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杉の森酒造

代表銘柄:narai

長野県

NAGANO

1793年創業

長野県塩尻市・奈良井宿に位置する1793年(寛政5年)創業の酒蔵です。かつて「木曽五大名酒」として親しまれましたが、2012年に休眠に入りました。その後、2021年に「suginomori brewery」として再生を果たし、代表銘柄「narai」の醸造を開始しました。

日本有数の標高約940mに位置する蔵元で、標高1,000mを超える木曽山脈から流れる天然の湧き水と、長野県安曇野産の米を原料に使用しています。酒造場をコンパクトにまとめたマイクロブルワリーとして小規模・高品質な酒造りを行い、四季醸造方式を取り入れているのが特徴です。また、宿泊施設やレストランに隣接した「開かれた酒蔵」となっており、醸造の様子をガラス越しに体験できる造りになっています。代表銘柄である「narai」はKura Master 2022の純米大吟醸酒部門で金賞を受賞するなど高い評価を得ています。

杉の森酒造の歩み

杉の森酒造は、中山道の宿場町として栄えた奈良井宿で、1793年(寛政5年)に創業した酒蔵です。創業の地は、現在の長野県塩尻市奈良井にあたります。奈良井宿は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている町並みで、蔵は標高約940mの街道沿いに構え、日本一高いところにある酒蔵ともいわれてきました。かつては「木曽五大名酒」とも呼ばれ、街のシンボルのような存在でした。

約200年にわたって酒造りを続けた蔵は、2012年に醸造を休止して休眠に入りました。休眠後も酒造免許は維持されており、2020年秋ごろ、この蔵を再生して奈良井宿の魅力を高めるプロジェクトが本格的に動き出します。竹中工務店と塩尻市森林公社が出資した株式会社ソルトターミナルが事業主体となり、旧杉の森酒造などの建物を改修して、宿泊施設、レストラン、酒蔵を中心とする小規模複合施設を2021年夏に開業する計画で、2021年8月には宿泊施設「BYAKU Narai」などがオープンしました。

酒蔵の再生を担ったのは、歴史的な建物の再生事業に実績のある株式会社Kirakuのサンドバーグ弘氏です。サンドバーグ氏は、建物の一角に酒蔵を残して日本酒を造れば、酒蔵のあるホテルとして物語性が生まれると提案し、自ら酒蔵経営に名乗りをあげました。2021年にKirakuが杉の森酒造株式会社を完全子会社化して事業を承継し、製造面積を旧蔵の約3分の1に最適化して設備を一新したうえで、「suginomori brewery(スギノモリ・ブルワリー)」として再生しました。

酒造りの助言役には、京都・伏見の松本酒造で「澤屋まつもと」を醸してきた杜氏の松本日出彦氏を迎えました。松本氏は、2020年秋にサンドバーグ氏が訪ねた際に奈良井宿の山水を口にして、その質感に驚き、協力を引き受けました。現場の責任者となる杜氏には、福岡県出身で、佐賀の富久千代酒造や京都の松本酒造などで経験を積んだ入江将之氏が就きました。2021年10月に仕込みを始め、タンク1本目の醪は2022年1月に搾られ、ファーストバッチはクラウドファンディングの返礼品として届けられました。

ブランド名は「narai」で、一般販売は2022年2月10日に始まりました。

2023年9月には「narai kinmon」と「narai sankei」の予約販売を始め、2023年には蔵向かいの倉庫で直営の角打ち「sagyobar」も始まりました。2025年12月には低アルコールの新シリーズ「narai passage」を発売し、あわせて、醸造再開から重ねてきた複数のnaraiを合わせた熟成アッサンブラージュ「narai terra」を、限定500本の予定で2026年春に発売すると発表しました。narai terraは、2026年時点では公式ストアで販売されています。

2026年には、sagyobarが奈良井宿の通りに面した旧市川商店に移り、2026年時点では斉藤聡之氏が醸造責任者を務めています。受賞では、2022年にKura Master 2022の純米大吟醸酒部門で「narai」が金賞を受け、蔵の発表では、2026年のIWC SAKE部門で「narai kinmon」が純米大吟醸部門、「narai passage」が純米部門でそれぞれシルバーメダルを獲得したほか、2022年にIWCの推奨酒に選ばれ、同年のグッドデザイン賞も受けています。

酒造りの特徴

仕込み水は、標高1,000m以上から流れる天然の山水です。信濃川と木曽川の分水嶺付近に湧く水で、硬度25以下の超軟水にあたり、透明感と丸みのある滑らかな口当たりが特徴です。蔵の発表では、この水は1793年の創業当初から使われてきたもので、奈良井宿に6つある水場のひとつ「横水」から引き込まれています。江戸時代には中山道を行き交う旅人の喉を潤し、現在も地域の暮らしを支えている水場です。

原料米は、長野県の安曇野で農業を営む「ファームいちまる」が育てた米を使います。蔵は地元産の米にこだわり、杜氏自らが農家に通って田植えなどに加わりながら米を選んでいます。「narai kinmon」には山田錦の系統にあたる金紋錦、「narai sankei」には美山錦の系統にあたり2020年に品種登録された山恵錦を使い、どちらも酵母は長野由来の協会7号酵母です。精米歩合は非公開で、いずれも純米大吟醸クラスです。

蔵は約250平方メートルのマイクロブルワリーで、一般的な酒蔵が3,000〜8,000リットルの大型タンクを使うのに対し、900リットルと1,800リットルの小型タンクを採用しています。蔵では、杜氏ひとりでも手作業で全工程に関われる、目の行き届く小ロットで造れるようにするためとしています。2022年2月の時点では、蒸し米を均一に仕上げるために考案された四角い木製の甑を使い、蒸し米は冷涼な気候を生かして自然に放冷していました。麹造りは箱麹方式で、搾りも低温の冷蔵室で行い、すべて瓶詰めで出荷する方式でした。

冬の気温と同じ環境の冷蔵室を設け、年間を通して醸造できる四季醸造を取り入れているのも、この蔵の特徴です。季節の移ろいを味に映すとともに、蔵人の仕事を一年を通して安定させることも狙いとしています。2021年の醸造再開から2025年12月までに醸したのは計53タンクで、試験醸造のシリーズ「narai β」も展開しています。蔵は同じ敷地の宿泊施設「BYAKU Narai」のレストランに隣接し、大きなガラスの仕切り越しに酒造りを眺められる「開かれた酒蔵」としての在り方を掲げています。

代表銘柄

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narai

「narai」は、奈良井宿の山水と安曇野産米で醸す蔵の看板ブランドです。名には、この酒をきっかけに奈良井宿を世界の人に知ってほしいという願いを込めています。金紋錦を使う「narai kinmon」と山恵錦を使う「narai sankei」はいずれも協会7号酵母で醸す純米大吟醸クラスで、アルコール度数は14度です。2025年12月には、アルコール度数13度で軽やかな飲み口の「narai passage」が加わり、蔵はこの一本を、naraiの世界への入口となる酒と位置づけています。

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見学・購入

直売所
酒蔵直営の角打ち・直販スペース「sagyobar stand」(長野県塩尻市奈良井590-1、旧市川商店)で、narai各種のボトル販売、テイスティングセット、有料試飲、仕込み水の試飲ができます。営業時間は平日11時〜16時、土日祝10時〜16時で、季節や営業状況により変わります。
補足
蔵は同じ敷地の宿泊施設BYAKU Naraiのレストランに隣接し、大きなガラスの仕切り越しに酒造りの様子を眺められるつくりです。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
長野県塩尻市奈良井551-1
創業
1793年
公式サイト
www.narai.jp

出典

prtimes.jp / narai.jp / hasegawasaketen.com / onpara.jp / naraijuku.com / sakenomy.jp / takenaka.co.jp / kiraku.io / jp.sake-times.com / makuake.com

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