SAKE BREWERY — NAGANO

黒澤酒造

長野県南佐久郡佐久穂町穂積1400 1858年創業

紹介

安政5(1858)年創業。北八ヶ岳山麓・千曲川最上流の標高約800mに位置する、全国屈指の高所にある酒蔵です。明治期の屋号に由来する「マルト」や、良質な自社井戸水にちなむ「井筒長」などの銘柄を展開しています。酒造りには千曲川の伏流水(軟水)を使用し、原料米には美山錦やひとごこちをはじめとする長野県産米を100%使用しています。自社米の栽培や自社精米にも力を入れています。手間のかかる伝統的な「生酛造り」を軸とし、甘酸辛苦渋のバランスが取れた濃醇やや辛口の味わいを追求しています。受賞歴として、平成24(2012)年の全国新酒鑑評会での金賞受賞(美山錦使用酒)や、2019年のInternational Wine Challenge(IWC)日本酒部門における「井筒長 純米大吟醸 黒澤」のGOLD(金賞)受賞などがあります。

歴史

黒澤酒造の歴史は、江戸時代の南佐久で名主を務めた黒澤家に遡ります。黒澤家は木曾義仲を始祖と伝える家柄で、代々この地の年貢の取りまとめを担ってきました。安政5年(1858)、当主の黒澤利左衛門が地元向けの酒造りを始めたのが、酒蔵としての出発点です。

明治期に入ると、利左衛門は横浜の相場へ絹を持ち込む商いで得た財をもとに事業を拡大し、銀行・呉服・酒・味噌醤油・薬種卸を営む一族の家業を築きました。これらの事業は五人の息子にそれぞれ分割され、酒造業は三男の嘉四蔵が引き継いでいます。分割された銀行業はのちに合併を重ね、現在の八十二銀行につながっています。

屋号には「マルト」を用い、創業当初の銘柄は「マルト正宗」と名乗っていました。大正15年(1926)、3代目当主の恒太郎が新たな井戸を掘削したことを機に商標を「井筒正宗」へ改め、昭和38年(1963)には深さ50mの井戸を新たに掘ったことから「井筒長」へと改称しています。明治36年(1903)には、初代杜氏の油井金作が3代目恒太郎とともに大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会や灘の酒蔵を視察するなど、早くから他産地の技術に学ぶ姿勢を持っていました。

昭和40年代には石高5,000石を超える最盛期を迎えましたが、その後の清酒消費の減少とともに規模を縮小し、2000年代には約3,000石規模での醸造となっています。平成4年(1992)からは米国向けに清酒の輸出を開始し、海外にも活路を見いだしました。現在はこの輸出で主力となっている生酛造りのブランド「くろさわ」が、海外での評価を支えています。

現在は蔵元杜氏の黒澤洋平が醸造を指揮しています。黒澤洋平は2009年に6代目杜氏へ就任し、それ以前に32年間にわたり蔵を支えた5代目杜氏の中澤礎から経験と技術を引き継ぎました。中澤は現在も技術顧問として蔵に携わっています。

酒造り

黒澤酒造は北八ヶ岳山麓・千曲川最上流、標高約800mの高原に蔵を構え、全国の酒造場の中でも屈指の高所に位置しています。仕込み水には、この立地を生かした軟水の千曲川伏流水を自社井戸から汲み上げて使用しており、良き水ありて良き酒ありという考え方を蔵の基本姿勢としています。

酒造りの軸に据えているのが、蔵に棲みつく乳酸菌など自然の微生物の力を借りて酒母を育てる伝統製法、生酛造りです。吟醸酒的な華やかな香りを追うのではなく、複雑で深みのある味わいと、毎日の食卓に寄り添う飲み飽きしない食中酒であることを重視しており、商品の多くを生酛仕込みで醸しています。手間がかかるため一度に仕込める量は限られますが、原料米の選定から自社精米まで自らの手で管理する姿勢を貫いています。

原料米は美山錦やひとごこちなど長野県産米を中心に使用し、一部は平成17年(2005)から自社栽培にも取り組んでいます。上位銘柄には、東御市の契約農家が育てた金紋錦や、東京農業大学が佐久の自然界から分離開発した佐久酵母SAKU1なども用い、地域に根ざした原料と技術で個性を打ち出しています。

蔵データ

所在地

長野県南佐久郡佐久穂町穂積1400

創業

1858年(長野県)

公式サイト

kurosawa.biz

代表銘柄

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くろさわ:平成4年(1992)に始まった米国向け輸出で主力となった、生酛造りの純米酒・純米大吟醸を中心とするブランドです。香り高い吟醸香よりも米の旨味と料理との相性を重視した造りが特徴で、輸出開始以来アメリカ市場を中心に高い評価を得ている看板ブランドの一つです。

雪國:昭和44年(1969)から国分との提携で展開している、普通酒から大吟醸まで幅広くそろえる銘柄です。八千穂高原の雪に埋めて熟成させる氷雪貯蔵生原酒などをそろえ、やや辛口でふくらみのある味わいの手造り本醸造や、繊細で上品な香りの大吟醸霧雪、生酛造りのにごり酒など、燗から冷やまで幅広い温度帯で楽しめる商品をラインアップしています。

黒澤:一歩進んだ生酛をコンセプトに、日々の食卓に寄り添う味わいを追求するシリーズです。ひとごこちを使い燗向きに仕上げた特別純米や、精米歩合を抑えた純米八〇、希少な金紋錦を使う純米大吟醸金紋錦など、あえて磨きすぎない米の旨味を生かした造りが特徴です。2012年には純米吟醸・純米大吟醸の部でインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の金賞を受賞しています。

まると:蔵の周辺で自社栽培したひとごこちと、佐久の自然界から分離され東京農業大学が開発した佐久酵母SAKU1を用いた、生酛造りの純米大吟醸です。精米歩合49%まで磨き、しっかりとした味わいとなめらかな喉ごし、爽やかな酸が調和した旨口の一本に仕上げています。

井筒長:蔵の主力ブランドで、東御市の契約農家が育てた金紋錦を精米歩合36%まで磨いた純米大吟醸黒澤などを展開しています。りんごや梨、白桃を思わせる華やかな香りと上品な甘さが特徴で、GI長野に認定されているほか、2019年のIWC日本酒部門で金賞を受賞しています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

安政年間創業当時の酒蔵を改修復元した蔵元ショップ&ギャラリーくろさわを併設しており、酒の販売のほかコイン式の有料試飲コーナーがあります。隣接する酒の資料館では、酒造りの工程を再現したジオラマや古い酒造り道具、酒器コレクションを無料で見学できます。ギャラリー喫茶では自社の仕込み水で淹れたオリジナルブレンドコーヒーなども提供しています。

補足

醸造中の蔵内部への一般見学は通常受け付けておらず、旅行会社あうたびが企画する限定ツアーでのみ、醸造期の蔵内見学や当主との交流機会が設けられています。ショップ&ギャラリーおよび資料館は10時から17時まで、年末年始を除き無休で利用できます。所在地は長野県南佐久郡佐久穂町穂積1400で、JR八千穂駅から徒歩圏内です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

kurosawa.biz / naganosake.jp / kuramotokai.com / sakenomy.jp / culture.nagano.jp / yachiho-kogen.jp / osakelist.com

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