高橋助作酒造店
代表銘柄:戸隠・松尾
長野県
NAGANO
1875年創業
長野県信濃町にて1875年(明治8年)に創業した、同町唯一の酒蔵です。北信五岳に囲まれた標高の高い豪雪地帯という厳寒な環境を活かし、昔ながらの伝統的な「手造り」による酒造りを続けています。仕込水には、戸隠神社奥社付近を水源とする鳥居川水系の場内天然湧水を使用しています。原料米には長野県産の美山錦や山恵錦(契約栽培米)を100%採用し、地域の自然と素材を活かした酒造りを行っています。代表銘柄の「松尾」は酒造りの神様である京都の松尾大社にあやかり命名されたもので、「戸隠」などの銘柄も手掛けています。
酵素剤を使わず「甑で蒸す」「手造り麹」「三段仕込み」といった伝統的な工程を守り、低温長期発酵でじっくり仕込まれるのが特徴です。全国新酒鑑評会で多数の金賞を受賞しているほか、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」でもプラチナ賞や金賞を獲得するなど、国内外で高い評価を得ています。
高橋助作酒造店の歩み
現在の長野県上水内郡信濃町にあたる地で、高橋助作酒造店は1875年(明治8年)に創業しました。戸隠山・妙高山・黒姫山・飯縄山・斑尾山からなる北信五岳に囲まれ、標高640メートルほどの高冷地に蔵を構え、冬は深い雪に閉ざされる豪雪地帯です。仕込み水には、戸隠神社奥社の鳥居付近を水源とする鳥居川水系の湧き水を、創業当時から蔵の敷地内で汲み上げて使い続けています。創業当初の信濃町には8軒ほどの造り酒屋が軒を連ね、長野市の北に位置することから「北山酒」と呼ばれ親しまれていました。
地元に伝わる盆踊り唄「古間音頭」には「古間は酒と鎌とで名が高い」と歌われ、酒造りとともに刃物づくりの技も栄えた土地でした。現在は町内に残る唯一の酒蔵として、その歴史を受け継いでいます。
代表銘柄の「松尾」は、1902年(明治35年)に商標登録された蔵の顔ともいえる銘柄です。地域には酒造りの神を祀る京都の松尾大社にちなんで名づけられたという言い伝えがある一方、蔵の公式な説明では「松」「尾」の字義から神仏が天降り宿る様子を意味する言葉として選ばれています。もうひとつの主要銘柄「戸隠」は、仕込み水の水系名にちなんだ銘柄名として1917年(大正6年)に商標登録されています。経営は代々一族で受け継がれており、現在は5代目にあたる高橋邦芳氏が代表取締役を務めています。
2000酒造年度には、純米酒など付加価値の高い日本酒を小型容器での瓶貯蔵に切り替え、2005酒造年度には特定名称酒をすべて純米酒に統一するとともに、その全量を瓶貯蔵で熟成させる体制に移行しました。普通酒を含む全量の瓶貯蔵が実現したのは2020酒造年度からです。2007酒造年度には原料米をすべて長野県産米に切り替え、2009年に信濃町富士里地区、2010年に同町荒瀬原地区で「美山錦」の契約栽培を始め、地元産米による酒造りへと歩みを進めました。
荒瀬原産の美山錦を100%使用して仕込んだ酒には、酒米産地名をそのまま銘柄名に用いた「荒瀬原」の名を付けています。
2013年には長野県酒造組合が長野県農業試験場と進める酒米選抜事業に初年度から参加し、地元信濃町荒瀬原の契約農家の協力を得て新品種候補「信交酒545号」の試験栽培と試験醸造を始めました。品種登録の見通しが立たない時期もありましたが取り組みを続け、2016年に品種登録を出願、2018年4月には「信交酒545号」表示での出品や販売が初めて可能になりました。
同年、この米を100%使用した純米大吟醸が全国新酒鑑評会・関東信越国税局・長野県の各鑑評会でそろって最高位クラスの評価を受け、国内鑑評会三冠と呼ばれる成果を初出品の年に達成しています。2020年3月30日に品種登録が完了して正式に「山恵錦」と名付けられ、同年の酒造年度からは自社の日本酒すべてに、地元契約栽培農家が育てた山恵錦を100%使用しています。契約栽培の産地は当初、信濃町と戸隠地域でしたが、2024酒造年度からは飯綱町も加わり、現在は信濃町・飯綱町・戸隠地域産の山恵錦を使用しています。
酒造りの特徴
酒造りには昔ながらの「手造り」の技法を守り、米を蒸す際には甑を使い、麹は箱を用いた自家製の手造り麹を100%使用しています。乾燥麹や酵素剤への置き換えは創業以来行っておらず、この方針は日本酒だけでなく甘酒づくりにも貫かれています。酒母は生もと・山廃・速醸のいずれかの製法でつくり、明治期に生もとから速醸へ移行する過渡期に行われていた山廃に近い操作を、昔ながらの暖気樽を使って再現する、今では珍しい速醸の造り方を主力としています。
あわせて2022酒造年度からは純米吟醸の一部で生もと造りを再開し、2024酒造年度まで3期連続で継続しています。
2021酒造年度からは全量を純米の手造り酒とし、2020酒造年度からは全量に地元契約栽培の山恵錦100%を使用しています。仕込み水は素濾過のみで薬剤による水質調整を行わない湧き水を用い、2022酒造年度からは蒸米放冷機やエアーシューターを使わない「自然放冷」を全量に採用し、2025酒造年度時点で4期連続となっています。全量自然放冷を貫く清酒製造場は2022酒造年度時点で全国に2場程度しかなく、衛生管理を徹底しながら自然の力にゆだねる造りを続けています。
できあがった日本酒はすべて瓶貯蔵で熟成させ、地元の資源を生かした一貫した造りを実践しています。
全国新酒鑑評会では、長野県産美山錦100%の純米大吟醸で2007・2009・2010の各酒造年度に金賞を受賞し、山恵錦100%の純米大吟醸でも2017・2020・2021・2022・2023・2024の各酒造年度に金賞を受賞しています。山恵錦を用いた金賞は2020酒造年度から2024酒造年度までの5年連続を含む6回、美山錦を用いた金賞3回とあわせると9回にのぼり、これに古い年代の大吟醸(兵庫県産山田錦100%、1993年・1998年受賞)を加えると、蔵として通算11回の金賞受賞になります。
関東信越国税局の優秀賞と長野県清酒品評会の知事賞をあわせた「国内鑑評会三冠」は、2017酒造年度・2021酒造年度・2023酒造年度の純米大吟醸で計3回達成しており、2017酒造年度分は品種登録前の「信交酒545号」を初出品した年の受賞です。
海外の品評会でも評価を重ねており、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」では、開催初年度の2017年に純米「戸隠」が金賞を受賞し、2018年には純米吟醸「斑尾」が金賞、2019年に同じく「斑尾」がプラチナ賞、2020年には純米大吟醸「松尾」がプラチナ賞を受賞しました。2021年に「斑尾」、2022年には「斑尾」と「戸隠」の2点、2023年と2024年には「戸隠」が金賞を受賞しており、これまでに金賞7点(6年度)、プラチナ賞2回を数えます。
イギリスの「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」では、2021年に山恵錦100%の純米大吟醸として初めてゴールドを、2024年開催の純米吟醸部門でも生もと造りの「松尾 純米吟醸 上水内」がゴールドとリージョナルトロフィーを受賞したほか、複数年にわたりシルバーやブロンズを受賞しています。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
戸隠
戸隠は、仕込み水の水系名にちなんで1917年に商標登録された銘柄です。信州長野の契約栽培米・山恵錦を100%使用した純米吟醸で、精米歩合は58%です。フランスのKura Masterでは開催初年度の2017年に純米「戸隠」として初めて金賞を受賞し、2022年から2024年にかけても3年連続で金賞を受賞するなど、丁寧な仕込みが海外でも評価されています。
松尾
松尾は、1902年に商標登録された蔵の代表銘柄です。酒造りの神を祀る松尾大社にちなむという言い伝えがある一方、公式には「松」「尾」の字義から神仏が宿る様子を意味する言葉として選ばれたとも説明されています。契約栽培の山恵錦を100%使用し、純米大吟醸から普段づかいの純米酒まで幅広く展開しています。2020年のKura Masterでプラチナ賞、2021年と2024年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでゴールドを受賞し、2024年は長野トロフィーもあわせて受賞しました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 地元・信濃町の萬屋酒店やみねむら、石川酒店などの取扱店で購入できるほか、近隣に取扱店がない場合は蔵元から直接購入することも可能です。
- 補足
- 蔵見学は、契約している酒販店やホテルなどからの紹介がある場合に限り受け付けており、事前の電話予約が必要です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長野県上水内郡信濃町大字古間856番地1
- 創業
- 1875年
- 公式サイト
- www.matsuwo.co.jp
出典
kuramaster.com / shinano-machi.com / saketime.jp / cocolococo.jp / naganosake.jp / okayasanso.co.jp / matsuwo.co.jp / nrib.go.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。