鳴滝酒造
代表銘柄:大唐津
佐賀県
SAGA
1974年創業
鳴滝酒造は、宝永2年(1705年)から酒造りを営んできた「太閤酒造」を中心に、計3社の企業合同によって1974年(昭和49年)に設立された佐賀県唐津市の酒蔵です。
仕込み水には、かつて豊臣秀吉が茶会で用いたと伝えられる伝説の湧水を使用しています。酒造りでは佐賀県産の良質な米にこだわり、唐津市肥前町で育まれた「肥前杜氏」の技術と精神を引き継ぎながら、現在は若手を中心とした社員醸造を行っています。手掛ける酒はほのかな甘みと豊かな香り、柔らかな口当たりと透明感、滑らかな喉越しが特徴です。
受賞歴としては、全国新酒鑑評会にて蔵の発表では九州の酒蔵として初となる6年連続を含め通算14回の金賞を受賞しているほか、福岡国税局管内の酒類鑑評会でも受賞を重ねています。清酒「聚楽太閤」やブランド「瀧」をはじめ、本格焼酎「大唐津」や「日本酒仕立の梅酒」など幅広く展開しています。
鳴滝酒造の歩み
鳴滝酒造は、佐賀県唐津市神田にある酒蔵です。唐津は城下町の面影を残す、玄界灘の海の幸に恵まれたまちです。前身をたどると、宝永2年(1705年)から酒造りを営んできた太閤酒造にさかのぼり、三世紀を超える年月を唐津の地酒蔵として歩んできました。昭和49年(1974年)、この太閤酒造を中心とする酒造3社の企業合同によって、現在の鳴滝酒造株式会社が設立されました。新しい蔵を建てるにあたって徹底的にこだわったのが、水でした。十数か所に及ぶ試掘を行い、得られた水を分析したうえで選ばれたのが、現在の蔵の敷地です。
ここは、かつて太閤秀吉が杉の根元から湧き出る水で千利休に茶を点てさせたという伝説が残り、唐津の歴代藩主も茶会の水として湧き水を用いた土地で、昔から俗称「お茶の水」と呼ばれてきた名水の地です。最高の仕込水を求めて酒蔵を全面移転するという、きわめて珍しい決断が、この蔵の出発点になりました。
社名は、設立の際に近隣の清流「鳴滝」にちなんで一新されました。水へのこだわりを持ち続けるための命名で、近年立ち上げた新ブランド「瀧」の名にも、最高の仕込水への感謝と、その水で最高の酒を造る決意が込められています。すばらしい水を得て酒質は一気に上がり、代表銘柄の「聚楽太閤」は唐津の地酒として、九州北部を中心に多くの支持を集めてきました。仕込水の水脈は、渇水で地下の流れが変わるなど幾度かの困難に直面しましたが、環境の保全を続け、いまも酒造りに十分な水量を確保しています。
平成に入ってからは吟醸酒造りにも力を注いできました。全国新酒鑑評会には平成2年(1990年)に「聚楽太閤 大吟醸」を初めて出品し、蔵の発表では、以来、九州の蔵として初めての6年連続を含む通算14回の金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降に限ると入賞は10回で、すべて聚楽太閤での入賞です。そのうち金賞は平成14・15・20・25酒造年度と令和5・6酒造年度の6回、平成17・18・26・29酒造年度は入賞でした。
福岡国税局が福岡・佐賀・長崎の3県を対象に開く酒類鑑評会では、吟醸酒の部の最高賞である大賞(かつての局長杯)を、蔵の発表では5回獲得しています。平成6年の局長杯のほか、平成14年、平成15年秋、平成21年の鑑評会でも大賞を受けました。吟醸酒の部の金賞は平成20年から令和7年までの鑑評会で9回を数え、いずれも聚楽太閤 大吟醸です。純米酒の部では聚楽太閤 純米酒が平成25年、26年、28年、令和6年に金賞を受け、本格焼酎の部では平成21年に米焼酎の大唐津が、平成23年に麦焼酎の一望千里が金賞を受賞しました。
海外や全国規模のコンクールでも評価を得ています。蔵の発表では、インターナショナル・ワイン・チャレンジで2012年に聚楽太閤 本醸造がブロンズ、2013年・2019年・2022年に聚楽太閤の大吟醸または純米大吟醸がシルバーを受賞しました。クラ・マスターでは、2017年に聚楽太閤 純米酒、2020年に聚楽太閤 純米吟醸(山田錦部門)、2025年に日本酒仕立乃梅酒 太閤梅(梅酒部門)がゴールドです。
全国酒類コンクールでは、太閤梅がリキュール部門で2015年・2016年に第一位、2018年に第一位特賞となり、聚楽太閤 辛口も2017年に普通酒部門で第一位でした。2016年には聚楽太閤 上撰が全国燗酒コンテストのぬる燗部門で金賞を受けています。
酒造りの特徴
酒造りの理念は「一に米、二に水、そして技」です。佐賀県産の高品質な米と、極めてなめらかな仕込水の特性を活かし、丁寧な発酵管理を行うことで、口当たり柔らかくのど越しなめらか、ふっくらとした味わいの、優しさが感じられる酒を理想としています。米は、ずっと変わらず佐賀県産の優良な米を使うことが根幹の方針です。仕込水と同じ水系の水で育てた米で酒を造りたいという思いから、2005年に地元の農家と協力して蔵の近隣で山田錦の栽培を始め、唐津産の山田錦を純米吟醸酒や特別純米酒などの醸造に用いています。
精米も、主に特定名称酒に使う高精白の米を中心に、いまも自家精米で行っています。
工程では、昔から言い伝えられてきた「一麹・二酛・三造り」の教えを大切にしています。設立当時から手を掛けた麹造りを酒造りの根底に置き、酒母と醪では、きめ細やかな発酵温度の管理をめざして、早い段階から大規模な温度管理システムを導入してきました。造り手の面では、唐津市肥前町で育まれ伝承されてきた「肥前杜氏」の技によって歴史を重ねてきましたが、現在は社員醸造に完全移行しています。若手を中心とする社員が肥前杜氏の技と志を引き継ぎ、伝統を基盤に革新を盛り込んだ酒造りに取り組んでいます。
清酒のほかに、本格焼酎と梅酒も手がけています。焼酎では、醪に籾殻を混ぜてせいろ式蒸留器で蒸留する北部九州の伝統焼酎「正調粕取焼酎」の製造を続けています。かつては北部九州が一大産地でしたが、手間と時間のかかる蒸留方法と個性の強い香味から、いまでは国内でも数社だけが造る焼酎になりました。商品には正調粕取焼酎の「ヤマフル」があるほか、米焼酎の大唐津と「からつくんち」、麦焼酎の「一望千里」と「太閤乃麦」、芋焼酎の「太閤乃芋」が揃っています。
梅酒は、地元産の完熟梅を使った「日本酒仕立乃梅酒 太閤梅」です。梅の木の下にネットを張り、熟して落ちた梅だけを毎日収穫する完熟梅を使い、特製の清酒をベースにして、優しくなめらかな味わいに仕上げています。原料は清酒、地場産の完熟南高梅、国産のてんさい氷糖のみで、国内のほか、フランスのパリなど海外でも人気を集めています。清酒の銘柄は、唐津の地酒として親しまれてきた聚楽太閤を中心に、君恩・冨久花、限定流通で辛口の瀧があり、聚楽太閤にはスパークリング、ひやおろし、白酒といった季節限定酒もあります。
代表銘柄
大唐津
大唐津は、鳴滝酒造が造る本格米焼酎の銘柄です。黒麹仕込みで微減圧蒸留を行い、唐津の米焼酎の理想を追求した一品で、新鮮な魚介類との相性が抜群です。ロックやそのまま、お湯割りで味わえ、アルコール分は25度、容量は1.8リットルと720ミリリットルがあります。平成21年の福岡国税局主催酒類鑑評会では、本格焼酎の部で金賞を受賞しました。
見学・購入
- 直売所
- 蔵の公式オンラインストア(Yahoo!ショッピング)で購入できるほか、唐津市と玄海町の多くの酒店で取り扱いがあります。福岡県や佐賀県をはじめ、東京都・神奈川県・兵庫県・長崎県・熊本県にも取扱店があります。在庫や取扱商品は店舗ごとに異なります。
- 補足
- 毎年春に、少人数でゆっくり酒蔵を体験できる「酒蔵体験!蔵開き(プチ)」を開いています。2026年は第9回として3月20日と21日の2日間・全6回で開かれ、新酒の試飲やお買い物のほか、お酒を飲まない人も楽しめる「利き水チャレンジ」が新設されました。先着順で人数限定の完全予約制で、予約は電話で受け付けていました。JR唐津駅からは送迎バスが出て、この年から往復300円の運行協力費が設けられました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 佐賀県唐津市神田3272-1
- 創業
- 1974年
- 公式サイト
- narutaki.com
出典
sagasake.or.jp / narutaki.com / japansake.or.jp / sakenomy.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。