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新谷酒造

代表銘柄:わかむすめ

山口県

YAMAGUCHI

1927年創業

山口県山口市徳地に位置する新谷酒造は、1927年(昭和2年)に創業しました。仕込み水には一級河川・佐波川水系の伏流水(超軟水)を使用し、かつては「和可娘」の銘柄で地元の酒として親しまれてきました。2007年(平成19年)には年間を通じて小仕込みを行う「四季醸造蔵」へと改修(2023年からは7・8月の仕込みを休止)し、全量無濾過原酒をフレッシュな状態で届けるスタイルへと転換。

2018年(平成30年)に仕込み蔵の梁が損傷し、同じ敷地内の仮設の仕込み蔵に移ったのを機に、代表・新谷義直氏の妻である新谷文子氏が杜氏に就任しました。秒単位の時間管理や0.1℃単位の温度管理など繊細な手作業を守り、雑味の少ない清らかな味わいを目指しています。代表銘柄「わかむすめ」は、全国新酒鑑評会での金賞(令和2・3酒造年度など)をはじめ、Kura MasterやIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)など国内外の鑑評会で数多くの受賞歴を誇ります。

新谷酒造の歩み

新谷酒造は、昭和2年(1927年)に創業した山口市徳地の酒蔵です。地元の酒蔵で蔵人として働いていた初代の新谷熊吉が独立し、造りを止めていた蔵を買い取って酒造りを始めました。二代目の新谷末彦が引き継ぐと、「和可娘(わかむすめ)」の名で地元の人々に長く親しまれました。蔵は一級河川・佐波川から歩いて1分ほどの場所にあります。徳地は江戸時代後期ごろ、市場が連なるにぎやかな町だったと言われ、蔵の建つ一帯は今も「市(いち)」と呼ばれています。

かつては小さな町に5軒以上あった酒蔵は時代とともに減り、新谷酒造が最後の1軒になりました。

平成になって、跡継ぎのいなかった蔵を孫の新谷義直が三代目として継ぎました。ところが長年酒造りを支えた杜氏が高齢で引退し、蔵人も去って、老朽化した蔵に夫婦二人だけが残る廃業の危機を迎えます。義直は平成19年(2007年)に蔵の一部を一年中仕込みができる四季醸造蔵へ改装し、社長と杜氏を兼ねる蔵元杜氏となりました。主要銘柄を平仮名の「わかむすめ」に改め、搾ったままの全量無濾過原酒を毎月届ける体制を整えています。

その後、看護師から酒造りに転じた妻の文子さんとともに造りを続けるなか、仕込み蔵の梁が傷んで再び廃業の危機に立たされ、国際コンクールに挑みました。平成30年(2018年)にはフランスのKura Masterで純米酒部門の「月草」が金賞を受賞し、第1回のブリュッセル国際コンクール「SAKE selection」でも純米酒部門で「月草」が最高位のプラチナ賞に選ばれています。同年10月に文子さんが4代目杜氏となり、当時の山口県では唯一の女性杜氏が誕生しました。

12月には、梁が傷んだ仕込み蔵に代えて同じ敷地内に仮設の仕込み蔵が完成し、以来この蔵で造りを続けています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度に金賞を受賞しました。夫婦二人での造りになってからは大吟醸を造らず出品を見送っていましたが、杜氏として初めて挑んだ純米大吟醸「わかむすめ 燕子花」で令和元酒造年度に入賞し、14年ぶりの入賞となりました。この年は新型コロナウイルスの影響で決審が中止され、金賞は選ばれていません。令和2・3・6・7酒造年度には金賞を受賞し、平成14酒造年度以降の入賞は8回、うち金賞は5回です。山口県新酒鑑評会では、大吟醸酒の部で令和3酒造年度と令和4酒造年度に2年続けて最優等賞を受賞しました。

広島国税局清酒鑑評会には平成15年と平成17年に入賞したのち長く出品が途絶えていましたが、令和2年に出品して純米酒部門で優等賞を受賞し、令和4年を除いて令和7年まで毎年優等賞を受けています。令和3年・令和6年・令和7年は吟醸酒部門と純米酒部門の2部門での受賞です。

海外のコンクールでも評価を重ねています。Kura Masterでは2018年の「月草」の金賞に続き、2020年と2024年に純米大吟醸酒部門の「燕子花」、2021年に純米酒部門の「秘色」がプラチナ賞を受賞しました。金賞も2020年、2024年、2025年に受けています。ロンドンのIWC SAKE部門では2019年から2026年まで毎年メダルを受けており、2021年と2024年には「燕子花」がゴールドメダルに加えて山口県の純米大吟醸部門のトロフィーを受賞しました。

ゴールドメダルは2021年の「薄花桜」と2023年の「燕子花」にも授与されています。

近年は社員が加わり、文子さんを中心にチームで酒造りに取り組んでいます。2025年の醸造年度は蔵の再建移築を目指して造る量を増やしました。2024年時点の輸出先は韓国、台湾、シンガポール、香港です。2026年にはCRAFT SAKE WEEKに初めて参加し、5月にソウル、7月にメルボルンの酒フェスティバルにも出展しています。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵のそばを流れる一級河川・佐波川の伏流水で、硬度の低い超軟水です。この水で創業当初から、なめらかな口当たりでしっかりとした味わいのある旨口の酒を造り続けてきました。使う米は、八反錦、岡山県産の雄町、山口県産の山田錦、山口県が開発したオリジナル酒米の西都の雫です。八反錦はきれいでキレのよい酒質に仕上がりやすく、西都の雫は山田錦よりもすっきりとシャープな印象の酒になります。「燕子花」だけは、地元の農家と契約栽培した山田錦を使っています。

洗米は、米を10kgずつに小分けし、秒単位で浸漬時間を調整して目標の吸水率に合わせる限定吸水で行います。蒸しは甑で50分から60分、外側は硬く内側は軟らかい外硬内軟に蒸し上げます。酒母は中温速醸で、とても小さなタンクで仕込みます。本仕込みは三段仕込みで、毎日成分分析を行い、糖化と発酵のバランスを見ながら0.1℃単位で温度を管理して、約30日かけて発酵を見守ります。

上槽は、醪を入れた酒袋を槽に手作業で積み、弱い圧力でゆっくり搾る槽搾りで行ってきました。杜氏になってからは設備投資を進め、吟醸用には薮田式圧搾機に切り替えています。搾った酒は数日以内に瓶詰めし、生酒はそのまま出荷します。火入れをする酒は、搾り立ての酒を瓶詰めして打栓した瓶ごと加熱する瓶燗火入れで、搾り立ての香りと味を閉じ込め、火入れによる傷みを抑えています。酒は全量が無濾過原酒で、搾ったままの状態で届けます。

空調設備と冷蔵室をそなえた四季醸造蔵として少量ずつ仕込み、2023年からは7月と8月を休んで9月に造りを始めています。定番の純米吟醸「瑠璃唐草」は通年で販売し、発売する季節に合わせて少しずつ味わいを変えて醸します。ほかに、西都の雫を60%まで磨いた春の「薄花桜」、八反錦を60%まで磨いた初夏の「萌木」、山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸「燕子花」などがあります。西都の雫を38%まで磨いた純米大吟醸「新姫」は年に1回だけ仕込みます。

2018年11月に発売した「Bunbun」シリーズは新しいことに挑戦する枠で、2025年の醸造年度には超辛口の「METAL Bunbun」に仕込み配合や米、酵母、製法を変えて再挑戦しました。モットーは「和を以て季(とき)を醸す」で、人との調和、味わいの調和、飲む人の心の調和の3つを大切にしています。

代表銘柄

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わかむすめ

蔵元の新谷義直さんと杜氏の新谷文子さんが、山口市徳地で醸す全量無濾過原酒の銘柄です。定番の純米吟醸「瑠璃唐草」を軸に、西都の雫の「薄花桜」、八反錦の「萌木」、雄町の「牡丹」、特別純米の「月草」を季節ごとに出し、山田錦を40%まで磨いた純米大吟醸「燕子花」を旗艦としています。佐波川の伏流水で仕込み、火入れ酒は瓶燗火入れで仕上げます。

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見学・購入

直売所
直売所は山口市徳地堀1673-1にあります。営業時間は9時から17時、定休日は毎週水曜日です。仕込み蔵(山口市徳地小古祖666-2)とは別の場所にあります。
補足
臨時休業日は公式サイトの新着情報で案内されます。ご注文は公式のオンラインショップでも受け付けています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
山口県山口市徳地堀1673-1
創業
1927年
公式サイト
wakamusume.com

出典

y-shuzo.com / wikipedia.org / jimdoweb.com / sakenomy.jp / wakamusume.com / kuramaster.com / pref.yamaguchi.lg.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / store.sakestreet.com / nikkei.com / yamaguchi-ch.com

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