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木内醸造

代表銘柄:初鶯

長野県

NAGANO

1855年創業

江戸時代の安政2年(1855年)に創業された長野県佐久市の酒蔵です。初代の木内清兵衛が旧大澤村で酒造業を開始しました。「普段飲みの酒こそ高品質であるべき」をモットーに掲げており、代表銘柄「初鶯(はつうぐいす)」の普通酒においても精米歩合65%まで磨き上げ、添加用アルコールを必要最低限に抑えた高品質な酒造りを行っています。

蔵は蓼科山麓の湧き水に恵まれた里にあります。佐久の寒冷な気候を生かし、自然凍結させた蒸し米を用いて酒を醸す「凍米(いてまい)造り」など独自の取り組みでも知られています。また、佐久地域の若手蔵元が集まる共同開発プロジェクト「SAKU13」の参加蔵でもあります。

過去には関東信越国税局酒類鑑評会の第77回・第78回(平成18・19年)の燗審査の部で2年連続の優秀賞を受賞した実績を持つほか、清酒だけでなく本格焼酎「天雪」などの製造も手掛けています。

木内醸造の歩み

木内醸造は、長野県佐久市大沢で安政2年(1855年)に本格的な酒造りを始めた蔵です。初代は木内清兵衛で、先祖は武田信玄にゆかりの深い旧家です。当時は田口藩の藩領だった大澤村の庄屋を代々務めていました。蔵のある大沢は、戦後に佐久市が設立されるまで南佐久郡大澤村と呼ばれていた、山水に恵まれた里です。

二代目の儀三郎には優れた二人の男子がいました。兄の栄司は明治の末に旧臼田町で千曲銀行を創設し、この銀行は後に十九銀行、さらに六十三銀行と合併して八十二銀行となりました。弟の吾市が家業を継いで三代目となり、木内醸造の基盤を築きました。吾市は、現在のJR小海線の前身である佐久鉄道と、長野電鉄屋代線の前身である川東線鉄道の常務取締役も務め、地方の開発に力を注ぎました。

明治39年には資本金4万3千円で木内醸造合名会社を設立し、3千石を製造しました。明治42年には15馬力のボイラーを入れ、原始的な水車から機械化へ切り替えて、米つきから精米、蒸しへと応用しました。機械化で米の精製度が上がり、酒の味も洗練されたため、東京の醸造試験場から講習生が講師に引率されて毎年のように見学に訪れました。正午に鳴るボイラーの汽笛は里の名物で、村人が畑仕事の手を休め、小学校でも昼食の合図にしていました。大正8年には9千石に達し、戦時中は陸軍省御用達となって、菰樽の酒が大量に海を渡りました。

現在JR小海線の中込駅前にある直営の中込支店でも、大正6年から終戦まで酒造りをしていました。平成12年度からは仕込みのすべてを本醸造以上の特定名称酒に切り替え、平成15年には株式会社へ移行しました。「普段飲みの酒こそ高品質であるべき」を指針とし、現在は木内浩太さんが蔵元を務めています。佐久地域の若手蔵元13蔵による共同醸造プロジェクト「SAKU13」にも参加しています。

2018年からのチーム制では南チームとして橘倉酒造、佐久の花酒造、黒澤酒造と組み、2022年発売の「SAKU13 Sparkling Dry」は橘倉酒造が製造しました。

受賞では、全国新酒鑑評会で平成21酒造年度に「初鶯」で金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降では、平成20酒造年度と令和4酒造年度にも入賞しており、入賞は計3回、うち金賞は1回です。関東信越国税局酒類鑑評会では、第74回(平成15年)の吟醸酒の部で優秀賞、第77回(平成18年)と第78回(平成19年)の燗審査の部で2年連続の優秀賞に選ばれました。さらに第84回(平成25年)と第86回(平成27年)の純米酒の部でも、優秀賞に選ばれています。

酒造りの特徴

蓼科山系の深い丘陵を背にした大沢の里は、春から夏にはウグイスが鳴き、湧き水に恵まれた土地です。長野県原産地呼称管理制度の認定酒では、仕込み水の採水地は佐久市とされています。「人との出会いを大切に、自然に対しておごることなく、普段飲みの酒こそ高品質であるべき」をモットーにした酒造りを続けています。

代表銘柄「初鶯」の普通酒は、精米歩合65%の本醸造仕込みです。玄米の外側を35%削り取り、添加するアルコールも必要最低限に抑えています。さらに四段仕込みという一手間を加え、辛口でも甘口でもない旨口の味わいに仕上げています。

冬の佐久の極寒の外気を生かした「凍米(いてまい)造り」も、この蔵の特色です。蒸米を一晩外気にさらして凍結させ、米のタンパク質を変性させることで、アミノ酸の生成を抑え、苦味や雑味の少ないすっきりした味わいに仕上げます。

清酒蔵ならではの本格焼酎「天雪(てんせつ)」も造っています。黄麹と清酒用酵母を使う単式蒸溜焼酎で、減圧蒸留と酒蔵を利用した長期貯蔵によって、飲みやすくフルーティーな香りに仕上げています。このほか、冬季限定でノンアルコールの甘酒を、酒粕は冬の酒造期に板粕、夏には練粕として販売しています。甘酒と酒粕は、いずれも高精白の米を原料にしているのが特色です。

代表銘柄

初鶯

蔵の代表銘柄で、「初鶯」は新しい出会いや門出を意味する言葉です。そうした節目を華やかにする酒を醸したいという願いが込められています。全国新酒鑑評会では平成21酒造年度に金賞を受賞しました。純米酒「初鶯 凍米」は精米歩合55%で、自然凍結させた酒米を掛米の一部に使う凍米造りの酒です。蔵は、この製法を全国でも自社だけが行う独自のものとしています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
直営の木内醸造中込支店は、JR小海線中込駅前にあるアンテナショップです(佐久市中込1-17-12)。酒類の小売販売を行っており、ネットショップでも購入できます。
補足
酒蔵見学は事前に電話またはメールでの相談が必要です。見学は無料で、所要時間は1時間から1時間半ほどです。基本的に試飲は行っておらず、購入はできます。11月から1月は見学できない場合があります。蔵の休日は土曜・日曜・祝日で、営業時間は8時から17時です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
長野県佐久市大沢985
創業
1855年
公式サイト
sites.google.com

出典

japansake.or.jp / saku13.jp / google.com / sakenomy.jp / thebase.in / saketime.jp / rakuten.co.jp / sakucci.or.jp / camp-fire.jp / plaza-saku.com / sites.google.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / jp.sake-times.com / sakukankou.jp / nihonshu-tourism.com / naganosake.jp / ja.wikipedia.org

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