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山田商店

代表銘柄:玉柏・二百八十八夜

岐阜県

GIFU

1868年創業

合資会社山田商店(蔵元やまだ)は、岐阜県加茂郡八百津町に位置する明治元年(1868年)創業の酒蔵です。蔵が佇む場所はかつて「玉の井戸」が湧き出ていたことから旧名で「玉井」と呼ばれており、堀井戸から汲み上げる清冽でまろやかな軟水を仕込み水に使用しています。創業以来「喉ごしが良く、飲み飽きしない、長く付き合える酒」を理想に掲げ、冬季の全量手造りを中心とした酒造りを続けています。自社精米によって地元・岐阜県の酒米「ひだほまれ」をはじめとする米の特長を引き出し、五感を研ぎ澄ませた伝統技法で丁寧に醸されています。

代表銘柄には「玉柏」があり、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2023」にて「純米大吟醸 玉柏」が最高賞の「プレジデント賞」を受賞したほか、全国新酒鑑評会でも金賞を受賞するなど国内外で高い評価を獲得しています。

山田商店の歩み

山田商店は、現在の岐阜県加茂郡八百津町にあたる地で明治元年(1868年)に創業した蔵元です。法人名は合資会社山田商店で、蔵と直営店の呼び名は「蔵元やまだ」といいます。八百津は木曽川の舟運で栄えた湊町で、蔵のある一帯は旧名を「玉井」といい、これは「玉の井戸」からつけられた地名です。創業以来、「喉ごしが良く、飲み飽きのしない酒、甘い辛い、端麗濃醇ということに関係なく、とにかく長く付き合える酒」を理想に酒を醸し続けています。主銘柄は「玉柏」で、直営の店舗は明治の建物を改装したものです。

酒造りを率いる杜氏は、2026年時点で岐阜県多治見市出身の宇野雅紀さんです。宇野さんは別の蔵で経験を積んだのち、平成11年(1999年)9月に蔵元やまだへ移り、越後杜氏の高倉一郎さんのもとで、緻密で丁寧、基本に忠実な酒造りを学んで、のちに杜氏を継ぎました。高倉杜氏は杜氏歴が昭和38年に始まり、新潟で酒米の五百万石を自ら育てながら酒造りに携わる杜氏でした。その教えは、純米吟醸「二百八十八夜」に受け継がれています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても17回入賞し、うち金賞は7回です。金賞は平成17・18・19酒造年度の3年連続と、平成23・30、令和3・6酒造年度で、令和3酒造年度は岐阜県で唯一の金賞でした。平成30酒造年度以降は純米酒として出品しています。名古屋国税局酒類鑑評会では、第50回(平成14年)から第74回(令和7年度)まで25回続けて受賞し、第53回(平成17年)以降は優等賞です。蔵の発表では、国税局鑑評会の受賞は第45回(平成9年)までさかのぼります。

岐阜県新酒鑑評会では、蔵の発表によると、県1位の知事賞を2004年から2016年にかけて吟醸の部と純米系の部で6回受けています。純米吟醸の部では平成29年から令和元年まで3年連続で県2位の県議会議長賞を受け、連合会長賞は2020年から2025年まで続いています。2016年の全国燗酒コンテストでは、お値打ち熱燗部門で本醸造玉柏が金賞だったと蔵は発表しています。

海外では、フランスの日本酒コンクールKura Masterで、純米大吟醸の「玉柏」が第1回の2017年から2019年まで3年連続でプラチナ賞を受賞しました。2019年は上位14銘柄に選ばれ、その縁でフランスのトップソムリエ6名が八百津町の蔵を訪れ、専務の山田一光さんは「機械に頼らず、手づくりにこだわっています」と説明しました。2023年にはプレジデント賞と純米大吟醸酒部門の審査員賞、2025年にもプラチナ賞を受賞しています。

イギリスのIWCでは、蔵の発表によると、純米大吟醸部門で2020年・2022年・2025年にシルバー、2023年にブロンズを受賞しています。

酒造りの特徴

仕込み水には、堀井戸から汲み上げる清冽な軟水を使い、まろやかで優しい口当たりをもたらします。造りは冬季の短い期間に行い、創業以来、全量手造りを貫いています。数値化されたデータだけに頼らず、精米途中の米や糠の状態を見て、その年に仕入れる米によって米洗いの吸水歩合や蒸米の状態を判断するなど、長年の経験と感覚を頼りに人の手で模索する造りです。2005年時点では、人の手が掛けられる仕込み量の限界を1トンまでと考え、小仕込みにこだわっていました。

精米は社外に委託せず、自社の精米機で行い、銘柄によって精米歩合を変えて丁寧に磨きます。米が割れないよう丁寧に、品温を上げず、粒を揃えて磨くことが大切だと考えています。岐阜県の酒造好適米「ひだほまれ」を多くの銘柄に使い、純米の玉柏は55%まで自社精米します。最高峰の純米大吟醸玉柏は兵庫県産山田錦の特等米を35%まで磨き、純米吟醸の二百八十八夜は新潟産の五百万石を50%まで磨きます。

麹菌がつくる酵素は麹の環境によって大きく変わるため、麹造りには昼夜を問わず手をかけます。2005年時点では、蒸米の2割で麹を造り、30度の麹室で2〜3日かけていました。吟醸の搾りは、もろみを入れた搾り袋を吊り下げ、無圧で自然に垂れるのを待つ方法で、袋の香りがつかないよう何度も洗ってアルコールに浸けたものを使い、雫が空気に触れる時間をできるだけ短くします。搾ったものをそのまま詰める「しぼりたて原酒」もあり、2025BYの新米新酒では仕込み1号を搾ってそのまま瓶詰めしました。

岐阜県の素材や酵母を生かす試みもあります。アウトドア専用酒「玉柏 Outus(アウタス)」はクラウドファンディングで生まれ、米は「ひだほまれ」、酵母は岐阜県開発の「G2酵母」、仕込み水は蔵の水と、すべて岐阜県のもので仕込みます。2018年にKura Masterで金賞を受けた純米酒「開」は、岐阜県で開発した酵母を使い、従来の日本酒とは違う新しい味わいの提案として造られた酒でした。

代表銘柄

玉柏

蔵の主銘柄で、同じ名を冠して純米大吟醸、純米、本醸造、澄酒などを造り分けています。最高峰の純米大吟醸は兵庫県産山田錦の特等米を35%まで自社精米し、Kura Masterの2023年プレジデント賞や全国新酒鑑評会の金賞に輝きました。純米は岐阜県産のひだほまれを55%まで磨き、角の取れたまろやかな味わいと、すっきりした酸味が調和した食中向きの一本です。

二百八十八夜

新潟産の五百万石を50%まで磨いた純米吟醸酒です。平成11年に前杜氏の高倉一郎さんが米作りから酒造りまで延べ288日をかけて醸したことが名の由来で、その教えを受け継ぐ宇野雅紀杜氏が今も醸しています。端麗ですっきりした飲み口の中に、米の味わいがゆっくり広がる酒質で、2018年のKura Masterでは純米大吟醸&純米吟醸酒部門でプラチナ賞を受けました。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵直営の店舗「蔵元やまだ」(八百津町八百津3888-2)で、試飲ができます。営業時間は9時から18時で、不定休です。駐車場は近隣の共同駐車場を利用します。
補足
蔵見学と蔵開きはありません。蔵は八百津町の商店街の中にあり、東海環状自動車道の可児御嵩ICから県道83号線のやおつトンネル経由で約15分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岐阜県加茂郡八百津町八百津3888-2
創業
1868年
公式サイト
www.kura-yamada.com

出典

sakenomy.jp / kankou-gifu.jp / thebase.in / japansake.or.jp / sakagura-press.com / gifu-u.ac.jp / kura-yamada.com / yamadashoten.thebase.in / nrib.go.jp / nta.go.jp / warp.ndl.go.jp / kuramaster.com / kankou.yaotsu.jp / town.yaotsu.lg.jp

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