東京八王子酒造
代表銘柄:prototype 1
東京都
TOKYO
2022年創業
東京八王子酒造は、2022年12月に清酒の製造免許を取得し、2023年6月に開業した東京都で10番目(令和初)の日本酒醸造所です。免許は長野県諏訪市の酒蔵「舞姫」が八王子の製造場として取得したものです。JR八王子駅から徒歩5分、江戸情緒を残す黒塀通りの料亭「すゞ香」に併設された、広さ約38平方メートルのコンパクトな都市型ブルワリーです。
徹底した温度管理ができる設備環境を備え、1年を通して多品種・少量生産を行う年間醸造体制により、フレッシュな日本酒を中心に提供しています。また、「酒造りは農業の延長線上にある」という考えのもと、地元の八王子で地域住民らと共創しながら酒米づくりから取り組んでいます。
「prototype 1」を含む「prototype」シリーズは、様々な試作を重ねてひとつの形とした数量限定酒で、版ごとに味わいを変えて展開しています。
東京八王子酒造の歩み
東京八王子酒造は、JR八王子駅から歩いて5分ほど、かつて花街として栄えた中町の黒塀通りにある都市型の醸造所です。八王子は甲州街道の宿場町として栄え、のちに絹織物の街として「桑都」と呼ばれました。かつては市内に20軒ほどの酒蔵があり、次第に減って、2012年には醸造を行う蔵がなくなりました。
代表の西仲鎌司さんは八王子で生まれ育ち、酒類を扱う家業の中で、量を売る仕事だけでなく自分たちの手で造った酒を売りたいと考えるようになりました。2013年秋に2020年東京五輪の開催が決まったことをきっかけに、八王子産の米で八王子に酒蔵をつくる構想を描きます。ただ、新規の清酒免許は取得がきわめて難しく、2014年初頭に長野県諏訪市の酒蔵「舞姫」のオーナー社長となり、酒造りを学びながら地元の農家に酒米づくりを依頼しました。
2015年には八王子産米を使い、舞姫で醸した「髙尾の天狗」を世に送り出し、2018年には酒米づくりや稲刈り体験を担うNPO法人「はちぷろ」が発足しています。
当初は田園地帯に酒蔵と直売所、レストランを併せた拠点をつくる計画でしたが、新型コロナの感染拡大で白紙に戻ります。そこで西仲さんは、駅近くの市街地に小さな設備を整え、機動的にさまざまな酒を出す方針に切り替えました。2022年秋に黒塀通りに飲食や演芸などの施設が開業したのに合わせ、通りに面した料亭「すゞ香」の厨房を改修して醸造所とし、2022年12月20日には、舞姫が八王子の製造場「東京八王子酒造」として清酒の製造免許を取得しました。
免許取得は都内で10番目、令和になってからは初めてで、免許を取るまでに約10年かかったと西仲さんは語っています。
醸造は2023年6月に始まり、同年12月には公式オンラインショップが開設されました。同じ建物にある料亭「すゞ香」に併設する形で、醸造の様子を窓越しに見られるようにしている点も特徴です。蔵のコンセプトに掲げる「東京八王子クラフト」は、日本酒の枠にとらわれず、酵母や造り方の組み合わせを試しながら常に新しい酒を出していくという考え方を表しています。
2025年には田植えから日本酒づくりまでを体験できる「農体験×食育×SAKE」のオーダーメイドの酒造りの新プロジェクトを始め、2026年6月には八王子を創業の地とする飲食企業のスタッフが八王子市高月町で田植えを行いました。
酒造りの特徴
醸造所の広さは約38平方メートルで、元は料亭の厨房だった場所です。麹室を含めても清酒の醸造所としては国内でもきわめて小さい部類で、仕込み用のタンクは、2023年時点で大小合わせて5本です。蒸しは建物の外のスペースで行い、洗米や蒸米の放冷、麹づくり、酒母づくりは蔵の中で行います。麹は箱麹法で、2日ほどかけてつくります。
蔵の中は一年を通して低い温度に保たれ、温度の変化が酒にストレスを与えるとして、24時間365日、温度を極力変えない管理をしています。小さなタンクは温度が均一になりやすく、もろみがむらなく発酵しやすいという利点があり、季節を問わず醸造できる四季醸造の体制が整っています。多品種・少量生産を掲げ、1回の搾りで四合瓶200本から1000本ほどの酒ができます。
搾りは小型の槽で、できるだけ圧をかけずに時間をかけて行います。もろみに重りを乗せて自然に流れ出る酒を中心に取り、雑味が出にくいようにしています。搾った酒はケグで品質を管理し、併設ショップでは注文を受けてから瓶に詰めて販売します。2024年時点では火入れをしない鮮度の高い生酒が主力で、2026年からは火入れの商品も販売しています。
杜氏にあたる製造責任者は、諏訪の「舞姫」の杜氏でもある磯崎邦宏さんで、2024年時点で造りの中心を担っています。目指す味わいは、旨みがありながらキレがあり、すっと消えていく飲みやすい酒です。酒米は八王子市高月町の農家と共に育てており、2024年時点で東京都産米も使用しています。原料の酒米づくりを農業の延長と考え、地域の人々と一緒に取り組んでいます。
代表銘柄
prototype 1
東京八王子酒造が様々な試作を重ねてひとつの形とした、数量限定の酒のシリーズです。版ごとにバージョン番号が付き、併設ショップや公式オンラインショップで順次販売され、主に生原酒で展開するなか、2026年には火入れの「Past」も加わりました。2023年12月にはオンライン限定でver.802を100本販売し、prototype同士のアッサンブラージュで軽快ななかに複雑さを加えたと案内されました。ver.22の純米吟醸生原酒は、アルコール分16度、容量720mLです。
見学・購入
- 直売所
- 醸造所併設のショップでは、金曜は12時から18時、土日祝日は11時から17時に営業しています。注文を受けてからその場で瓶詰めする生酒などを販売しています。
- 補足
- 醸造所の内部は、併設する料亭「すゞ香」を利用した人が窓越しに見学できます。料亭は完全予約制です。同じ八王子駅近くには、代表が運営する飲食店「蔵人舞姫」があり、東京八王子酒造の生原酒を生樽サーバーで提供しています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 東京都八王子市中町10-9
- 創業
- 2022年
出典
sakagura-press.com / prtimes.jp / sakeworld.jp / youtube.com / tokyo-hachioji-shuzo.jp / diamond.jp / note.com / imatama.jp / shop.tokyo-hachioji-shuzo.jp / hachioji.keizai.biz / sakestreet.com / 8dabe.com / nta.go.jp
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