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三輪酒造

代表銘柄:白川郷

岐阜県

GIFU

1837年創業

三輪酒造の建物
三輪酒造の建物(2016年撮影)「Miwa Shuzo 20161009.jpg」 — 写真:円周率3パーセント / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1837年(天保8年)に創業した三輪酒造は、幕末に大垣藩の御用達酒蔵として繁栄した歴史を持ちます。蔵の北蔵と南蔵は歴史的な街並み景観を保つ建造物として国の登録有形文化財に登録されています。醸造には、水都と呼ばれる大垣の豊富で良質な湧水が用いられています。最大の強みは濁酒(にごり酒・どぶろく)に特化した酒造りです。看板銘柄の「白川郷」は、1970年代に白川村の関係者からどぶろく祭りの時期に販売できる、どぶろくに近い酒の製造依頼を受けたことをきっかけに誕生した純米にごり酒です。

米を贅沢に使用した濃厚な旨味や甘味と酸味のバランスが特徴で、発泡タイプや冷凍生原酒など多様な商品を揃えています。また、にごり酒を主力としながら、大垣藩の藩老・小原鉄心にちなむ「鉄心」や、美濃の戦国武将・斎藤道三にちなむ「道三」などの清酒も醸しており、全国新酒鑑評会で「道三吟雪花」が金賞を受賞した実績もあります。

三輪酒造の歩み

三輪酒造は、天保8年(1837年)に創業した大垣の酒蔵です。初代徳次郎は、上石津町多良の松ノ木(現在の大垣市上石津町)の出身で、現在の養老町にあたる澤田の日比家に奉公したのち、現在の大垣市船町にあたる地で酒造業を始めました。以来、二代吉平、三代徳次郎、四代徳三郎、五代広吉、六代春雄、七代高史と受け継がれ、現在は八代目の三輪研二が、2013年7月から代表を務めています。

幕末には大垣藩御用達の蔵として栄えました。大垣藩の藩老として幕末の窮地を救った小原鉄心から公私にわたって引き立てを受けたことが、三輪酒造の礎になりました。その後も、明治11年には火元となって250軒が焼けた澤田屋火事、明治25年の濃尾大震災、明治29年の大洪水、昭和5年の大恐慌、昭和20年の大空襲と、幾多の災難を乗り越えて今日に至っています。

会社としては、昭和3年に三輪酒造合資会社が設立され、平成8年に株式会社三輪酒造となりました。関連会社の有限会社澤田屋本家は酒類の卸と小売を担い、小売部は蔵の中にあります。明治20年(1887年)上棟の南蔵と、明治21年(1888年)上棟の北蔵は、濃尾大震災にも耐えて今も現役の酒蔵で、2011年1月26日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。北蔵は仕込み蔵、南蔵は貯蔵蔵で、南蔵は高さの異なる3つの棟が連なり、最も高い部分は酒蔵では珍しい3階建てです。大垣市景観遺産(指定番号7号)にも指定されています。

看板銘柄の純米にごり酒「白川郷」は、1970年代半ばに生まれました。六代目の三輪春雄が、当時の白川村役場の助役で、のちに村長となる和田氏から、どぶろく祭りの時に売れるどぶろくを造ってほしいと依頼されたのが始まりです。一年を通じて販売できるにごり酒には前例がなく、当初は酒税法上の扱いが課題になりましたが、交渉を重ねて承認を得ました。白川村議会の議決により「白川郷」の商標の使用も許され、当時の大垣から白川村までは、片道4時間半もかかる道のりでした。

発売当初から人気を集め、国内各地で愛飲されています。兄弟にあたるうすにごり酒は、北米やアジア、ヨーロッパ、オーストラリアでも販売されています。2012年には、それまで新潟県や岩手県から迎えていた杜氏を社員杜氏に切り替え、翌2013年に、平成24酒造年度の全国新酒鑑評会で大吟醸「道三 吟雪花」が金賞を受賞しました。これは蔵にとって初めての金賞で、社員杜氏が造った酒での受賞でした。現在は従業員19名で、造りの90%以上をにごり酒が占める、にごり酒に特化した蔵です。

酒造りの特徴

蔵の柱である純米にごり酒「白川郷」は、どぶろく祭りのどぶろくにできるだけ近いものを目指して造られています。精米歩合70%の米で仕込み、米は岐阜県産米などを使います。清酒の一般的な仕込みでは米一升から約二升の酒が造られるのに対し、白川郷は二倍近い米を使い、使う米の量では精米50%以下の大吟醸に匹敵します。麹米には酒造好適米を使い、掛米には飯米も使って味に奥行きを出します。もろみはアルコール分が15度に達したところで発酵を止め、米の自然な旨みが残り、日本酒度はマイナス25という甘さになります。

仕込みには水の都と呼ばれる大垣の湧水を使い、三段仕込みで、初添から中添、留添までの3工程を4日間で行い、そのあと二十日ほどかけてゆっくり発酵させます。発酵が進んだもろみには、四段と呼ばれる最後の仕込みを行います。上槽は網漉しで行い、そのあと火入れをします。にごり酒は発酵の度合いが味を直接左右するため、杜氏の五感と経験が頼りになります。もろみのうまみを十分に引き出してから独自の方法で殺菌することで、独特の風味を保ったまま一年中出荷できるようにしました。

白川郷のシリーズは、にごりの濃さや加工の違いで広がっています。純米吟醸のささにごり酒は、精米歩合60%のひだほまれのもろみを網濾ししたうすにごり酒です。上澄みは、にごり酒のうまみを生かした甘口の澄み酒で、出来たて生は0℃より低い温度で貯蔵して発酵を静めています。冷凍生原酒は出来たてのにごり酒を、そのままマイナス20度で冷凍貯蔵した生酒です。炭酸純米の泡にごり酒は、瓶の中で二次発酵させたスパークリングのにごりで、アルコール度数は11度、日本酒度はマイナス50です。

純米生のどぶろく仕込みは、マイナス20度で凍結して発酵を静めたまま生酒として蔵出しし、網でこす作業もしません。

清酒には、斎藤道三にちなむ「道三」、小原鉄心にちなむ「鉄心」、関ヶ原にちなむ「決戦 関ヶ原」の銘柄があります。大吟醸 道三 吟雪花は、山田錦を精米歩合40%まで磨き、低温発酵でじっくり醸します。純米吟醸 道三 吟雪花は精米歩合60%で、五百万石などを使います。特別本醸造バロン鉄心は、上石津町の契約栽培米を掛米、岐阜県の酒造好適米ひだほまれを麹米に使い、岐阜県のG酵母で醸します。創業180周年を記念して、大吟醸のデューク鉄心も発売しました。

決戦 関ヶ原は、山形県産の出羽燦々を使う東軍と、岐阜県産のひだほまれを使う西軍で、米と酵母が異なる飲み比べのシリーズです。

ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2013年に白川郷 炭酸純米「泡にごり酒」がスパークリングSAKE部門の金賞、2014年に大吟醸 道三 吟雪花が大吟醸酒部門の金賞、2025年に白川郷 純米酒「生の上澄み」が生酒部門の金賞を受けました。

国際的な品評会のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門では、白川郷 炭酸純米「泡にごり酒」がスパークリングの部で2017年・2018年・2020年にシルバー、大吟醸 デューク鉄心が大吟醸の部で2021年にシルバー、純米大吟醸 決戦 関ヶ原【西軍】火入れ本陣が純米大吟醸の部で2025年にゴールドを受賞しています。岐阜県新酒鑑評会では、特別本醸造バロン鉄心が第31回に続いて第32回(2025年)にも岐阜県知事賞を受け、第32回は本醸造部門の第一位でした。

代表銘柄

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白川郷

純米にごり酒の白川郷は、白川村のどぶろく祭りにちなんで生まれた、蔵の看板銘柄です。精米歩合70%の岐阜県産米などで醸し、一般的な清酒よりも多くの米を使い、もろみに近い状態で仕上げる濃厚なにごり酒です。日本酒度はマイナス25、アルコール度数は14.5度で、甘味と酸味のバランスが特徴です。10℃ほどに冷やしてそのまま飲むのがおすすめです。

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見学・購入

直売所
蔵の店頭(岐阜県大垣市船町4丁目48番地、澤田屋本家小売部)とオンラインショップで購入できます。営業時間は9時から17時です。
補足
毎年春に「三輪酒造 蔵フェス」を開いており、2026年は4月29日の10時から15時に、酒蔵BARや限定酒・定番酒の即売、キッチンカーなどが企画されました。この日は仕込み期間中のため、蔵内部の見学や工場内のイベントはありませんでした。普段の蔵見学は受け付けておらず、試飲ができます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岐阜県大垣市船町4丁目48番地
創業
1837年
公式サイト
miwashuzo.co.jp

出典

kuramotokai.com / miwashuzo.co.jp / kankou-gifu.jp / sakenomy.jp / wikipedia.org / xn--ces864dg9qceg.com / ogakiseino-shinkin.com / nisimino.com / jizakeya.jp / city.ogaki.lg.jp / online.bunka.go.jp / nrib.go.jp / finesakeawards.jp / sake-times.com / sakagura-press.com / internationalwinechallenge.com

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