SAKE BREWERY — NAGANO

千曲錦酒造

長野県佐久市長土呂1110 1681年創業

紹介

千曲錦酒造は、1681年(天和元年)に佐久岩村田の地で「吉田屋」として創業した長野県佐久市の酒蔵です。創業家の原家は武田信玄の臣下の系譜と伝えられています。「千曲錦」の銘柄名は、秋の紅葉が千曲川の川面に映える美しい様子に由来します。

酒造りでは、標高約700mの佐久平という寒冷な気候のもと、長野県産の美山錦をはじめとする酒米と、浅間山系の天然伏流水(自社井戸水)を使用しています。

代表銘柄の「千曲錦」のほか、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」にちなむ「藤村のにごり酒」、活性純米生原酒の限定酒「搾ったまんま」、「帰山(きざん)」、「吉田屋治助」などを醸しています。

全国新酒鑑評会での金賞受賞をはじめ、関東信越国税局酒類鑑評会でも多数の金賞・優秀賞を受賞するなど、伝統と確かな技術に裏打ちされた酒造りを行っています。

歴史

千曲錦酒造の創業は江戸時代前期の1681年(天和元年)にさかのぼります。公式サイトによれば、名主を務めていた原弥八郎が本業のかたわら酒造業を興したのが始まりで、屋号は「吉田屋」と称しました。創業家の原家は、川中島の合戦での武功により武田氏から佐久岩村田の地を拝領したと伝わる原氏の子孫とされ、戦国期からの由緒を持つ家系として知られています。

その後、明治期には販路を東京へと広げて事業を拡大しました。昭和に入ると1929年(昭和4年)に株式会社として法人化し、1962年(昭和37年)には本社と醸造蔵を現在地の佐久市長土呂に移転しています。1981年には創業300年の節目を迎え、1997年には酒蔵見学施設「酒蔵吉田屋」を開館し、2009年(平成21年)にアンテナショップ「酒蔵 千曲錦」としてリニューアルしています。2008年には長野市の企業グループ「本久」(現・本久ホールディングス)のグループ会社となり、公式の会社概要では創立年月日を2009年(平成21年)8月24日としています。

主力銘柄「千曲錦」の名は、蔵のそばを流れる千曲川の川面に、秋の紅葉が錦のように美しく映える情景に由来します。この情景を蔵の酒銘に重ね、地域の風土と歴史を体現する酒として醸し続けています。

酒造り

蔵は標高およそ700メートルの高原地帯「佐久平」に位置し、真冬の早朝には氷点下10度前後まで冷え込む厳しい寒さの中で酒を仕込みます。この低温環境は、蒸米を仕込み温度まで速やかに冷やすうえでも、雑菌の繁殖を抑えるうえでも有利に働くとされ、大吟醸酒など繊細な酒質を求める仕込みに適しています。

仕込み水には敷地内にある浅井戸(深さ13メートル)2本と深井戸(深さ60メートル)2本、合わせて4つの井戸を使い分け、鉄分が少なく適度にミネラルを含んだ浅間山系の伏流水を得ています。この水の良さは古くから知られ、俳人・種田山頭火は「風かをる しなのの国の 水のよろしさ」の句を残しました。使用米は主に長野県産の酒造好適米「美山錦」で、玄米の質を見極めたうえで精米管理・精米を行っています。

長野県酒造組合が主催する「百日講座」の修了生を蔵人として迎え入れ、次代の杜氏の育成にも力を注いでいます。1995年には杜氏の上原康徳氏が県知事より「信州の名工」の称号を初めて授与されました。近年でも令和2酒造年度(2020BY)の全国新酒鑑評会で金賞を受賞したほか、令和7酒造年度(2025BY)には長野県清酒鑑評会・全国新酒鑑評会の両方で金賞を受賞し、第95回関東信越国税局酒類鑑評会では吟醸酒部門で優秀賞に選ばれるなど、確かな技術が評価され続けています。

蔵データ

所在地

長野県佐久市長土呂1110

創業

1681年(長野県)

公式サイト

chikumanishiki.com

代表銘柄

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藤村のにごり酒:文豪・島崎藤村の詩「千曲川旅情のうた」から名付けられた純米にごり酒です。原料米は美山錦、精米歩合65%、アルコール度数15%、日本酒度-30、酸度2.0で、とろりとした甘みと米の旨みを感じる甘口タイプに仕上がっています。常温や冷やのほか、ソーダ割りでも楽しめます。

搾ったまんま:「活性純米生原酒」と呼ばれるしぼりたてタイプの限定酒です。搾ったままの状態で瓶詰めするため発泡感が強く残り、フレッシュな甘みと酸味のバランスが持ち味です。720ml入りで数量限定発売されています。低温で貯蔵すると熟成による深みも楽しめます。

帰山:「山へ帰る」「ふるさとへ帰る」という思いを込めて名付けられた銘柄です。すっきり辛口の代表銘柄「千曲錦」とは対照的に、甘みと酸味が調和した濃醇旨口の酒質を目指しており、上位クラスの「参番」は日本酒度-16、酸度3.0前後という個性的な数値を持ちます。

千曲錦:蔵の代表銘柄で、秋に千曲川の川面へ紅葉が錦のように映える情景から名付けられました。すっきりとした口当たりながら輪郭のしっかりした米の旨みを感じる辛口が特徴です。山田錦を使う大吟醸「酒の精」から寒仕込純米酒、本醸造まで、原料米や造りを変えた多彩なラインナップを擁するシリーズの中核をなしています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

直営店舗「酒蔵 千曲錦」(1997年開館の酒蔵見学施設「酒蔵吉田屋」を2009年にリニューアル)で試飲・対面販売を行っています。営業時間は平日9:00〜16:00、土日祝10:00〜16:00で、年末年始が休業日です。2026年9月からは日曜定休・平日と土曜営業の体制に変更される予定です。10名以上の団体で利用する場合は事前連絡が推奨されています。

補足

所在地は長野県佐久市長土呂1110番地で、佐久平駅から徒歩約15分、車で約5分の距離にあります。駐車場があり、電話番号は0267-67-3731です。なお、蔵の老朽化にともなう安全確保と品質維持のため、酒蔵見学は現在受け付けていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / chikumanishiki.com / mottox.co.jp / naganosake.jp / ja.wikipedia.org / nagano-sake.or.jp / umai-sakeya.com / nagano-shodan.com

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