダムの完成を記念して「金蘭黒部」を発売し、以後この銘柄が市野屋の代表銘柄となりました。金蘭黒部は平成3・4年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど高い評価を受け、その後も出品を重ねて、平成17酒造年度、平成19酒造年度、令和3酒造年度の全国新酒鑑評会にそれぞれ入賞しています。

2022年1月には経営体制を一新し、それまでの一人の杜氏がすべてを担う体制から、複数の杜氏が力を合わせて酒を醸す体制へと切り替えました。その後、女性杜氏の大塚真帆さんが酒造りのすべてを統括する体制となり、2024年には長野県内で8軒目の女性杜氏蔵となりました。明治から続く蔵の構造を生かしながら、四季を通じた醸造を可能にする温湿度管理システムも導入しています。

こうした体制の刷新を経て、2023年1月には新たなフラッグシップブランド「龍水泉」を立ち上げました。発売から間もなく、2023年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」ではプレミアム純米部門で金賞を、イタリア・ミラノで開かれる「ミラノ酒チャレンジ2023」では純米大吟醸・大吟醸部門でダブル金賞を受賞するなど、国内外のコンテストで評価を得るようになりました。

酒造り

仕込み水には、蔵の周辺に点在する居谷里や矢沢、上白沢などの水源に加え、黒部の氷筍水や高瀬川の伏流水も使い分けています。同じ北アルプスの山々に発する水であっても、水源によって軟らかさや硬さ、味わいの表情は異なり、その個性を生かしながら酒質を設計しています。使用する酒米も山田錦やひとごこち、美山錦など複数の品種の中から、その年の出来を確かめながら選ぶ方針をとっています。

酒母づくりでは、蒸米・麹・水から生まれる乳酸菌を生かして酵母を育てる生酛造りと、山廃酛による酒母づくりを使い分けています。速醸酛が主流となった現代にあって、龍水泉の基調となるラインには山廃酛を、季節限定のラインには生酛を用いるなど、伝統的な製法を土台に据えています。先人たちの知恵への敬意と、いまを生きる杜氏・蔵人の感性への信頼を酒づくりの軸とし、大塚杜氏を中心とした蔵人たちが、四季を通じた醸造にも取り組んでいます。

蔵データ

所在地

長野県大町市大町2527番地イ号

創業

1865年(長野県)

公式サイト

ichinoya.com

代表銘柄

金蘭:「金蘭」は、市野屋の代表銘柄「金蘭黒部」の前身にあたる系譜の銘柄です。創業当時の銘柄「福正宗」は、昭和6年の株式会社化に際して「富久蘭」と改称され、昭和44年に黒部ダムの完成を記念して「金蘭黒部」を発売してからは、この名で受け継がれています。現在は単独の「金蘭」ではなく、「金蘭黒部」としてラインナップが続いています。

不滅の巨人:「不滅の巨人」は、クラシック音楽を聞かせながら醸したという市野屋の銘柄です。清酒「不滅の巨人」は東京読売巨人軍の登録商標で、卸元の長野県酒類販売による蔵紹介文でも、市野屋が手がける銘柄のひとつとして紹介されていました。公式オンラインストアの取扱いラインには含まれていません。

金蘭黒部:黒部ダムの完成を記念して名づけられた「金蘭黒部」は、地元でも古くから親しまれてきた市野屋の定番銘柄です。中心となる「金蘭黒部 超辛口」は、長野県オリジナル米「風さやか」を精米歩合70%まで磨き、大町の「女清水」で仕込んだ普通酒で、平成3・4年度の全国新酒鑑評会での金賞受賞など高い評価を受けてきました。現在も市野屋を代表する銘柄のひとつです。

龍水泉:2023年1月の経営体制刷新を経て立ち上げられた、市野屋の新しいフラッグシップブランドです。「食す快楽を最大化するSAKE」を掲げ、香味の異なる複数のシリーズとグレードをそろえることで、単一ブランドのラインアップだけでコース料理全体に寄り添えることを目指して設計されています。ミラノ酒チャレンジ2023での純米大吟醸・大吟醸部門ダブル金賞をはじめ、国内外のコンテストで高く評価されています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

蔵の売店(平日9:00〜16:00、土・日曜、祝日休み)で商品を購入できるほか、公式のオンラインストアでも龍水泉シリーズなどを取り扱っています。

補足

蔵見学は季節を問わず通年で受け付けており、事前にメールか電話での問い合わせが必要です。造りの工程や来客の状況によっては対応が難しい場合もあります。地元の食事処と提携し、蔵見学から試飲、ペアリングランチまでを一続きのツアーとして用意しています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

kanko-omachi.gr.jp / sakekasu-kobokudo.jp / sakuraweb.com / hakobune-ceory.com / kotobank.jp / prtimes.jp / naganosake.jp / nal-tour.jp / the-selection.jp / sakeappraisal.org / nagano-sake.or.jp / ichinoya.com / sakagura-press.com / mgpress.jp / finesakeawards.jp / nrib.go.jp / nagano-sake.com

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