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日本泉酒造

代表銘柄:日本泉・織田信長・濃姫

岐阜県

GIFU

1877年創業

日本泉酒造の本社ビル
日本泉酒造の本社ビル(2012年撮影)「Nihonizumi Shuzo 01.JPG」 — 写真:Opqr / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

江戸時代末期に創業し、1877年(明治10年)に現在地の岐阜市加納清水町へ移転した酒蔵です。JR岐阜駅南口から徒歩1分の場所に位置し、2002年(平成14年)の駅前再開発以降はビルの地下に酒蔵を設けている点が全国的にも大きな特徴となっています。地下の安定した室温と最先端の温度管理設備を生かし、年間を通じて日本酒を造る「四季醸造」を行っており、年間を通して搾りたてのフレッシュな生酒を出荷しています。仕込み水には名水百選の一つである清流長良川の伏流水を使用。

小規模なタンクによる丁寧な仕込みを行い、生酒「ふなくちとり」は濾過も火入れもせずに瓶詰めしています。また、もろみを搾る上槽の工程では昔ながらの「木槽(きふね)」を用い、時間をかけてじっくりと搾ることで雑味の少ないまろやかな味わいに仕上げています。代表銘柄には蔵名を冠した「日本泉」(生酒の「ふなくちとり」シリーズが中心)のほか、岐阜ゆかりの武将名を冠した「織田信長」「濃姫」「豊臣秀吉」などがあります。

日本泉酒造の歩み

日本泉酒造は、江戸時代末期に美濃国厚見郡茶屋新田(現在の岐阜市茶屋新田にあたる地)で創業した酒蔵です。1877年(明治10年)に現在地の岐阜市加納清水町へ移りました。社名の「日本泉」は、名水百選にも選ばれた清流長良川の伏流水の中でも、とりわけこの清水町の水で醸せば日本に誇れる酒ができるとの確信から、創業者が名付けたものです。

1945年(昭和20年)の岐阜空襲で蔵は全焼しました。戦後の1948年(昭和23年)に日本泉酒造株式会社を設立し、1950年(昭和25年)には新工場を設けています。

転機となったのは、2002年(平成14年)のJR岐阜駅前の都市再開発です。蔵は移転を迫られましたが、酒の味の決め手である長良川の伏流水を手放したくないとの思いから、同じ加納清水町に建つビルの地下に新社屋と酒蔵を構えて再出発しました。蔵のスペースは約100坪に縮小しましたが、地下の気温が安定している点を生かして四季醸造に踏み出し、毎月新酒が生まれる蔵へと姿を変えました。蔵はJR岐阜駅の南口から徒歩1分の場所にあります。

2021年時点で、製造を武山孝広氏、販売を武山昌平氏が受け持ち、兄弟で蔵を引き継いでいます。2020年時点では杜氏を置かず、この兄弟が製造の中心を担っていました。岐阜にゆかりのある織田信長・濃姫・豊臣秀吉の名を冠した武将シリーズも造っています。純米吟醸の「豊臣秀吉」は、創業地の茶屋新田が秀吉の一夜城の地に近いことにちなみ、蔵が「強運の酒」と位置づけている銘柄です。

受賞では、平成29酒造年度の全国新酒鑑評会で「日本泉」が入賞しました。名古屋国税局酒類鑑評会では、平成18年(2006年)の第54回で純米酒の部の優等賞に「日本泉純米酒」が選ばれ、平成22年(2010年)の第59回では純米酒の部の優等賞に「豊臣秀吉」、本醸造酒の部の優等賞に「織田信長」が選ばれています。岐阜県新酒鑑評会では、平成22酒造年度の第18回で純米酒の部の連合会長賞に「濃姫」が選ばれました。

第28回・第29回・第31回・第32回には吟醸酒の部の連合会長賞に「織田信長」が入り、第33回には純米吟醸酒・吟醸酒の部の岐阜大学長賞を受けています。

酒造りの特徴

日本泉酒造の最大の特徴は、JR岐阜駅前のビルの地下に酒蔵があることです。日本酒は通常、冬に1年分をまとめて仕込みますが、地下は年間を通じて気温が安定しているため、さらに発酵タンクの周囲に冷却水を流して温度ともろみを細かく管理することで、四季醸造を行っています。小さめのタンクで低温長期発酵させ、毎月新酒が搾られるので、蔵でしか飲めないような搾りたての生酒を一年中つくれます。仕込み水は、名水百選に選ばれた長良川(中流域)の伏流水です。

もろみを搾る上槽には、多くの蔵で機械化されている工程を、昔ながらの木槽(きふね)で行っています。圧力と時間をかけてじっくり搾り、搾り切るのに3日かかることもあります。効率よりも品質を第一にする考えで、雑味の少ないまろやかな酒に仕上げています。搾られたばかりの酒が流れ出る槽口(ふなくち)が、生酒の「ふなくちとり」シリーズの名の由来です。

一般的な日本酒は、搾ったあとに炭素濾過をして、貯蔵の前後で2回の火入れを行います。日本泉酒造は、現在の食事や酒を飲む場面を考えて、濾過も火入れもしない無濾過生原酒の「ふなくちとり」を商品にしました。一方、純米吟醸の「豊臣秀吉」は、炭素濾過を控えめにして酒本来の旨みを残した酒です。麹づくりやもろみの管理には手間をかけ、「ハンドメイド・イズ・ベスト」を掲げています。

酒米では、織田信長の大吟醸(35%精白)や純米大吟醸(50%精白)、濃姫の純米大吟醸(40%精白)に山田錦を使っています。2020年時点では、岐阜県産の酒米(一部は兵庫県産・愛知県産)と、岐阜県の研究機関が開発した「G2酵母」を使っていました。

代表銘柄

日本泉

蔵の名を冠した主銘柄で、生酒の「ふなくちとり」シリーズがその中心です。純米吟醸の無濾過生原酒は、長良川の伏流水で低温仕込みしたもろみを木槽でゆっくり搾り、そのまま瓶に詰めています。山田錦を使った純米大吟醸(50%・40%精白)や大吟醸(35%精白)の「ふなくちとり」もあります。ワイングラスで香りを楽しむのがおすすめで、白身魚のカルパッチョやチーズとも合わせられます。

織田信長

武将シリーズの銘柄で、大吟醸は山田錦を35%まで精白し、もろみを通常より低温で長時間発酵させた酒です。洗練されたすっきりとした辛口で、華やかな吟醸香があります。山田錦50%精白の純米大吟醸、大吟醸をブレンドした特別本醸造などもあり、岐阜県新酒鑑評会では第28回・第29回・第31回・第32回に吟醸酒の部の連合会長賞に選ばれ、第33回には岐阜大学長賞を受けています。

濃姫

織田信長の正妻にちなむ銘柄で、織田信長と対になる銘柄です。カップ酒は信長と並べて陳列すると、二人が向かい合うデザインになっています。純米大吟醸は山田錦を40%まで精白し、もろみを低温で長時間発酵させた酒で、純米酒ならではのふくらみがあり、柔らかく上品な味わいです。大吟醸をブレンドした特別本醸造は、ソフトでまろやかな口当たりです。平成22酒造年度の岐阜県新酒鑑評会では、純米酒の部の連合会長賞に選ばれました。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵のオンラインショップで購入できます。
補足
酒蔵見学は電話での予約制で、月曜から金曜の午前9時30分から午後4時まで受け付けています。土日祝日と年末年始などの休業日は除きます。所要時間は約30分で、見学料は2026年8月時点で1人税込3,000円です。酒造りの説明と蔵内の見学のあと、全種類の生酒を1人1杯ずつ試飲でき、酒粕のおみやげが付きます。ビルの地下という性質上、作業状況や人数によっては受けられないことがあります。JR岐阜駅南口から徒歩1分で、蔵の前に駐車スペースがあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岐阜県岐阜市加納清水町3-8-2
創業
1877年
公式サイト
www.nihonizumi.co.jp

出典

sakenomy.jp / nihonizumi.co.jp / gifu.fun / tarutsuna.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / gifu-sake.or.jp / intojapanwaraku.com / gifusake.fun / houjin-bangou.nta.go.jp

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