甍酒蔵
代表銘柄:甍
長野県
NAGANO
1665年創業
寛文5年(1665年)創業の歴史ある酒蔵(旧・山清酒造)を事業承継して設立された酒蔵です。理想の仕込み水と酒米を求め、長野県北安曇郡松川村に新蔵を建設し、2024年に醸造を開始しました。代表取締役は佐藤圭祐氏、醸造責任者(杜氏)は「大信州」で長年陣頭指揮を執った田中勝巳氏が務めています。
酒造りでは、北アルプス由来の超軟水の地下水や、地元・松川村産の酒米、長野県産酵母を使用しています。米の鮮度維持や特注の洗米機、徹底した醸造・温度管理にこだわり、透明感あふれる柔らかい甘味とまろやかな旨味を備えた酒を生み出しています。代表銘柄は「甍」。蔵の発表では、2025年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)にて『甍 銀・黒』がゴールドメダルを受賞しています。
甍酒蔵の歩み
甍酒蔵株式会社は、寛文5年(1665年)創業の山清酒造の事業を承継して立ち上げられた酒蔵です。山清酒造は、現在の筑北村にあたる地で350年以上にわたって酒造りを続けてきた蔵でした。山清酒造は近年の販売不振が続き、2021年10月に民事再生法を申請しました。再建のスポンサーとなった石川県金沢市の食品関連企業が、社内で再建役を募り、手を挙げたのが佐藤圭祐氏です。
立ち上げたのは、山清酒造の事業再生に取り組んでいた佐藤氏と、松本市出身で家業の大信州酒造に1996年に入社し、醸造統括責任者として約30年酒造りに携わってきた田中勝巳氏です。佐藤氏から長い歴史をどう引き継ぐべきかの相談を受けた田中氏は、大切なのは本来の酒造りをつなぐことであって、その地に固執することではないと考え、自らの目指す酒造りを共有しました。こうして二人は山清酒造の事業を承継し、酒造免許を松川村に移転して甍酒蔵を立ち上げ、佐藤氏が代表取締役に、田中氏が杜氏に就任しました。
田中氏が理想としたのは、最高に水のよい場所に蔵を構え、周囲の田んぼで採れる米で酒を造ることです。新たな酒造りの地を松川村に定めたきっかけは、知人から安曇野に特別に水のよい場所があると紹介されたことでした。用地は村が整備した約6400平方メートルの工業用地で、村はすでに井戸を掘っていました。村が掘削していた井戸から汲み上げた水は超軟水で、田中氏は村で採れる酒米の質の高さも約30年前から知っていました。
松川村は酒米の産地でありながら村内に酒蔵がなく、酒米は長らく村の外へ送られてきました。その松川村に、2024年、待望の酒蔵として甍酒蔵が誕生しました。蔵名の甍は瓦屋根の棟のことで、「日本の屋根」と呼ばれる北アルプスの尾根になぞらえています。蔵の入り口には、山清酒造の蔵の扉が再利用されています。
蔵の発表では、初仕込みとなった「甍 銀・黒」が2025年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)でゴールドメダルを受賞しました。
酒造りの特徴
仕込み水は、北アルプスの雨や雪が長い年月をかけて涵養された安曇野の地下水を、村が掘削した井戸から汲み上げたもので、硬度の低い超軟水です。田中氏は、軟水は米のよさをしっかり引き出してくれると語り、麹が米のでんぷんを糖に変え、酵母が糖をアルコールに変える発酵に、水が米のミネラルを抽出して酵母の働きを助ける働きが加わる「三重奏」だと説明しています。この超軟水ではとてもよく発酵すると田中氏は話しています。
米は村内の4軒の契約農家から仕入れています。これまではひとごこちと金紋錦を依頼していましたが、2026年は山恵錦と信交酒557号を育ててもらっており、2026年の仕込みから切り替える方針です。近年は松川村産の山恵錦が出色の出来だと田中氏は話しています。田中氏は、扇状地の砂壌土は水はけがよく、山からの冷たい水を絶えず田んぼに入れられるため余分な肥料が抜けやすく、筋肉質なよい米ができると説明しています。この米は組織が引き締まって割れにくく、蒸し上がりの粒立ちがよくなります。
設備は、量よりも質を追求して整えられています。甑はあえて大きめにして米を少量ずつムラなく蒸し上げる一方、仕込みタンクは600キログラム用と800キログラム用だけです。ポンプを使わず、重力を利用するグラヴィティ・フローで酒に負荷をかけないようにし、水温や室温もきめ細かく管理します。麹室の天井、壁、床には秋田杉が張られています。2024年の立ち上げ時点では、洗米設備は岡山のメーカーに特注したもので、既製品より完璧に糠を落とせると田中氏は説明しています。
甑に入れる米は、大信州酒造時代の容量の8割から、4割まで減らしました。搾る直前には醪を0℃まで冷やして搾り機に移し、搾り部屋も同じ温度に設定して、搾った酒を受けるタンクはマイナス5℃にしていました。酵母は長野県産のものだけを使っていました。仕込みは3月までで、新米の香りがする間に終えます。田中氏は、米は収穫後に時間が経つと少しずつ劣化するため、収穫した酒米での酒造りは翌年の3月までに終わらせたいと考え、造りの期間を10月から3月に限っています。
搾った酒には手を加えず、無濾過原酒のまま瓶詰めし、必要に応じて湯煎で火入れをします。田中氏は、瓶燗火入れがいちばん酒へのダメージが少ないと考えています。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
甍
北アルプスを「日本の屋根」に見立て、瓦屋根の棟を意味する言葉から名づけられた銘柄です。蔵の初仕込みとなった「甍 銀・黒」はひとごこちを使った無濾過原酒で、2025年のIWCでゴールドメダルを受賞したと蔵が発表しています。このほか銀・紅、銀・藍、山廃仕込の銀・森など、ラベルの呼び名で分かれるシリーズが展開されています。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 松川村内の酒販店と全国の特約店で販売されています。年に数回、松川村限定酒の店頭販売があります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長野県北安曇郡松川村字北ノ原4336-6
- 創業
- 1665年
- 公式サイト
- www.ilaka.co.jp
出典
sakenomy.jp / sakestreet.com / taat.jp / saketime.jp / sasesaketen.com / yamanaka-sake.shop / prtimes.jp / ilaka.co.jp / go-nagano.net
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。