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光栄菊酒造

代表銘柄:光栄菊

佐賀県

SAGA

2019年創業

光栄菊酒造の洗い場・釜場
光栄菊酒造の洗い場・釜場(2025年撮影)「光栄菊酒造洗い場及び釜場.jpg」 — 写真:ハポニアラ / CC BY 4.0縮小・WebP変換

佐賀県小城市に位置する光栄菊酒造は、1871年に現在の佐賀市富士町で創業し、1952年に小城市三日月町の現在地へ移った旧蔵が2006年に廃業した後、元テレビ番組制作に携わっていた日下智氏や田下裕也氏、杜氏の山本克明氏らが2018年12月に新会社を設立し、2019年12月の初出荷で約13年ぶりに復活を遂げた酒蔵です。「これまでにない心躍る日本酒を造る」という理念のもと、酒造りに取り組んでいます。

代表銘柄「光栄菊」は、旨味・甘味・酸味をバランスよく表現しつつ、しっかりとした米の旨味と爽やかな酸味があり、後味がスッと切れる味わいが特徴です。生酒は開栓直後のガス感を伴うフレッシュな味わいから時間経過による丸みへの変化を楽しめます。また、火入れ酒では瓶燗後に氷水で急冷する工程を取り入れるなど、本来の味わいを残しながらすっきりとした酒質に仕上げています。

光栄菊酒造の歩み

光栄菊酒造は、佐賀県小城市三日月町織島にある清酒蔵です。前身にあたる旧・光栄菊酒造は1871年(明治4年)に現在の佐賀市富士町で創業しました。北山ダムの建設に伴い、1952年に現在の場所にあった酒蔵を買い取って移り、酒造りを続けました。しかし需要の低迷などから酒造りをやめ、2006年に廃業しました。5代続いた創業家は、その後も建物の一部で漬物の製造を始め、蔵を維持していました。

いまの光栄菊酒造を興したのは、NHKの番組制作で出会った日下智氏と田下裕也氏です。日下氏は外部ディレクターとして、田下氏はNHK職員として、2011年に同じ職場で働き始めました。2013年春に日本酒をテーマにした番組を作ったことをきっかけに酒造りへの関心が高まり、日下氏は2016年秋から長野県の酒蔵で蔵人として修行しました。そこで出会ったのが、愛知県の藤市酒造が醸す「菊鷹」です。この酒を醸していた杜氏の山本克明氏と一緒に酒造りをしたいと考え、2017年5月に初めて対面して協力を頼み、山本氏も快諾しました。

清酒の製造免許を新たに取得するのは難しいため、3人は廃業や休眠中の酒蔵を探しました。2018年6月、20年ほど前に酒造りをやめた旧・光栄菊酒造の蔵が使われずに残っているという情報が入ります。蔵は明治初期に建てられ、増改築を経て昭和初期に完成した木造二階建てで、改修すれば使えると分かりました。土地と建物は創業家から譲り受け、酒造免許は別の酒蔵から譲渡を受けました。会社の設立は2018年12月で、2019年2月に蔵の工事が始まりました。屋根をすべて張り替え、貯蔵タンクや搾り機を一から揃え、冷蔵施設も新設しています。

山本氏は藤市酒造を離れ、光栄菊酒造に完全に移りました。

2019年8月末に九州北部を襲った豪雨で、改修を終えたばかりの麹室が浸水し、工事のやり直しを迫られました。初めて使う水、米、設備のため本来は試験醸造を重ねる予定でしたが、その余裕がないまま仕込みに入っています。それでも2019年12月に最初の酒が出荷され、短期間で売り切れました。同年の製造目標は一升瓶換算で約4,600本でした。銘柄名には、地元で長く親しまれてきた「光栄菊」をそのまま受け継ぎました。

同じ場所で造る以上、復活のイメージが強く、地域で愛された酒をもう一度飲んでもらうのが自然だと考えたためで、山本氏が直前まで造っていた「菊鷹」と「菊」でつながることも理由のひとつでした。

2022年には、赤レンガ造りの煙突や本蔵、通り蔵など6件が佐賀県遺産に認定され、認定証の授与式が行われました。田下取締役は3年かけて酒蔵としての役割を果たせるようになったと述べ、酒造りをさらに進化させたいと話しています。受賞では、2026年のインターナショナルワインチャレンジ(IWC)SAKE部門の純米酒の部で「光栄菊 月光」が金メダルを獲得し、純米大吟醸酒の部では「甕月 亀の尾」、純米酒の部では「Hello! Koueigiku」が大会推奨酒に選ばれました。

2025年のIWC SAKE部門の純米酒の部で「甕月 亀の尾」と「Sukai 清海」が銀メダルを獲得し、純米吟醸酒の部では「Hello! Koueigiku 雄町」が大会推奨酒に選ばれました。2026年のSAKE COMPETITIONでは、純米酒部門(出品294点)で「Sukai 清海 特別純米」がブロンズを受賞しています。

酒造りの特徴

「これまでにない心躍る日本酒を造る」という理念のもとで酒造りに励んでいます。2024年には、経営理念として「心躍る酒を世に出し続ける」ことと、「清酒製造業が世界に誇れる産業として認められるよう、業界の手本となる蔵になる」ことの二つを掲げていました。酒造りを担う杜氏は、山本克明氏です。大学卒業後に滋賀県の酒蔵で2年間修業し、その後は大阪の酒蔵に移りました。滋賀では能登杜氏、大阪では南部杜氏のもとで学んでいます。2004年には責任仕込みの「山本スペシャル」を出し、2012年に藤市酒造の杜氏となって「菊鷹」を醸しました。

目指す酒質は「酸と旨味があって、最後に口の中ですっと切れる食事に合わせる酒」で、旨味、甘味、酸味をバランスよく表現することを心がけています。

商品の多くは無濾過生原酒で、天然の乳酸菌を使った酒や樽熟成酒にも取り組んでいます。生酒は開栓直後のガス感を伴うフレッシュな味わいから、時間とともに味が乗って丸みを帯びていく変化を楽しめます。火入れ酒は、瓶燗のあとに氷水で急冷するという、出品酒並みの工程で仕上げています。2026年2月の時点で新たな定番だった「Sukai 清海 特別純米 火入」の火入れを効率化するために瓶燗機を導入しましたが、さらに速く冷やすため、急冷は人の手で補っていました。生酒の充填はマイナス5度の低温で行っています。

酒米は商品ごとに使い分けています。愛山、雄町、亀の尾、神力、さがびより、東条山田錦などがあり、同じ商品名でも酒米を変えて出すことがあります。米づくりにも取り組み、2025年には3枚の田んぼを自社で管理しました。水が豊富で暗渠排水が整った地域で、2026年2月の時点では蔵の目の前の田んぼをさらに借りる計画も進んでいました。さがの華は杉のようなグリーン香を生む米で、春陽の独特の香りは、酵母のアミノ酸不足とする説があるものの原因がまだ確定しておらず、蔵はその理由に関心を寄せています。

麹室は「床」と「盛」の2部屋で、間に空間を設けて湿度と温度を調整しやすくしています。麹を枯らす場所は別室です。仕込みは前半と後半に分かれ、正月は完全に止めます。樽熟成の酒は、2026年2月の時点で約10樽を使って可能性を探っています。販売は全国の特約店を通じて行っています。

代表銘柄

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光栄菊

旧蔵の銘柄を受け継いだ蔵の看板で、山本杜氏が得意とする、酸と旨味があって最後にすっと切れる食事向きの酒質が基本です。天然乳酸菌仕込みの「月光」「幾望」、新たな定番の特別純米火入「Sukai 清海」など商品は多彩で、無濾過生原酒が中心です。アルコール分をやや低めに設計した商品が多いのも特徴で、酒米を変えて出す商品もあります。

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見学・購入

蔵見学
なし
直売所
全国の特約店を通じて販売しています。
補足
蔵見学は実施していません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
佐賀県小城市三日月町織島2602-3
創業
2019年

出典

japansake.or.jp / sagasake.or.jp / sakenomy.jp / imadeya.co.jp / kyoto-nishimurasaketen.com / jp.sake-times.com / saga-s.co.jp / kotobank.jp / saketime.jp / kimijimaya.co.jp / kago-ya.net / hasegawasaketen.com / sakecompetition.com / sakesamurai.jp / yakuzen-nihonshu.com

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