澄川酒造場
代表銘柄:東洋美人・環起
山口県
YAMAGUCHI
1921年創業
1921年(大正10年)創業。米問屋であった澄川家が親戚筋の酒蔵を引き継ぎ創業された。代表銘柄「東洋美人」は、初代当主が亡き妻を想って名付けたと伝えられている。現在は4代目蔵元杜氏の澄川宜史氏のもと、「稲をくぐり抜けた水」を意識し、奇をてらわず伝統製法に基づいた王道の酒造りを追求している。
2013年7月の豪雨災害により酒蔵が壊滅的な被害を受けたが、全国からの支援を受けて再興を果たし、2014年に新たな酒蔵を完成させた。「SAKE COMPETITION 2014」にて「東洋美人 地帆紅」がFree Style Under 5000部門で1位(グランプリ)を獲得したほか、純米大吟醸「東洋美人 壱番纏」が2016年の日露首脳会談夕食会で提供されるなど、国内外で高い評価を獲得している。
澄川酒造場の歩み
澄川酒造場は、1921年(大正10年)に米問屋であった澄川家が親戚筋の酒蔵を引き受けて創業しました。創業の地は、現在の萩市大字中小川にあたります。代表銘柄「東洋美人」は、初代当主が亡き妻を想って名付けた銘柄名で、創業以来この一銘柄のみを掲げて酒造りに取り組んでいます。
現在は4代目蔵元杜氏の澄川宜史氏が酒蔵を率いています。東京農業大学醸造科学科に進学した宜史氏は、学外実習で山形県の高木酒造を訪れ、「十四代」を醸す高木顕統氏の酒造りへの姿勢に感銘を受け師事しました。2004年に4代目蔵元杜氏に就任すると、社外の蔵人に任せていた体制を一新して自ら醸造に関わるようになり、近所の農家に依頼して酒米山田錦を栽培してもらうなど原料米へのこだわりを強めていきます。東京での販路を広げるため夜行バスを貸し切って日本酒を運び、飲食店を一軒ずつ回って試飲を勧める営業も始めました。
2010年には、サッカーワールドカップ南アフリカ大会のFIFA公認オフィシャル日本酒に選ばれています。
2013年7月28日、萩市を襲った集中豪雨により、酒蔵の前を流れる田万川とその支流の原中川が氾濫し、酒蔵も自宅も2メートルを超える高さまで浸水しました。蒸し器などの醸造機器は水没し、出荷前だった1万本以上の「東洋美人」も流失する壊滅的な被害を受けました。しかし被災を知った全国のファンや酒販店、酒造関係者ら1500人以上が復旧作業に加わり、蔵は仕込み再開から約5か月で酒造りを取り戻します。
被災した年には生き残った酒をブレンドして「生き残ってくれた酒たち」として販売し、年内には蔵を改修して「原点」シリーズの「奇跡の新酒」を仕込みました。この災害から新たな一歩を踏み出そうという決意から生まれたのが、純米大吟醸規格でありながら特定名称をあえて名乗らない無濾過生詰酒「東洋美人 ippo 原点からの一歩」です。2014年12月には地上3階建ての新酒蔵が完成し、最新の設備と技術に宜史氏がそれまでの経験で培った感性を掛け合わせる酒造りへと歩みを進めました。
世界最多の出品数を誇る日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」では、2012年に生酛山廃部門で「東洋美人 山廃純米」が、2013年には純米吟醸部門で「東洋美人 純米吟醸611」、生酛山廃部門で再び「東洋美人 山廃純米」が、2014年にはFree Style Under 5000部門で「東洋美人 大吟醸 地帆紅」が、それぞれ部門第1位(グランプリ)を獲得し、3年連続で部門第1位に輝きました。
2016年には純米大吟醸「壱番纏」が日露首脳会談の夕食酒に選ばれたほか日本の政府専用機にも搭載され、2018年にはTWILIGHT EXPRESS瑞風の車内で提供・販売されました。2019年にはJALのファーストクラスの提供酒として純米大吟醸「一天」が採用されています。2021年には創業100周年を迎えました。
全国新酒鑑評会では平成14酒造年度以降15回入賞し、うち平成16・17・23酒造年度と令和2・4・7酒造年度の6回は金賞を受賞しています。山口県新酒鑑評会でも高い評価を受けており、令和5酒造年度には「大吟醸酒の部」「純米吟醸酒の部」「純米酒の部」の3部門すべてで最優等賞を独占し、同3部門の優等賞と「西都の雫の部」の特別奨励賞も合わせて受賞しました。令和6酒造年度は純米吟醸酒の部で最優等賞を、令和7酒造年度も大吟醸酒の部と純米酒の部で優等賞を受賞しています。
酒造りの特徴
酒造りの軸には「地元・萩の米、水、人、時間がシンフォニーを奏でる、稲をくぐり抜けた水」を意識した日本酒造りという理念があります。奇をてらわず、美味しさと品質の両面で100%を目指す王道の日本酒造りを掲げ、化学・物理学・生物学・数学的なアプローチで再現性を追求する姿勢を大切にしています。「0杯から1杯へ」を目標に、日本酒を飲んだことのない人にも親しんでもらえる香味を意識した酒造りに取り組んでいます。
2021年3月には、萩・阿武地区の6酒蔵が製造する日本酒が、酒類では中国四国地区で初めて国税庁から地理的表示「萩」の指定を受けました。萩・阿武地区で生産された米と地元の水を原料とし、生産から精米、醸造までのすべてを地元で完結させることが条件で、澄川酒造場は中村酒造・岩崎酒造・岡崎酒造場・八千代酒造・阿武の鶴酒造とともに指定を受けた6蔵の一つです。指定を記念して発売された6蔵セットには、純米吟醸「東洋美人 醇道一途」が選ばれています。
酒米は、精米歩合40%まで磨いた山田錦や愛山を用いる純米大吟醸・大吟醸と、麹米40%・掛米50%で仕込む純米吟醸「醇道一途」シリーズとで使い分けています。醇道一途は山田錦のほか、山口県独自の酒米「西都の雫」、高木酒造が生み出した「酒未来」「羽州誉」、播州産の「愛山」、岡山県の「雄町」を、毎月米違いで発売する定番商品です。最高峰の純米大吟醸「壱番纏」には地元の契約農家が栽培する萩産山田錦を使用し、日本酒度は+4に仕上げています。
純米大吟醸「プリンセスミチコ」には、東京農業大学が薔薇の品種「プリンセス・ミチコ」から分離した酵母を使用しています。
2013年の水害を機に、澄川酒造場は約4億円を投じて鉄筋コンクリート3階建ての新酒蔵を建築しました。室温を5℃に保つ冷房蔵や全自動洗米機、蒸し機を導入し、作業工程を可能な限り自動化することで、再現性の高い酒造りを目指しています。
代表銘柄
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東洋美人
初代当主が亡き妻を想って名付けた銘柄名を、創業から一貫して掲げています。大吟醸「地帆紅」は蔵元自身が「うちの原点」と語る一本で、40%精米の山田錦を100%使用し、2014年の「SAKE COMPETITION」Free Style Under 5000部門で第1位を獲得しました。純米大吟醸「壱番纏」は甘み・酸味・旨みが調和した最高峰酒で、2016年の日露首脳会談の夕食酒に選ばれています。純米吟醸「醇道一途」は麹米40%・掛米50%で仕込む定番シリーズで、華やかな香りと親しみやすさが魅力です。
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環起(かんき)は、2013年7月の集中豪雨からの復興を機に生まれた純米大吟醸です。熊毛郡田布施町で栽培された有機JAS認証の山田錦を、米・米麹とも100%使用し、精米歩合40%まで磨いて醸しています。アルコール度数は16度です。甘すぎずすっきりとした味わいで、米の香りをしっかりと感じられる一本です。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 醸造元の営業時間は9時から17時で、土曜日午後・日曜日・祝日は休業です。駐車場は3台分あります。
- 補足
- 蔵見学は行っていません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 山口県萩市大字中小川611番地
- 創業
- 1921年
- 公式サイト
- toyobijin.jp
出典
kato-yamadanishiki-sake.jp / sakenomy.jp / y-shuzo.com / hagi-gochi.jp / icorporationinc.com / sakedata.jp / westjr-temite.jp / twilightexpress-mizukaze.jp / toyobijin.jp / miraiken.or.jp / saketime.jp / tabuse.biz / sakecompetition.com / studio.persol-group.co.jp
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