SAKE BREWERY — NAGANO

大信州酒造

長野県松本市島立2380 1880年創業

紹介

長野県松本市に蔵を構える大信州酒造は、1880(明治13)年創業の歴史を持つ酒蔵です。1948(昭和23)年に複数の酒蔵が合併して発足し、長らく長野市(豊野蔵)と松本市(松本蔵)の二拠点で酒造りを行っていましたが、2020年に醸造拠点を松本の本社新蔵へ集約しました。

仕込み水には北アルプスの天然水(雪解け水)を使用し、原料米には「ひとごこち」や「金紋錦」をはじめとする全量長野県産の契約栽培米を自家精米して用いています。機械化に依存しない丁寧な手造りにこだわり、自家培養酵母による爽やかな果実を思わせる豊かな香りや、後味のキレが良い無濾過の旨味を引き出した酒造りが特徴です。「大信州」「香月」「手いっぱい」などの銘柄を展開しています。

受賞歴として、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2012のSAKE部門(純米酒の部)で「大信州 N.A.C 浜農場」がトロフィーを受賞した実績などがあります。

歴史

大信州酒造の起源は、長野県内の造り酒屋であった前身「原田屋酒造店」にさかのぼります。同店には16歳で下原多津栄氏(のちの小谷杜氏)が入蔵し、その後岐阜県や福井県の蔵でも修行を重ねました。1948年(昭和23年)、長野県内の複数の造り酒屋が合併して「大信州酒造」が発足し、下原氏は大信州の発足にあたって蔵へ呼び戻されました。発足当初の合併軒数について正確な記録は残っていないものの、蔵に伝わる話ではおよそ7軒の造り酒屋がひとつにまとまったとされています。

合併後はしばらく各蔵が独自に酒造りを続け、1972年に長野市豊野の豊野蔵へ醸造を、松本市島立の本社へ瓶詰め・貯蔵・出荷を集約する二拠点体制となりました。昭和40年代当時、同蔵には大量生産の安酒というイメージが定着しており、下原多津栄大杜氏の指導のもとで品質重視の酒造りへの転換を図りましたが、顧客の認識はすぐには変わりませんでした。そこで1994年、長野を皮切りに、蔵人が自ら醸した酒を紹介し試飲してもらう「手いっぱいの会」を開始し、その後松本、2015年からは年間300人規模で東京へ、2018年からは札幌へと開催の場を広げていきました。

下原多津栄大杜氏は、蔵人から「おやっさ」「おやじさん」と慕われ、米の磨き具合や吸水量、麹の温度から酒の出来を言い当てる唎き酒の力量で知られた人物です。生酛、山廃、速醸酛など数々の造りを究め、高温糖化酛を集大成としながら、2008年に91歳で引退するまで75年間にわたり杜氏を務め続けました。

長らく続いた豊野蔵・松本蔵の二拠点体制は、約10年をかけた準備を経て転換点を迎えます。令和1酒造年度(2019BY)の造りをもって豊野蔵での醸造を終え、令和2酒造年度(2020BY)からは酒造りに関わるすべての工程を松本市島立の松本蔵(本社所在地)に一本化しました。現在の代表者は田中隆一氏(代表取締役)で、資本金4,000万円、従業員20名の体制で、中部山岳国立公園パートナーシッププログラムにも参加しています。

酒造り

大信州酒造は、自らの酒造りを「愛感謝仕込み」と呼んでいます。これは自然環境や仕込み水、米を育てる契約農家、飲み手、そして蔵人自身など、酒造りを取り巻くあらゆる存在への感謝を込めて醸すという理念です。仕込み水には、蔵の敷地内の井戸からくみ上げる北アルプスからの雪解け水を用いており、長い年月をかけて地中をめぐったやわらかな水質が持ち味とされています。

原料米は長野県産の契約栽培米にこだわり、木島平村の農家との契約栽培を出発点に、松本市内や安曇野市、東御市の農家へと契約範囲を広げてきました。現在は10軒の契約農家と「大信州二十四粒の会」を組織し、年4回の研究会・勉強会を通じて米の栽培技術を高め合っています。玄米で仕入れた米は農家ごと・品種ごとに自家精米しています。胴割れ米をゼロにするという課題に対しては、契約農家が水管理や収穫時期、乾燥方法を何年もかけて工夫し、胴割れ米は着実に減ってきています。原料米には長野県産の「ひとごこち」や希少な酒米「金紋錦」などを用いています。

酒造りにおいては機械化に頼らない手造りを一貫して重視しており、均質化や省力化よりも、手間をかけることでしか到達できない酒質を追求する姿勢を掲げています。日常酒に位置づけられる主力商品「手いっぱい」では、麹米38%・掛米45%という精米歩合を採用し、あえて磨きすぎないことで、洗練さと軽快さ、米が醸し出す味わいのバランスを追求しています。こうした酒造りは品評会でも評価されており、令和4酒造年度(2022BY)の全国新酒鑑評会では「大信州」が金賞を受賞しました。

蔵データ

所在地

長野県松本市島立2380

創業

1880年(長野県)

公式サイト

www.daishinsyu.com

代表銘柄

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大信州:蔵を代表する銘柄で、超高級酒「香月」を除く商品群の中核をなします。高級酒、長野県産米にこだわる「GI NAGANO」シリーズ、日常酒、季節限定酒まで幅広く展開し、いずれも自家精米した長野県産契約栽培米と北アルプスの雪解け水で醸されています。令和4酒造年度の全国新酒鑑評会では金賞を受賞しました。

香月:大信州酒造が展開する超高級酒シリーズで、「ゆう和」「神寿」「古今」「至極」「秘伝」の5種で構成されています。いずれも長野県産の契約栽培米(希少な酒米「金紋錦」など)を用いた、蔵の最上級クラスに位置づけられる純米大吟醸シリーズです。会員組織「大信州豊醸倶楽部」の香月会員向けに、蔵での試飲会「香月の会」も開催されています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

本社に併設する専売所「大信州専売所 原田屋」(長野県松本市島立2380)で直接購入できます。営業時間は月~金曜10:00~18:00、土日祝10:00~17:00で、お盆・年末年始が定休日、無料駐車場6台を完備しています。

補足

併設の試飲施設「聞き酒ROOM」では、至極コース(6,000円)、古今コース(8,000円)、神寿コース(10,000円)などの予約制有料試飲コースを提供しており、いずれも所要60分程度です。通常の蔵見学は非公開ですが、蔵内部を一部見られるスペースがあります。また年に一度、入場無料の蔵開きイベント「愛感謝祭」では通常非公開の蔵見学ができるほか、樽酒の鏡開きや利き酒選手権なども行われます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sakestreet.com / daishinsyu.com / sakenomy.jp / shinmai.co.jp / naganosake.jp / nagano-ken.jp / beautifulsake.jp / nihonmono.jp

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