SAKE BREWERY — HYOGO

富久錦

兵庫県加西市三口町1048 1839年創業

紹介

兵庫県加西市にて天保10年(1839年)に創業した酒蔵です。酒米の名産地である播州平野の環境を生かし、地元の米・水・人にこだわった酒造りを行っています。1992年には全製品の純米酒化(純米蔵化)を達成し、1996年からは使用する酒米をすべて地元・加西市産米に統一しました。伝統的な銘柄「富久錦」のほか、甘口で低アルコールの「Fu.」やスパークリング酒「bucu」、自由な感性で挑むブランド「純青」など、多様な商品を展開しています。受賞歴も豊富で、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」における「Fu.」や「bucu」の金賞受賞をはじめ、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」や「Kura Master」等で数々の賞を獲得しています。また、直営のショップ・レストラン「ふく蔵」を併設し、地域の魅力発信にも取り組んでいます。

歴史

富久錦は天保10年(1839年)に兵庫県加西市三口町で創業しました。酒銘の「富久錦」は、蔵の近郊にある名刹・法華山一乗寺の美しい紅葉の「錦」に、めでたい言葉「富久」を重ねて名付けられたと伝えられています。

昭和29年(1954年)には法人化して「株式会社稲岡本家商店」として設立され、昭和39年(1964年)に現在の社名「富久錦株式会社」に改称しました。創業から昭和末期にかけては、播州平野の穏やかな気候と豊かな水環境を背景に、地域に根差した酒蔵として酒造りを続けてきました。

大きな転機となったのは昭和62年(1987年)、業界に先駆けて「全製品純米酒化」を宣言したことです。5年計画のもと段階的に切り替えを進め、平成4年(1992年)に全量純米酒化を完全に達成しました。さらに平成9年(1996年)には使用する酒米をすべて地元・加西市産に切り替える「全製品地米酒化」を達成し、翌平成10年(1997年)から契約農家との特別栽培米契約制度を導入して、地産地消の酒造りを確立しました。

8代目を継いだ代表取締役社長の稲岡敬之氏のもと、「心に響く純米酒づくり」を掲げ、米本来の旨みを引き出す生もと(生酛)造りに注力しています。平成13年(2001年)には、かつて仕込蔵だった建物を改装した直営のショップ&レストラン「ふく蔵」をオープンし、酒造りにとどまらず食を通じた地域の魅力発信にも取り組んでいます。

酒造り

富久錦の酒造りの基盤は、播州平野の中心に位置する加西市の風土です。善防川流域はため池が多く点在し、豊富な水量ときれいな水質に恵まれています。この環境を生かし、山田錦を中心に5種類以上の酒米を地元契約農家とともに栽培し、平成9年(1996年)以降、使用する酒米はすべて加西市産に統一されています。契約栽培では、早生・中生・晩生の3段階の品種を組み合わせて長期にわたり作付けする独自の方式を採用し、農家の労働負担を分散させながら持続可能な米づくりを目指しています。米の品質は検査担当者が肉眼で審査することで担保しています。

醸造面では、蔵独自の発酵理論に基づく「富久錦流生もと造り」を柱とし、乳酸菌を人工的に添加せず自然の力で酛(もと)を育てる伝統製法にこだわっています。この製法により、米の旨みが凝縮されるとともに、自然の乳酸菌が生み出す深みのある酸が加わった、味わい深い酒質を実現しています。杜氏や蔵人による感覚的な判断を重視し、「人間の感覚と感性なくしてはできないのが酒造り」という姿勢のもと、機械化に頼りきらない手仕事を大切にしています。こうした取り組みの成果として、2023年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでは、山田錦を使った3銘柄すべてが入賞しました。

蔵データ

所在地

兵庫県加西市三口町1048

創業

1839年(兵庫県)

公式サイト

www.fukunishiki.co.jp

代表銘柄

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富久錦:蔵の中核をなす定番ブランドで、加西市産米のみを使った全量純米の酒質を体現しています。看板商品「生もと純米 播州古式」は、精米歩合60%の山田錦を使い、自然の乳酸菌による深みのある酸と凝縮した米の旨みが特徴の、通好みの一本です。ほかにも純米大吟醸「瑞福」や生もと仕込みの「神代の舞」など、季節や熟成度に応じた多彩なラインナップを展開しています。

Fu.:加西市産キヌヒカリを用いた低アルコール純米酒で、アルコール分は8%に抑えられています。果実のような自然な甘みと酸味を米だけの自然発酵で引き出しており、キリッと冷やして楽しむ軽やかな飲み口が特徴です。2013年には「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で金賞を受賞し、日本酒になじみの薄い層にも親しみやすい一本として位置づけられています。

純青:過去の習慣にとらわれず、教科書通りではない自由な感性で醸すブランドです。播州平野産の酒米と軟水を用い、生もと造りによって「ここでしか醸せない酒」を目指しています。Kura Master 2023では「山田錦 生酛特別純米」がクラシック酛部門で金賞を受賞するなど、国際的な品評会でも高く評価されています。

Bucu:加西市産キヌヒカリを使い、瓶内二次発酵によって細かな気泡を生み出すスパークリング純米酒です。アルコール分は7%と控えめで、果実を思わせる甘みと繊細な味わいが和食との相性の良さを引き立てます。精米歩合70%の純米規格で、シャンパンを思わせる心地よい泡立ちが特徴の一本です。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

直営のショップ&レストラン「ふく蔵」を併設しています。かつての仕込み蔵を改装した建物で、1階はショップ&ギャラリー(10:00〜18:00)、2階では地元・加西の旬の野菜を使ったランチ(11:30〜15:00、最終入店13:30)や、季節のパフェ・自家製スイーツを楽しめるカフェタイム(14:00〜17:00、最終入店16:00)を営業しています。定休日は正月を除き年中無休です。

補足

所在地は兵庫県加西市三口町1048で、最寄り駅は北条鉄道法華口駅(車で約5分)です。通常の酒蔵見学は実施していませんが、体験予約サイト「おとなみ」経由で、蔵人の案内による見学(約30分)に日本酒の基礎知識レクチャーとテイスティングを組み合わせた有料の特別プログラムが提供されています(20歳以上、1〜6名、開催7日前までの要予約)。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

299store.net / sakenomy.jp / fukunishiki.co.jp / sakagura-press.com / jizake.com / meimonshu.jp / kita-harima.jp / moshi-moshi.jp / harima-sake.jp / himeji-mitai.com / otonami.jp / 299.jp

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