SAKE BREWERY — NAGANO
信州銘醸
紹介
1834年(天保5年)に「桝屋」として創業し、1958年(昭和33年)に地域の酒蔵が合同して信州銘醸株式会社を設立しました。「厳守相伝と挑戦」を理念に掲げ、伝統の技術を守り継ぎながら新しい日本酒造りに取り組んでいます。造りの大きな特徴は、和田峠の湧水である超軟水「黒曜水」や依田川の伏流水を仕込み水に使用している点です。ミネラルが極めて少ない黒曜水を用いることで、米本来の味や香りを引き出したキレのよい酒造りを実現しています。「瀧澤」や「黒耀」のほか、特約店限定の「鼎」などを手掛け、地元上田市などの契約農家が育てる「ひとごこち」や「金紋錦」といった長野県産米を使用した品質本位の酒造りを徹底しています。受賞歴も豊富で、全国新酒鑑評会での金賞受賞や関東信越国税局酒類鑑評会での受賞を重ねているほか、海外のコンペティション(NYWSC2023ダブルゴールド等)でも高い評価を獲得しています。(399字)
歴史
信州銘醸株式会社の始まりは天保5年(1834年)、長野県小県郡丸子町(現在の上田市)で「桝屋」の屋号を掲げて創業した造り酒屋にさかのぼります。当時の丸子周辺には江戸から明治にかけて操業する複数の酒蔵があり、それぞれが地域の酒どころとしての歴史を重ねていました。
昭和33年(1958年)4月8日、丸子の地で江戸・明治の時代から続いていた4つの蔵が共同瓶詰めという形で手を結び、法人として信州銘醸株式会社が設立されました。さらに昭和48年(1973年)には、瓶詰めだけでなく製造そのものも一本化され、複数の蔵が一つの醸造体制に統合されました。銘柄名「喜久盛」は、北に浅間連峰、南に蓼科・美ヶ原の山々を望むこの地で、「喜びを久しく盛り上げよう」という思いを込めて名付けられたものです。
蔵は千曲川の支流である依田川のほとりに位置しています。この一帯は島崎藤村の詩にも詠まれた千曲川流域にあたり、豊かな水と山に囲まれた土地です。丸子町は平成18年(2006年)3月6日に上田市・真田町・武石村と合併し、新しい上田市の一部となりましたが、信州銘醸は合併後も変わらずこの地で酒造りを続けています。
信州銘醸は「厳守相伝と挑戦」を理念に掲げています。戦中戦後、当時広く行われていた三倍醸造酒造りからいち早く脱却し、杜氏を筆頭とする蔵人たちが技術・経験・勘を守りながら「旨い酒造り」を追求してきました。その結果、生真面目で頑固な酒質が「信州銘醸の酒」として評価されるようになりました。全国新酒鑑評会での金賞受賞は延べ17回(8年連続受賞は長野県内最多)、関東信越国税局酒類鑑評会でも金賞23回(9年連続)を数えるなど、受賞実績を重ねています。
酒造り
仕込み水には、和田峠周辺の黒耀石の岩盤で濾過された「黒耀水」と、依田川の伏流水の2つを使い分けています。黒耀水は2007年時点の分析値では全硬度0.95(カルシウム0mg/dl)、鉄分0.01ppm以下という極めて不純物の少ない超軟水で、通常は発酵管理が難しく酒造りには不向きとされる水質です。信州銘醸ではこの水を仕込みに使うため約4年をかけて醸造方法を研究し、米本来の味や香りを引き出すキレのよい酒質を実現しました。黒耀石はガラス質で鋭い断面を持つ石材として、日本でも後期旧石器時代から石器の材料に使われてきた歴史があり、和田峠はその産地として知られています。
原料米は長野県産にこだわり、上田市丸子地区・武石地区の契約農家が栽培する「ひとごこち」や「美山錦」などの酒造好適米を使用しています。かつては安曇野産米が中心でしたが、「地酒と言われる以上、地元の皆さんと共に」という考えから、丸子・武石地区の契約栽培に切り替えました。契約農家には農閑期の酒造りにも携わってもらい、生産から醸造まで地域と一体となった体制をとっています。精米歩合は平均57%と高精白で、雑味の少ない旨口の酒質を目指しています。仕込みは麹・酛(酒母)・醪の各工程で温度管理を重視し、杜氏や蔵人が長年の経験と勘に基づいて櫂入れなどの作業を行う、昔ながらの手造りを守り続けています。
蔵データ
代表銘柄
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- 壬辰
- 黒耀
- 龍澤
黒耀:黒耀は、和田峠の黒耀石の岩盤で濾過された超軟水「黒耀水」を仕込み水に使用した特別純米酒です。2007年時点の分析値では全硬度0.95というミネラル分の極めて少ない水で仕込むことで、絹のようになめらかで喉越しの冴えた味わいに仕上げています。長野県産米を原料とし、精米歩合は麹米・掛米ともに59%、日本酒度は±0〜+1、酸度1.4〜1.5。砂糖やみりんを使う煮物など、甘みのある料理と合わせやすい酒質です。
鼎:鼎(かなえ)は、全国でも十数軒の特約店でしか取り扱われない、生産量を絞った限定流通の純米吟醸です。長野県産の「美山錦」を原料に用い、甘く濃醇な香りと米の旨味を持ちながら、後切れの良いスッキリとした飲み口に仕上げています。特約店になるには蔵元の同意に加えて既存の全特約店の半数以上の同意が必要とされ、宣伝を行わず限られた酒販店の努力によって販売される、知る人ぞ知る銘柄です。
瀧澤:瀧澤は信州銘醸を代表する銘柄のひとつで、専用の商品サイトを構えるほど力を入れているブランドです。地元の若手契約農家が育てる「美山錦」や「ひとごこち」を用い、和田峠の超軟水「黒耀水」で仕込むことで、旨味の強い酒質に仕上げています。2023年のニューヨークの酒類コンペティション「NYWSC2023」では瀧澤「純米酒」がダブルゴールドを受賞するなど海外でも評価されており、上田市内の土産物店でも主力銘柄として扱われています。
見学・購入
あり(要事前確認)
蔵に直売所を併設しており、見学の際に酒を購入できます。
見学受け入れは8:00〜17:00で、土曜・日曜・祝日は休業。見学・試飲は無料ですが、10名以下の場合は事前予約が必要で、蔵の稼働状況によっては見学できないこともあるため、事前の電話確認が推奨されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
wikipedia.org / shinmei-net.com / naganosake.jp / 1web.jp / takizawa-info.com / mssakaya.com / sake-wadaya.com / anchorman-inc.tokyo / sakebayashi.com / ueda-kanko.or.jp / city.ueda.nagano.jp / japansake.or.jp
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