SAKE BREWERY — HYOGO
沢の鶴
紹介
兵庫県神戸市灘区に蔵を構える沢の鶴は、1717年(享保2年)に米屋を営む初代が副業として酒造りを始めたことに由来する酒蔵です。米屋発祥であることから米へのこだわりが深く、マークには「米」の字に由来する「※」印が使用されています。灘の銘水「宮水」や伝承の技術(生酛造りなど)を生かした酒造りを行っており、特に純米酒の製造・販売に強いこだわりを持っています。指定銘柄として、蔵名を冠した「沢の鶴」のほか、ロングセラーである「米だけの酒」、純米大吟醸の「鶴の舞」、大吟醸「春秀」、辛口などの「酒道粋人」を手掛けています。品質面での評価も高く、全国新酒鑑評会における金賞受賞歴や、2018年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)大吟醸部門での金賞受賞(大吟醸 春秀)などの実績を持ちます。また、旧酒蔵を活用した「沢の鶴資料館」を通じて灘の酒造り文化を現代に伝えています。
歴史
沢の鶴は、享保2年(1717年)に創業しました。米屋を営んでいた初代喜兵衛が、灘五郷の一つである西郷(現在の神戸市灘区)で酒造りを副業として始めたことが発祥とされています。屋号は「米屋」で、商品ラベルなどに用いられている「※」の印は、この米屋としての出自と米への強いこだわりに由来するものです。
明治期以降は石崎家のもとで組織を整え、1898年(明治31年)に石崎合資会社となり、1919年(大正8年)には株式会社へ組織変更しました。1936年(昭和11年)には清酒の缶詰を初めて発売し、1949年(昭和24年)に清酒輸出が解禁された翌日にはハワイ・ロサンゼルス・サンフランシスコ向けに輸出を開始するなど、早くから海外展開にも取り組んでいます。1964年(昭和39年)には、主要銘柄の名にちなんで社名を沢の鶴株式会社に変更しました。
1978年(昭和53年)には、江戸時代末期に建てられた旧酒蔵を改装した「沢の鶴資料館」を公開し、1980年(昭和55年)に兵庫県から重要有形民俗文化財の指定を受けました。1995年の阪神・淡路大震災では建物が全壊しましたが、免震システムを施したうえで1999年に忠実に再建されています。
2017年には創業300周年を迎え、現在も神戸市灘区新在家南町に本社を構えています。代表取締役社長は西村隆氏(15代目)で、資本金9600万円、従業員数は約180名です。
酒造り
沢の鶴は「米」「水」「人」を灘本流の酒造りの柱と位置づけ、純米酒に強いこだわりを持つ酒造りを続けています。原料米では、兵庫県三木市吉川町実楽地区の農家と約130年にわたり関係を築き、山田錦の特A地区産の良質な酒米を厳選しています。仕込み水には、リンやカリウムを豊富に含む硬水で、名水百選にも選ばれている灘の宮水を使用し、灘の男酒と称されるキレのある味わいを生み出しています。
一部の銘柄には、時間と高度な技術を要する伝統製法である生酛造りを取り入れています。大吟醸「春秀」では山田錦を精米歩合33%まで磨き上げ、蔵独自の「SK-33」酵母を用いて丁寧に仕込むなど、銘柄ごとに製法を作り分けているのも特徴です。
蔵データ
代表銘柄
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沢の鶴
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- 鶴の舞
- 酒道粋人
- 春秀
- 米だけの酒
鶴の舞:純米大吟醸「鶴の舞」は、酒造好適米の山田錦を精米歩合45%まで磨き上げ、灘の宮水を生かして低温でじっくりと醸した銘柄です。日本酒度0.0、酸度1.6と穏やかな味わいのバランスを持ち、上品な香りとなめらかで膨らみのある味わいが特徴で、食前酒としても親しまれています。
酒道粋人:「酒道粋人」は、国分グループの専売商品として展開されている沢の鶴の清酒です。上撰クラスの本醸造や佳撰の辛口タイプ、純米樽酒などを揃え、冷やでも燗でも味わえる、飲み飽きしない灘流の淡麗な飲み口が特徴で、日常の食卓に寄り添う銘柄として流通しています。
春秀:大吟醸「春秀」は、山田錦を精米歩合33%まで磨き、蔵独自の「SK-33」酵母で醸した受注生産の大吟醸です。気品ある香りと繊細な味わいが特徴で、2018年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)日本酒部門大吟醸カテゴリーで金賞を受賞しています。瓶のほか壺入りも用意されています。
沢の鶴:「沢の鶴」は蔵の名を冠した看板銘柄で、上撰・特撰といった本醸造の定番ラインを中心に、カップ酒などの普通酒も展開しています。灘の宮水を用いたキレのある辛口の飲み口が特徴で、冷や・燗のどちらでも楽しめる、日常づかいの食中酒として神戸市灘区の蔵元で長く親しまれています。
米だけの酒:「米だけの酒」は1998年の発売以来のロングセラーで、現在は純米酒として展開されています。米と米麹、水のみを原料とし、醸造アルコールや糖類などの副原料を一切使用していません。糀の量を通常の2倍にした甘やかな味わいのタイプもあり、日本で最も売れている純米酒とされます。
見学・購入
あり(要事前確認)
資料館に隣接するミュージアムショップでは、酒蔵でしか飲めない生原酒の無料試飲や、日本酒に関連した品々の購入ができます。
沢の鶴資料館は阪神・淡路大震災で全壊しましたが、免震システムを施して1999年に再建され、酒造りの工程に沿って見学できます。開館時間は午前10時から午後4時、入館は無料です。休館日は毎週水曜日(祝日の場合は開館)、盆休み、年末年始です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
sakedata.jp / sawanotsuru.co.jp / japansake.or.jp / sakenomy.jp / kakuyasu.co.jp / sakagura-press.com / sake-5.jp / nadagogo.ne.jp / jp.sake-times.com / feel-kobe.jp / rakuten.ne.jp / kokubu.co.jp
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