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司菊酒造

代表銘柄:司菊・きらい

徳島県

TOKUSHIMA

1896年創業

徳島県美馬市に蔵を構える司菊酒造は、1896年(明治29年)に創業した酒蔵です。1955年に銘柄「司菊」の製造販売を開始し、2015〜2016年に醸造アルコールを使わず米と麹のみで醸す「純米酒蔵」へ移行し、2016年に純米酒蔵を宣言しました。酒名の「司菊」は「菊の花のふくよかで気品ある香りを酒の理想」として命名されました。

吉野川や四国山脈に囲まれた自然豊かな環境に位置し、仕込み水には敷地内でくみ上げる四国山系竜王山の地下伏流水や、清流として知られる「穴吹川」の源流水を使用しています。伝統の技を受け継ぐ阿波杜氏の手仕事による酒造りを行っており、杜氏自らが酒造好適米「吟のさと」の米作りに直接携わるなど、原料米の育成からこだわりを持っています。長く主力だった「司菊」に加え、現在の主力で地名「喜来」にちなむ「きらい」や、穴吹川の名を冠した「貴吹川」などの純米酒を展開しています。

司菊酒造の歩み

司菊酒造は、徳島県美馬市美馬町に蔵を構える酒蔵で、明治29年(1896年)に創業しました。創業時の銘柄は「鬼龍(きりゅう)」です。第二次世界大戦中は企業整備によって同業者と一緒になり、銘柄「新興(しんこう)」を造った時期もありました。昭和22年(1947年)12月に司菊酒造有限会社として会社が設立され、昭和30年(1955年)に銘柄「司菊」の製造販売を始めて再出発しています。平成6年(1994年)には司菊酒造株式会社に組織変更しました。

創業以来、蔵では越後杜氏の手造りの技で酒を造ってきましたが、平成11年からはその伝統の技を阿波杜氏が受け継ぎ、阿波杜氏手造りの地酒として醸しています。現在の杜氏は四代目の苛原靖司です。東京農業大学で醸造を学び、神戸の酒蔵などで修業した後、越後杜氏の下で10年間修業を重ね、2000年に四代目として杜氏を受け継ぎました。蔵はこの2000年(平成12年)に、良質の酒造りへと方針を転換しています。

その後は水と米にこだわった銘柄を次々に送り出しました。平成19年(2007年)には四国一清らかとされる穴吹川の水を使った銘柄「穴吹川」を発売し、平成23年(2011年)には自社栽培米を使った銘柄「喜来」を発売しています。平成27年(2015年)には米と麹のみで造る純米酒蔵として進化し、純米大吟醸・純米吟醸・純米酒だけを造る蔵になりました。平成28年(2016年)に純米酒蔵宣言を行って銘柄「きらい」を発売し、平成29年(2017年)には銘柄「貴吹川」を加えています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても7回入賞しています。平成18・19・22・23の各酒造年度は商標「司菊」で、令和元・3・6の各酒造年度は商標「きらい」での入賞です。なお令和元酒造年度は、その年に金賞が選定されなかった年にあたります。高松国税局が開く四国清酒鑑評会では、吟醸酒の部で平成21年(2009年)・23年(2011年)・24年(2012年)に銘柄「司菊」が、令和元年(2019年)に「きらい」が優等賞を受賞しました。

蔵のある美馬地方は、日本百名山の剣山、四国最大の川である吉野川、清流の穴吹川など豊かな自然に恵まれた土地です。吉野川流域は藍染のもととなる藍の一大産地で、江戸時代から明治にかけての代表的な産業でした。蔵の近くには寺院が立ち並ぶ寺町もあります。2026年時点では、徳島県を拠点とするノヴィルホールディングスのグループ会社で、代表取締役社長は久岡征司です。令和2年(2020年)には、東京農業大学と日立トリプルウィンが各地の酒蔵を取りまとめたクラウドファンディング「日本酒プロジェクト2020」に参加しました。

酒造りの特徴

酒造りは、一年で最も寒い大寒の時期に仕込みを行うのが昔からの習わしです。美馬市は市域のほぼ中央を吉野川が横たわり、清流の穴吹川など多くの川が合流する土地で、総面積の約八割が森林です。仕込水には、酒蔵の敷地内にある四国山系竜王山の地下伏流水(井戸水)を使っています。この水は軟水で、やわらかく優しい味わいの日本酒に仕上がります。

原料米は山田錦や吟のさとなど、地元徳島産の米を厳選しています。吟のさとは、農研機構が山田錦を母に育成した酒造好適米です。山田錦の性質を受け継ぎながら栽培耐性を高めた品種で、山田錦は一般米の2〜3倍の価格で取引されるため酒の価格も上がってしまうことから、手の届きやすい価格で美味しい酒を造りたいという思いで用いています。杜氏自らがこの吟のさとの米づくりに携わっているのも特徴です。

「きらい」では、銀(純米大吟醸・精米歩合43%)が山田錦100%、赤(純米吟醸・53%)と黒(特別純米酒・63%)が吟のさと100%、白(純米酒・70%)が国産米で、仕込水はいずれも竜王山の伏流水です。

水についても、竜王山の伏流水に加えて穴吹川の水を使う酒があります。特別純米酒「貴吹川」(精米歩合60%)は穴吹川の源流水で仕込む酒で、杜氏自らがタンクを積んだトラックで源流へ水を汲みに走ります。源流水は竜王山の伏流水よりさらに軟水で、とても柔らかい味に仕上がります。純米酒「穴吹川」(60%)も穴吹川の源流水で造っています。このほか、純米大吟醸「きらい 袋吊り雫一滴 無濾過生原酒」(43%)は火入れも熱殺菌もしない生酒です。

「司菊純米大吟醸」(40%)は、上槽後10日以内に一切炭素を使用せず粗ろ過して熱酒瓶詰し、出荷まで低温貯蔵します。「きらい」の前身にあたる純米生貯蔵酒「喜来」(60%)もあります。

醸造の工程は、精米した米を蒸し、麹と酒母を造ったうえで、初添え、踊り、仲添え、留添えの四日間で三段仕込みを行います。もろみは三十日ほどかけて発酵させ、搾りはお酒の状態を見極めながらゆっくり時間をかけて行います。搾りたての新酒は低温で貯蔵し、搾ってから2週間以内に無濾過で瓶詰めします。杜氏は「毎年同じ条件で、同じ様に造ったとしても、同じ酒にはならない。」と語り、酒を生きものとして見極めながら造っています。清酒のほかに、杜氏が酒造りで培った舌を生かして味を仕上げた「すだちサイダー」もあります。

代表銘柄

司菊

蔵名にもなっている司菊は、昭和30年(1955年)に製造販売を始めた銘柄です。「菊の花のふくよかで気品ある香りを酒の理想」として命名されました。現在は「司菊純米大吟醸」(精米歩合40%)として造られ、上槽後10日以内に一切炭素を使用せず粗ろ過して熱酒瓶詰し、出荷まで低温貯蔵します。平成18・19・22・23の各酒造年度の全国新酒鑑評会では、この商標で入賞しています。四国清酒鑑評会の吟醸酒の部でも、平成21・23・24年に優等賞を受けています。

きらい

「きらい」は、平成28年(2016年)の純米酒蔵宣言とともに発売した銘柄で、名は徳島県の古い地名「喜来」にちなみます。酒造好適米「吟のさと」を初めて使った「喜来」を進化させた酒で、純米大吟醸の銀(43%)、純米吟醸の赤(53%)、特別純米酒の黒(63%)、純米酒の白(70%)があります。仕込水は竜王山の伏流水です。令和元・3・6の各酒造年度の全国新酒鑑評会でこの商標で入賞しています。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
ノヴィルグループのオンラインショップ「吟のさと」が公式通販です。
補足
酒蔵見学と蔵内での試飲はできません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
徳島県美馬市美馬町字妙見93
創業
1896年
公式サイト
www.tsukasagiku.co.jp

出典

novil.co.jp / sake-times.com / tsukasagiku.co.jp / sakenomy.jp / japansake.or.jp / kotobank.jp / kirai.jp / tsukasagiku.blogspot.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / naro.go.jp / gin-sato.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / web.archive.org

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