亀萬酒造
代表銘柄:玄米酒・亀萬・萬坊
熊本県
KUMAMOTO
1916年創業
1916年(大正5年)創業。代々医者の家系であった創業者が、治療代として納められた米を活用して酒造りを始めた歴史を持ちます。天然醸造を行う蔵としては日本最南端に位置しています。
南国の温暖な気候は日本酒造りにとって厳しい環境ですが、もろみの温度上昇を防ぎ適温に管理するため、仕込み時に多量の氷を投入する「南端氷仕込み」と呼ばれる独自の製法を守り続けています。仕込み水には大関山系の湧水を使用し、地元産の酒米などを活かした酒造りを行っています。
受賞歴としては、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019」のプレミアム純米部門にて「萬坊」が最高金賞を受賞したほか、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2022」でも「萬坊」がプラチナ賞を受賞しています。
亀萬酒造の歩み
熊本県の南端、鹿児島県との県境に近い葦北郡津奈木町にある蔵です。創業は1916年(大正5年)で、代々医者の家系だった竹田家の創業者・竹田珍珠が、治療代として納められて蔵に積み上げられていた米で日本酒を造ることを思い立ったのが始まりです。周囲は鹿児島や人吉など焼酎どころとして知られる地域で、冷蔵設備に頼らない酒造りには限界とも言える土地です。
創業者の珍珠と二代目の典治が二代にわたって頭を悩ませたのが、酒の命である水でした。蔵の敷地は鉄分を多く含む丘の合間にあり、どこを掘っても鉄分を含んだ水しか出てきませんでした。そこで、近くの木立に囲まれた源流から、渇水時にも絶えることのない軟水の湧き水をポンプで蔵まで汲み出して使うことにし、これに成功します。現在の仕込み水は、大関山系の湧水が100%です。
看板の大吟醸「珍珠」は、創業者の名にちなんだ酒です。日本にワインブームが訪れ、ワインが食中酒として人気を集めたころ、鑑評会への出品分しか造っていなかった大吟醸を1.8リットル1本1万円で売り出してみようということになりました。蔵の発表では、初年は24本の限定販売で、地元の新聞に載るなど注目を集めてすぐに完売し、2016年には伊勢志摩サミットのファーストレディ晩餐会でも採用されました。
酒造りは、出稼ぎ杜氏や季節労働の蔵人に任せる体制から変わってきました。40年近く蔵の酒を造ってきた田中杜氏から、栃木県で修業して戻った四代目の竹田瑠典さんへと世代が移り、四代目は杜氏として酒造りを担ってきました。四代目はもろみを一切混ぜない酒造りを取り入れ、三代目の竹田珠一さんは、これを自分たちの常識では考えられなかったことだと話しています。2026年時点では、竹田瑠典さんが代表を務めています。
全国新酒鑑評会では、商標「亀萬」が平成16酒造年度と平成20酒造年度に金賞を受賞し、平成18酒造年度と平成19酒造年度にも入賞しています。熊本国税局の酒類鑑評会では、平成14年から18年まで5年連続と平成20年に入賞し、平成23年と25年には熊本酵母吟醸酒の部で優等賞に選ばれました。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは2016年、2018年、2020年、2022年に金賞を受け、2019年には最高金賞も受賞しています。
Kura Masterでは2017年から2023年にかけて、プラチナ賞を3回、金賞を1回受賞しました。燗酒コンテストでも、2015年の最高金賞をはじめ、2017年、2018年、2020年、2021年、2023年、2025年に金賞を受けています。
酒造りの特徴
この蔵の特徴は、もろみの温度を多量の氷を加えて調整する「南端氷仕込み」です。日本酒は基本的に5〜15℃ほどの低温で長く発酵させることで雑味の少ない酒になりますが、発酵の熱で品温は20℃以上に上がることがあります。最南端の蔵ではもろみの温度がとくに上がりやすいため、氷を入れて温度を調えます。天然醸造の蔵としては日本最南端にあると、蔵は掲げています。純米大吟醸の仕込みでは、深夜から蔵の扉を開けて夜の冷気を取り込むところから始め、仕込み水を控えた分だけ大量の氷を投入して、もろみを管理します。
原料は、熊本の米と熊本酵母が中心です。主に使う米は、熊本県が14年をかけて開発した酒造好適米の華錦と山田錦で、銘柄によってアキマサリも使います。精米歩合は60%のものから50%、さらに45%まで磨く米もあります。四代目は、最南端の地で思いどおりの酒造りができるのは、生命力が強い熊本酵母と先人の工夫のおかげだと語っています。
蒸米は、和釜に甑をのせて蒸す昔ながらの方法で、技の伝承を図っています。麹室は30度以上に設定し、杜氏が最も神経を使う大吟醸の麹はつきっきりで見守ります。もろみは三段仕込みで、大吟醸の発酵日数はおよそ30日です。珍珠では、サーマルタンクの原型とされる野白金一氏が考案した二重桶方式で温度を管理し、搾りは袋搾りで行います。搾った酒は65度の低温加熱殺菌(火入れ)をし、7月の初呑切りを経て、出荷までタンクで貯蔵します。
酒米づくりにも取り組んでいます。2017年から津奈木町で山田錦を自社栽培しており、2026年6月25日には、酒造場の近くの田で10年目の田植えを行いました。熊本県芦北地域振興局の担当者の指導を受け、地元の農家10戸が協力しています。この米と、田んぼと同じ水脈の湧き水を使って仕込むのが、津奈木産山田錦の純米吟醸「今茲」です。津奈木の土、水、人で作る米で、津奈木を感じてもらえる酒を造りたいというのが、四代目の考えです。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
玄米酒
亀萬の玄米酒は、精米歩合100%で仕込む、全国的にも珍しい純米酒です。栽培期間中に農薬を使わない華錦を、精米せずに玄米のまま仕込みます。濃厚なコクと芳醇な旨みが特徴で、中華料理や肉料理など味付けの濃い料理によく合います。アルコール分は15度で、全国燗酒コンテスト2017の特殊ぬる燗部門で金賞を受けました。500ミリリットル入りです。
亀萬
蔵の名を冠した主力の銘柄群です。「純米限定」は華錦を使った純米酒で、燗酒コンテストのプレミアム燗酒部門で2015年に最高金賞、2018年、2020年、2021年、2023年に金賞、2025年にはプレミアムぬる燗部門で金賞を受けました。「にごり原酒」は約50年前に造り始めた看板商品で、もろみの米粒を多く残し、年間売り上げは毎年トップです。「辛口純米酒 PLUS 9」は日本酒度+9と、蔵の歴代でもっとも辛口の純米酒です。
楽天で商品を見る萬坊
水俣市の越小場で、アイガモ農法により栽培された華錦を使う純米吟醸酒です。環境モデル都市づくりの宣言をきっかけに造り始め、「亀萬の子」の意味を込めて名付けられました。すっきりした飲み心地で、吟醸香がほのかに広がります。Kura Masterでは2017年と2022年、2023年にプラチナ賞、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019では最高金賞を受けました。
珍珠
創業者・竹田珍珠の名を冠した大吟醸酒で、山田錦を40%まで精白し、熊本酵母で醸します。華やかな吟醸香の一方で、食事中にも楽しめるよう辛口に仕上げているのが特徴です。アルコール分は18度で、5〜10℃に冷やして飲むのがおすすめです。熊本国税局の平成25年の酒類鑑評会では熊本酵母吟醸酒の部で優等賞に選ばれました。
見学・購入
- 直売所
- 公式オンラインショップで商品を販売しています。
- 補足
- 2025年と2026年の春には、津奈木町のつなぎ桜まつりと合同で亀萬酒造新酒まつりが開かれ、新酒が味わえました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 熊本県葦北郡津奈木町大字津奈木1192
- 創業
- 1916年
- 公式サイト
- www.kameman.co.jp
出典
montbell.jp / kameman.co.jp / sake-times.com / kumamoto-sake.com / tsuruya-dept.co.jp / tabirai.net / sakenomy.jp / minoriminoru.jp / tsukijiichiba.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / finesakeawards.jp / kansake.jp / kuramaster.com
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。