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岩村醸造

代表銘柄:女城主・幻の城・ゑなのほまれ

岐阜県

GIFU

1787年創業

岩村醸造の建物
岩村醸造の建物(2021年撮影)「Iwamura Sake Brewery 2021-01 ac.jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1787年(天明7年)に岐阜県恵那市岩村町で創業した酒蔵で、創業家の渡會家が年貢として岩村城に納めていた米を生かして酒造りを始めたことを起源とします。代表銘柄「女城主」は、1985年の岩村城築城800年記念として誕生しました。信条として「玲瓏馥郁(透き通るように美しく輝き、良い香りが漂う)」を掲げています。原料米には主に岐阜県産の「ひだほまれ」などを用い、蔵全体の平均精米歩合は52%です。仕込み水には水道水を一切使用せず、蔵内にある約400年前に掘られた井戸から湧き出る木曽川水系の軟水天然水を使用しています。

受賞歴としては、全国新酒鑑評会で金賞を5回(平成15・20・21・22・26酒造年度)受けたほか、フランスの日本酒コンテスト「Kura Master」で2021年に純米大吟醸酒部門のプラチナ賞、2017年・2018年・2020年・2022年に同部門の金賞を受けています。蔵の発表では、2023年の岐阜県新酒鑑評会で「女城主 特別純米酒」が純米酒部門第1位の県知事賞を受けたとしています。

岩村醸造の歩み

岩村醸造は、岐阜県恵那市岩村町にある1787年(天明7年)創業の酒蔵です。蔵によると、現在の蔵元である渡會(わたらい)家が、年貢として岩村城に納めていた米を生かして造り酒屋を始めたのが起源です。岩村は木曽山脈の山懐に抱かれた古い城下町で、日本三大山城のひとつに数えられる岩村城のふもとに、東西約1.3kmにわたって江戸時代からの町並みが続き、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。蔵はその一角にあり、築300年ほどという江戸時代の家屋が往時の姿のまま残っています。

1921年(大正10年)10月15日に株式会社として設立されました。岩村町で2番目となる株式法人で、設立と同時に、お酒のほかに味噌と醤油も造り始めています。社名が「酒造」ではなく「醸造」となっているのはそのためで、その後は味噌・醤油の製造をやめ、酒造りに専念して現在に至ります。酒蔵には創業家の名字を冠することが多いなか、あえて蔵のある町名を掲げたのは、この土地で酒を造る意義を常に意識し、真の意味での地酒づくりを目指すからだと蔵は語っています。

代表銘柄「女城主」は、岩村城築城800年を記念して1985年に誕生しました。岩村城は鎌倉時代の1185年に築かれた山城で、戦国時代の1571年からは、織田信長の叔母で絶世の美女と語り継がれる「おつやの方」が、日本でも珍しい女性の城主として城下を治めました。その物語への敬意から名づけられた銘柄で、ラベルにはおつやの方の肖像があしらわれています。現在の当主は7代目の渡會充晃さんです。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に13回入賞しており、うち金賞は平成15・20・21・22・26酒造年度の5回です。平成20酒造年度から22酒造年度までは3年連続で金賞を受賞しました。名古屋国税局酒類鑑評会では、第50回と第51回(平成14年・15年)に吟醸酒の部と純米酒の部の両方で、第52回(平成16年)に純米酒の部で入賞し、第53回(平成17年)と第54回(平成18年)には純米酒の部で首位賞、吟醸酒の部で優等賞を受けています。

その後も、第55回(平成19年)の吟醸酒の部、平成21年度から23年度(第58回から第60回)の吟醸酒の部、平成25年度(第62回)の純米酒の部、平成27年度(第64回)の吟醸酒の部で優等賞に選ばれました。海外では、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」で、2021年に純米大吟醸酒部門でプラチナ賞を受けたほか、同部門で2017年・2018年・2020年・2022年に金賞を受賞し、2022年には古酒部門でも金賞を受けています。

国内では、蔵の発表によると、2023年の岐阜県新酒鑑評会で「女城主 特別純米酒」が純米酒部門第1位の県知事賞を受けました。

近年は新しい取り組みも続いています。2025年には、岐阜県で42年ぶりに誕生した新品種の酒米「酔むすび」を45%まで精米し、24号酵母で仕込んだ純米大吟醸を発売し、この酒は2025年のTokyo酒チャレンジで金賞を受賞しました。2026年2月には、岐阜県瑞浪市のカマドブリュワリーの協力で、その酒粕を使ったクラフトビール「吟醸ラヴァーズ」が店頭限定で登場しています。2025年の世界ラリー選手権ラリージャパンでも、大会本部から表彰台で使うスパークリング酒の注文を受けました。

2026年には、新年を祝う「新酒まつり」を初めて開催しています。

酒造りの特徴

仕込み水には水道水を一切使わず、約400年前に掘られた井戸から汲み上げる木曽川水系の天然水だけを用います。日本酒造りに適した軟水で、カルシウムやマグネシウムなど酵母の栄養になる成分が少なく、発酵がゆっくり進むため、なめらかな口当たりの酒になると蔵は説明しています。岩村は水に恵まれた土地で、岩盤になった地下層には清冽な水が絶え間なく流れており、仕込みの時期に井戸水が空になっても、3時間もすれば元の量に戻るといいます。

原料米は、主に地元・岐阜産の酒造好適米「ひだほまれ」を使い、大吟醸には兵庫県産の「山田錦」を用います。地元の米を使うのは、原料米を育てるものと同じ水質の天然水で仕込むことで、米と水の相性を大切にしているからです。精米歩合は平均して52%です。酒造りは、南部杜氏の技術を受け継ぐ地元の杜氏が手作業で担い、南部流の麹づくりでやさしい味わいを生み出しています。創業以来の信条は「玲瓏馥郁」で、透き通るように美しく輝き、良い香りが漂う酒を指します。

岩村は積雪量こそ少ないものの、1月から2月は氷点下15度を下回る日が何日も続き、井戸水から湯気が立ち昇るほどの寒さになります。夏でも酒蔵の温度は20度以下で、吟醸酒の貯蔵に適した環境です。蔵は間口が狭く奥行きの深いうなぎの寝床の造りで、店先から中庭を抜けて蔵まで約100mにわたって2本のレールが走っています。かつて酒や米の運搬に使われたトロッコの線路跡で、当主の渡會さんが子どものころまで使われていたといいます。

商品は大きく3つの銘柄に分かれます。「女城主」は蔵の基本となる銘柄、「幻の城」は山田錦を使った大吟醸クラスの銘柄、「ゑなのほまれ」は創業当時からのブランドで甘味を重視した酒です。ほかに、女城主ブランドの純米あま酒、梅酒、柚子酒、カップ柚子酒といったリキュールやあま酒もあります。

代表銘柄

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女城主

蔵の代表銘柄で、岩村城築城800年を記念して1985年に誕生しました。戦国時代に城下を治めた女性城主、おつやの方にちなんで名づけられ、ラベルにはその肖像があしらわれています。純米酒は優しく柔らかい味わいで、辛口純米酒は日本酒度を+13まで切らせた造りです。大吟醸などの上位酒も揃います。

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幻の城

大吟醸クラスの銘柄で、兵庫県産の山田錦を使い、日本酒の極限の味を追求するブランドです。大吟醸の雫酒(生酒)は山田錦を35%まで磨き、酒袋から一滴ずつ落ちる雫を集めています。特別大吟醸「希庵」は、斗瓶で雫採りした大吟醸を氷点下で1年貯蔵した酒です。大吟醸は華やかな香りと透明感のある後味が特徴で、イチゴやメロンと合わせると相性がよいとされます。

ゑなのほまれ

創業当時からのブランドで、日本酒の味わいの要素のなかでも甘味を重視し、その表現を追求しています。特別本醸造のひや原酒は、冬季限定のしぼりたて原酒を熱処理して通年商品にしたもので、甘くまろやかな味わいです。後味のキレがよく、根強いファンが多い酒です。本醸造Lightは、軽やかさを追求した造りです。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
岐阜県恵那市岩村町342の本店に直売スペースがあり、ほとんどのお酒を店頭で試飲できます。
補足
営業時間は9時から19時で、元日が休みです。予約なしでも店先から中庭までレールに沿って無料で見学でき、店頭では試飲もできます。蔵の中まで案内する見学は有料の予約制で、2026年時点では1人3,000円、前日までの予約が必要です。10月から3月の酒造期は蔵に入れないことがあります。冬には蔵開きが開かれます。アクセスは、明知鉄道の岩村駅から徒歩約15分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岐阜県恵那市岩村町342番地
創業
1787年
公式サイト
www.torokko.co.jp

出典

jafnavi.jp / torokko.co.jp / tabetoru.com / ana.co.jp / asahi.co.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / kankou-gifu.jp / gifuproduct.jp

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