平田酒造場
代表銘柄:醉翁
岐阜県
GIFU
1895年創業
岐阜県高山市に位置する平田酒造場は、江戸時代の明和6年(1769年)に「打保屋」の屋号でびんつけ油とろうそくの製造販売を始め、明治28年(1895年)に酒造業を開始した蔵元です。「酒は醸し育てるもの」をコンセプトに手造りによる丁寧な酒造りを続けています。水は清流宮川の伏流水を使用し、酒米「ひだほまれ」や、伊勢地方原産の「イセヒカリ」などを厳選して少量仕込みで醸しています。
代表銘柄の一つである長期熟成古酒「酔翁(すいおう)」は、現在は10年熟成の琥珀色の古酒として販売されており、平成7年仕込みで19年熟成させた酒が、世界的な酒類コンクールである「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2014」のSAKE部門において最高賞「チャンピオン・SAKE」を受賞した実績を持ちます。ほかにも「飛騨の華」や「昇龍乃舞」などの銘柄を手掛けています。
平田酒造場の歩み
平田酒造場の前身は、江戸時代の明和6年(1769年)に飛騨高山の中心部で始まった商家です。平田家は「打保屋」の屋号で、びんつけ油とろうそくの製造販売を営んでいました。当時の用具や、江戸時代の高山の町人の資料・生活用具は、かつて「平田記念館」として公開されていました。
酒造業を始めたのは明治28年(1895年)で、明治に入って5代目が酒造場を創業しました。「酒は醸し育てるもの」をモットーに、研鑽を重ねながら手造りの酒造りを続けています。会社名は株式会社平田酒造場で、所在地は古い町並みが残る高山市上二之町です。2024年6月には店舗が従来の店の道路向かいに移って営業を再開し、2025年4月からは酒蔵ツアーが始まりました。
2020年には、日本酒の魅力と可能性を世界に発信すべく生まれ変わりました。2021年には「昇龍乃舞」「飛鷺」「多賀山」の3つの新ブランドを立ち上げ、現在は「飛騨の華」「昇龍乃舞」「多賀山」を中心に造っています。2023年8月には、化学肥料と農薬を使わずに農業を営む地元の橋本農園と組み、酒粕を堆肥として田畑に戻す循環型農業のプロジェクト「まわりめぐる」を始めました。
この蔵の名を広めたのが、長期熟成の古酒「酔翁」です。蔵の発表では、2007年から2009年にかけて全国酒類コンクールの古酒部門で3年連続1位に入っています。2014年にはロンドンのIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で、古酒の部の金賞とトロフィーを受け、その中から日本酒部門の最高賞であるチャンピオン・サケに選ばれました。この年は261の蔵から725銘柄が出品されていました。
近年は純米大吟醸「多賀山」が受賞を重ねています。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降で入賞は令和4酒造年度の多賀山 純米大吟醸の1回で、岐阜県から入賞した7蔵のうちの1つでした。IWC 2023では、多賀山 純米大吟醸が純米大吟醸部門で金賞を受けています。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2022年と2026年にプレミアム大吟醸部門で多賀山が、2023年にはプレミアム大吟醸部門で昇龍乃舞 純米大吟醸、メイン部門で飛騨の華 本醸造が、それぞれ金賞を受賞しました。
フェミナリーズ世界ワインコンクール2022では日本酒の純米大吟醸部門で多賀山が金賞、Kura Master 2025では純米大吟醸酒(精米歩合1〜35%)部門で多賀山が金賞を受けています。蔵の発表では、IWC 2023で岐阜県トロフィーも受賞したほか、2022年には昇龍乃舞が同じIWCのブロンズ賞を受けました。岐阜県新酒鑑評会では、第30回(2023年)に多賀山、第33回(2026年)に昇龍乃舞が、いずれも純米吟醸酒の部で連合会長賞を受けています。
蔵の発表では、2021年にInternational Sake Challengeで酔翁がトロフィー賞を受けています。
酒造りの特徴
仕込みに使う水は、清流宮川の伏流水を汲み上げた井戸水です。北アルプスなど高い山々に囲まれ、硬い岩盤層に支えられた飛騨は水に恵まれた土地で、雑味がなくミネラルが豊富で、すっきりとした甘みがあります。米は、飛騨地方原産の酒米「ひだほまれ」を軸に、山田錦、そして伊勢地方原産の食用米「イセヒカリ」を使い分けています。ひだほまれは大粒で心白が大きく、バランスのよいお酒になる米です。
イセヒカリは、平成元年に伊勢地方を襲った台風の被害の中で、伊勢神宮の神宮神田にわずか2株だけ生き残った稲から広まった米です。平田酒造場はこの米が硬質米であることに着目し、純米大吟醸「昇龍乃舞」では30%まで磨いています。純米吟醸の「昇龍乃舞」はイセヒカリとひだほまれを原料米とし、金沢酵母で醸します。ラベルは紋章上繪師の波戸場承龍氏・耀次氏によるものです。2026年時点では、昇龍乃舞 純米大吟醸に使うイセヒカリが伊勢神宮の神宮神田の向かいにある田んぼでも育てられています。
酒造りは、寒さの厳しい飛騨の地の利と伝統の技術を生かした手造りで、機械やコンピューターに任せきりにせず、杜氏の経験と感覚を頼りに進めます。仕込みは少人数で行き届く少量仕込みです。杜氏は但馬杜氏の一員で、蔵の発表では、2026年に但馬杜氏の品評会で袋吊りの酒が最優等賞を受けました。純米大吟醸の「多賀山」は兵庫県産の山田錦を35%まで磨いた酒です。
商品は幅広く、ひだほまれを精米歩合90%に抑えた「飛騨の華 純米酒」、白麹を使った13%の夏の生酒、真空パックの容器で搾りたての味わいを保つKEGドラフトなどがあります。古酒に国産の梅を漬け込んだ梅酒「梅ごよみ」は、全国梅酒品評会のベース混合梅酒部門で2023年・2024年に銀賞、2025年にはKura Masterの梅酒コンクールで金賞を受けています。
代表銘柄
醉翁
酔翁は、飛騨の華の名を冠した長期熟成の古酒です。2014年のIWC古酒の部で金賞とトロフィーを受け、日本酒部門の最高賞であるチャンピオン・サケに選ばれました。受賞時の酒は平成7年に仕込み、19年間タンクで熟成させたもので、琥珀色のやや甘口の原酒でした。現在は10年熟成の「酔翁」が販売され、2014年のチャンピオン・サケ受賞酒にちなむ長期熟成古酒の「SUIO」(2026年時点で31年熟成)もあります。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 株式会社平田酒造場 直営店(岐阜県高山市上二之町60番地)。営業時間は9:30〜16:30で、不定休です。
- 補足
- 2026年10月時点の情報です。酒蔵ツアーは1名4,000円(税込)で、所要時間は約40分です。20分の蔵内案内と20分の試飲(3〜4種類)で、1回の定員は6名までです。開催は5月から9月が13:30・15:00・16:30・18:00、10月から4月が15:00・16:30・18:00で、案内は基本的に英語と日本語です。予約はオンライン予約かメールで受け付けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 岐阜県高山市上二之町60
- 創業
- 1895年
- 公式サイト
- h-sake.jp
出典
jetro.go.jp / hidatakayama.or.jp / jizake-japan.com / resv.jp / h-sake.jp / iisake.net / city.takayama.lg.jp / hidanohana.com / jp.sake-times.com / finesakeawards.jp / kuramaster.com / feminalise-japon.com / nrib.go.jp / voix.jp / jsbs2012.jp / kankou-gifu.jp / tabi-mag.jp
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