SAKE BREWERY — KUMAMOTO

花の香酒造

熊本県玉名郡和水町西吉地2226-2 1902年創業

紹介

1902年(明治35年)、初代の神田角次・茂作親子が妙見神社の神田(しんでん)を譲り受け、磐清水と米で創業した熊本県玉名郡和水町の酒蔵です。1992年に神田酒造から「花の香酒造株式会社」へ社名変更されました。代表銘柄には看板商品の「花の香」、低アルコール発泡性の「鮨びぃる」、そしてブランド「産土(うぶすな)」などがあります。

6代目当主の神田清隆氏のもと、土着の生産風土や祈りの精神を重んじる「産土」を酒造りの哲学に掲げています。仕込み水と同水域である菊池川流域産の米を使用し、無肥料・無農薬の自然農法や伝統手法を取り入れた酒造りを推進しています。受賞歴としては、純米大吟醸「花の香 桜花」がロンドンSAKEチャレンジで金賞を受賞したほか、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」でプラチナ賞および審査員特別賞を受賞しています。

歴史

花の香酒造の歴史は1902年(明治35年)に遡ります。創業者の神田角次・茂作親子は、地元の妙見神社が所有していた神田(しんでん、神社所有の田)と、そこに湧き出る岩清水を譲り受け、この湧き水と自社の田で育てた米を用いて酒造りを始めました。当初の屋号は神田酒造で、1952年(昭和27年)に合名会社神田酒造場として組織化され、1992年(平成4年)に現在の花の香酒造株式会社へと社名を改めました。

大きな転機となったのは2011年(平成23年)、6代目の神田清隆氏が経営難だった蔵を継承したことです。神田氏は「獺祭」の旭酒造を自ら訪ねて酒造りの全工程を学び直し、蔵の酒質を一から立て直しました。2015年には自ら手掛けた純米大吟醸「花の香 桜花」を初リリースし、短期間で熊本を代表する日本酒として注目を集めるようになりました。

神田氏が酒造りの哲学として掲げたのが「産土(うぶすな)」という考え方です。生まれた土地の恵みと、そこに宿る精神性を大切にする土着の生産風土を酒に映すという方針のもと、地元・菊池川流域産の米だけを使い、無農薬無肥料の自然栽培に取り組むようになりました。この流れの中で、江戸時代の肥後国で栽培され大阪堂島の米相場で高い評価を得ながら一度は姿を消していた在来品種「穂増」の復活にも取り組み、2017年にわずか40粒の種籾から熊本県内の農家とともに復活栽培を成功させています。同年、菊池川流域は「米作り、二千年にわたる大地の記憶」として日本遺産に認定されました。こうした地元の米づくりの蓄積を背景に、2022年には「産土」を冠したブランドを正式に商品化し、地域と共生する酒造りを対外的にも打ち出すようになりました。

酒造り

仕込み水には、妙見神社境内から湧き出る岩清水を使用しています。蔵のある和水町一帯は阿蘇山の噴火による火砕流が固まってできた台地で、菊池川流域に広がるこの岩盤を通って湧き出す水は清澄な性質を持つとされています。米についても、仕込み水と同じ水系で育てることで最良の相性が得られるという考えから、原料米は全量を菊池川流域産に限定しています。

中心となる品種は山田錦で、無農薬・無肥料の自然栽培に加え、苗を田に直接まく畑苗代や一本ずつの手植え、収穫後の冬期湛水、馬耕といった昔ながらの農法を取り入れた米づくりを地元農家とともに進めています。あわせて、江戸時代の肥後在来品種「穂増」も2017年の復活以降、栽培面積を広げながら醸造に用いています。

醸造面では、神田清隆代表自身が杜氏として蔵に入り、若い蔵人とともに仕込みを行っています。繊細で個性の際立つ酒を目指し、一仕込みを500キログラム程度に抑えた小仕込みを繰り返すほか、もろみを吊るした袋から自然の重みだけで滴らせる伝統技法「撥ね木搾り」を用いた酒もあります。産土では乳酸無添加の生酛造りと、微生物が棲みつく木桶での仕込みを採用しています。

蔵データ

所在地

熊本県玉名郡和水町西吉地2226-2

創業

1902年(熊本県)

公式サイト

www.hananoka.co.jp

代表銘柄

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産土:2022年に商品化されたブランドで、菊池川流域産・無農薬無肥料栽培の米のみを用いて醸されます。「産まれた土地の恵みと祈りの精神を重んじる」という蔵の哲学を体現し、定番ラインは在来種の香子・穂増、山田錦、発泡性のエフェルヴェセントで構成されます。土地の力をそのまま映した滋味深い味わいが特徴です。

鮨びぃる:2013年8月に一般販売を開始した、米・米麹・水のみで仕込むアルコール度数7度の発泡性清酒です。寿司との相性を第一に考えて開発され、きめ細かな泡立ちと爽やかな喉ごし、フルーティな味わいが特徴として紹介されていました。

花の香:蔵の看板銘柄で、桜花・菊花・梅花など季節を映したラインナップを展開しています。中心となる純米大吟醸「桜花」は和水町産山田錦を精米歩合50%まで磨き、9号酵母と1801酵母で醸した一本で、2017年の第1回Kura Masterでプラチナ賞と審査員特別賞を受賞したほか、ロンドンSAKEチャレンジでも金賞を受賞しています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

併設のギャラリー「花回廊」で一部商品を購入できるほか、有料試飲ができるバー「花香酔人」も併設されています。

補足

花回廊の営業時間は10時から16時までです。通常は非公開の麹室の様子を見学できる「麹の間」のほか、写真家ハービー・山口の作品展示、樹齢180年の梅の古木がある庭園を併設しています。蔵内部そのものの見学は受け付けていません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

j-s-p.or.jp / hananoka.co.jp / kumamoto-sake.com / sakedata.jp / value-press.com / sakenomy.jp / hasegawasaketen.com / discoverjapan-web.com / note.com / goetheweb.jp / sake-wadaya.com / kumamoto.guide / tanoshiiosake.jp

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