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河津酒造

代表銘柄:小国蔵 一本〆・七歩蛇

熊本県

KUMAMOTO

1932年創業

河津酒造の建物
河津酒造の建物(2024年撮影)「Kawazu Sake Brewing Company ac.jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

熊本県阿蘇郡小国町に所在する河津酒造は、約150年前に生まれた酒蔵を譲り受けて1932年(昭和7年)に創業した蔵元です。涌蓋山(わいたさん)の裾野から湧き出る清冽な湧水と地元産の米、熊本酵母を用い、手仕込みならではの繊細な酒造りを行っています。槽搾りや袋搾りといった伝統的な製法を守りつつ、データ管理を取り入れた丁寧な仕込みを実施しています。地元の契約農家とともに生産・栽培した米を用いた「純米吟醸 小国蔵一本〆」や、蔵の技術を結集させた代表銘柄「七歩蛇」、甘口でキレの良い「花雪」などを手掛けています。

2019年春季の全国酒類コンクールでの最優秀酒蔵賞受賞をはじめ、インターナショナル酒チャレンジ、フェミナリーズ世界ワインコンクール、ミラノ酒チャレンジなど国内外のコンクールで数々の賞を受賞しています。

河津酒造の歩み

熊本県阿蘇郡小国町に本社を置く河津酒造は、涌蓋山(わいたさん)の裾野に広がるこの土地で、昭和7年(1932年)に創業しました。初代の河津泰雄が、約150年前に生まれていた酒蔵を事業承継の形で譲り受け、その酒蔵をもとに河津酒造合名会社として酒造りを始めたのがはじまりです。

高度経済成長期からバブル期にかけての最盛期に比べると、清酒消費の低迷などを背景に、生産量は最盛期の10分の1程度にまで縮小した時期がありました。当時の社名である河津酒造合名会社としては、平成18酒造年度の全国新酒鑑評会で「蓬莱」が入賞しています。

転機となったのは2011年です。東京のIT企業に勤めていた3代目の河津宏昭が、東日本大震災をきっかけに家族とともに帰郷し、先代から経営を引き継いで社長に就任しました。当時の蔵には特徴と呼べる酒がなく、社員同士の間にも軋轢を抱えていたため、河津は蔵の清掃から着手し、就業規則や人事制度、経営理念をあらためて作り直しました。効率だけを追い求めず、槽(ふね)搾りや袋搾りといった手間のかかる製法を守りながら、数値によるデータ管理も取り入れる、という現在に続く方針はこの改革の中で形づくられました。

この立て直しを経て、生産量はおよそ200石だった状態から、400石から500石程度まで増やしました。2019年春季の全国酒類コンクールでは蔵全体として最優秀酒蔵賞を受賞したほか、2024年のMILANO SAKE CHALLENGEでは純米大吟醸「花雪」がDouble Gold、純米吟醸「花雪」とスパークリング仕様の花雪がそれぞれPlattinumを受賞するなど、蔵の中でもとりわけ「花雪」の受賞歴が豊富です。

2026年の第20回フェミナリーズ世界ワインコンクールでは純米吟醸「紫乃茘枝」が金賞を受けており、受賞は現在も続いています。現在は、小国町の「道の駅「小国」ゆうステーション」の敷地内にある直売店「蔵元地酒屋」や、道の駅から徒歩約5分の蔵に併設する直売店、公式サイトのオンラインショップを通じて酒を届けるとともに、要予約で酒蔵見学も受け入れています。

酒造りの特徴

仕込みに使う水は、涌蓋山の裾野から湧き出す筑後川源流の天然湧水です。仕込み水や米を洗う水だけでなく、醸造機器の洗浄水や飲み水まで、すべてこの湧水でまかなっています。水温は年間を通じて12度前後で安定しており、酒造りの前には成分分析を行った上で使用しています。

使用する米は全量国産で、産地と生産者が明確なものを選んでいます。純米吟醸「小国蔵一本〆」には、平成20年(2008年)から地元の契約農家とともに栽培している、新潟県で開発された酒米「一本〆」を全量かけ干しで仕上げたものだけを使用しています。酵母には熊本県が開発した熊本酵母を用いており、これを軸に複数の酵母をブレンドする技術開発にも取り組んでいます。山田錦と熊本酵母で仕込む甘口の銘柄「花雪」は、日本酒度マイナス20度という数値を実現しており、蔵の中でもとりわけ受賞歴の多い看板商品です。

酒造りにおいては、杜氏の経験や勘だけに頼るのではなく、数値によるデータ管理も取り入れた丁寧な仕込みを心がけています。搾りの工程では、効率を求めるなら自動圧搾機を使う選択肢もある中、あえて昔ながらの槽(ふね)搾りや袋搾りを続けています。手間のかかる製法であっても、出来上がる酒の味わいを優先する姿勢がここに表れています。

酒造りで培った技術は、日本酒や焼酎、梅酒といった酒類だけでなく、無添加石鹸や化粧品の製造にも生かされています。

代表銘柄

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小国蔵 一本〆

平成20年(2008年)から地元の契約農家とともに栽培している、新潟県で開発された酒米「一本〆」を全量かけ干しで仕上げ、その米だけを使った純米吟醸酒です。熊本酵母による上品な香りが持ち味で、地酒らしい地酒をめざしています。2018年秋季の全国酒類コンクール純米吟醸部門では第1位、2019年春季の同部門でも第一位を受賞しており、2013年秋季・2015年秋季の第2位、2014年の第1特賞と合わせて上位入賞を重ねている看板銘柄です。

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七歩蛇

河津酒造の醸造技術を結集してつくられた代表銘柄で、香り高く繊細でありながら力強さも併せ持つ味わいが特徴です。純米大吟醸と純米吟醸の両方が仕込まれています。2018年秋季の全国酒類コンクール純米大吟醸部門で第1位を受賞したのをはじめ、2020年の同コンクールでは純米大吟醸が「第一位最高賞」を、2024年には第18回フェミナリーズ世界ワインコンクールで純米吟醸が金賞を受けています。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
小国町の「道の駅「小国」ゆうステーション」の敷地内にある直売店「蔵元地酒屋」、道の駅から徒歩約5分の蔵に併設する直売店、公式サイトのオンラインショップで購入できます。
補足
蔵に併設する直売店の営業時間は8時30分から17時30分まで、定休日は土曜・日曜です。蔵見学は要予約です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
熊本県阿蘇郡小国町宮原1734-2
創業
1932年
公式サイト
kawazu-syuzou.com

出典

kumamoto-sake.com / kensanshu.com / kawazu-syuzou.com / ogunitown.info / kumamoto-sake-magazine.jp / feminalise-japon.com / securite.jp

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