日本伝統濁酒研究所
代表銘柄:どぶろく瀧水
山口県
YAMAGUCHI
2015年創業
株式会社日本伝統濁酒研究所は、日本酒のソムリエ資格「唎酒師(ききさけし)」の生みの親である右田圭司氏が、故郷の山口県防府市を拠点に営むどぶろくの醸造所です。右田氏らの働きかけにより防府市は2019年に「防府どぶろく特区」の認定を受け、2020年7月に「その他の醸造酒(濁酒)」の製造免許を得てどぶろく造りが始まりました。
代表銘柄は2020年末に誕生した「どぶろく瀧水(たきみず)」です。米と米麹、水を原料とし、加熱処理(火入れ)や濾過を行わない生どぶろくを製造しています。仕込み水には、江戸時代に長州藩主へ献上された酒に使われていた史跡の井戸水(佐波川の伏流水)を使用し、米には地域で低農薬栽培されたコシヒカリを採用しています。生きた酵母や乳酸菌を保持したまま届けるため、製造直後に急速冷凍して保管・出荷する点が特徴です。
2021年4月から防府天満宮の大鳥居の横で直営カフェ「みづは DOBUROKU CAFE」を運営するほか、講座や資格を通じてどぶろくの魅力を広める活動にも取り組んでいます。
日本伝統濁酒研究所の歩み
株式会社日本伝統濁酒研究所は、山口県防府市に拠点を置くどぶろくの醸造所です。設立は2015年4月で、2019年3月に現在の社名に改めました。代表取締役の右田圭司氏は、日本酒のソムリエである「唎酒師」の生みの親です。生まれ育った防府に約40年ぶりに戻り、この街の歴史や水を生かしてどぶろくを造ろうと考えたことが、取り組みの出発点になりました。
右田氏は、まず防府市に働きかけて特区の認定を目指しました。2019年12月20日、防府市は国の構造改革特区として「防府どぶろく特区」の認定を受け、「特定農業者による特定酒類の製造事業」の特例が適用されることになりました。認定の目的は、地元産の農産物に加えて、防府でしか味わえない濁酒を新しい食の資源とし、観光客の誘致や滞在時間の延長につなげることにあります。会社は、米づくりを担当する仲間や醸造を担当する仲間など、地元の人々に支えられて準備を進め、酒米づくりからどぶろくの製造・販売までを手がけています。
2020年7月に「その他の醸造酒(濁酒)」の製造免許が認可され、9月に試験醸造が始まりました。同じ年の10月には、「日本伝統濁酒学講師」の資格研修会を開いています。そして2020年の年末に、最初の製品となるどぶろく「瀧水」が生まれました。
2020年12月から2021年1月17日までは、防府市の後押しを受けて製造所の拡張と冷凍品の全国販売、セミナー開催の費用を募るクラウドファンディングを実施しました。寄付金はすべてふるさと納税として扱われる仕組みでした。2月に製造所の設備を拡張し、3月から本格的な醸造に入っています。
2021年4月には、防府天満宮の大鳥居の横にどぶろくカフェ「みづは」を開店しました。4月2日にプレオープンし、4月9日にグランドオープンしています。店名は、天満宮の参道にある酒垂神社に祀られる水の神、水波能売命(みずはのひめ)にちなんでいます。5月には「日本伝統濁酒ナビゲーター」の認定講座も始まり、製造・販売に加えて、講座や資格を通じてどぶろくの魅力を広める活動にも取り組んでいます。
酒造りの特徴
この蔵が造るのは、清酒ではなく、米と米麹と水を原料に造るどぶろくです。酒税法上は「その他の醸造酒」にあたります。自社の製造所で醸造しているのは「どぶろく瀧水」です。製造所は小さく、一度に少量しか仕込めません。仕込みは月に2回ほどで、気温や湿度、酵母の様子を見ながら進めています。
仕込み水は、防府天満宮の近くにある国指定史跡「宮市本陣兄部家」の井戸水です。この井戸水は、江戸時代に長州藩主の毛利家へ献上した酒の仕込みに使われていたもので、献上酒の名が「瀧水」でした。柔らかく、ほんのり甘い佐波川の伏流水だと蔵は説明しています。子孫の方が代々受け継いできた井戸水を、再び仕込み水として使っています。2023年時点では、井戸から水を汲み上げて運んでいます。
米は、酒米の山田錦ではなく、地域で低農薬栽培されたコシヒカリを使います。蔵は、大手の酒造会社が使う米ではなく、地域で育てた米こそ佐波川の伏流水と組み合わさって、この土地ならではの風土を形づくると考えています。原材料は米(国産)、米麹(国産米)、酵母(国産)です。瀧水の大きな特徴は、火入れ(加熱処理)も濾過もしない生のどぶろくであることです。酵母や乳酸菌が生きたままのため、製造直後に急速冷凍して出荷し、輸送も保管も冷凍で行います。飲むときは常温で2〜3時間かけて解凍します。
解凍の途中のシャーベット状も楽しめ、容器はポリパックで、内容量は300mlと100mlがあります。賞味期限は未開封で6か月、開封後は2週間です。
味わいは、少しクリーミーでありながら、すっきりと辛口の酒が好きな人にも合う仕上がりになっていると、蔵は説明しています。季節によって味わいが少しずつ違うのも特徴だと蔵は説明しています。2023年時点で蔵は、夏の暑い時期は酸味が強く冬は甘みが強くなること、アルコール度数は8〜10%で狙って決められるものではないことを説明しています。気候や土壌がそのまま酒の個性になると、蔵は考えています。飲み方は、原酒のままのほか、ロックや炭酸割り、ビールとの割り方が勧められています。
ビールとは、ベルギーのホワイトビールと1対1で合わせる飲み方が紹介されています。ジンジャーエール、牛乳、豆乳で割る飲み方や、練り梅を加えた「梅どぶろく」といったアレンジもあります。
代表銘柄
どぶろく瀧水
蔵の看板となるどぶろくです。米と米麹と水を原料に造り、火入れも濾過もしない生の状態で、造りたてを急速冷凍して届けます。仕込み水は、江戸時代に長州藩主毛利家への献上酒に使われた宮市本陣兄部家の井戸水で、名前もその献上酒に由来します。米は地域産のコシヒカリです。少しクリーミーで、すっきりとした飲み口です。2020年末に誕生しました。
見学・購入
- 直売所
- みづは DOBUROKU CAFE(山口県防府市松崎町2-2、防府天満宮の大鳥居の横)で生どぶろくを味わえます。2024年11月時点では、公式の通販サイトで冷凍のどぶろく瀧水のセットを醸造所直売価格で購入できます。カフェは月曜・火曜が休みで、不定休もあります。
- 補足
- 2023年時点で、カフェではどぶろくのストレートやハイボール、生あま酒(ノンアルコール)、ネルドリップコーヒー、酒粕のバスク風チーズケーキなどを提供しています。2021年3月には、どぶろくの魅力を伝える講師資格の第2回研修会も開いています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山口県防府市大字新田1463番地
- 創業
- 2015年
出典
g-search.or.jp / alarmbox.jp / yamaguchi-san.com / sake-times.com / city.hofu.yamaguchi.jp / smts-online.jp / stores.jp / keizai.biz / web.archive.org / jp.sake-times.com / pref.yamaguchi.lg.jp
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。