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酒ぬのや本金酒造

代表銘柄:本金・太一すっぴん

長野県

NAGANO

1756年創業

長野県諏訪市に位置する「諏訪五蔵」のひとつで、1756年(宝暦6年)に宮坂伊三郎が分家独立して酒造業を開始した酒蔵です。銘柄名「本金」の左右対称の文字には、「裏表のない商売」や「本当の一番(金)の酒を醸す」という想いが込められています。仕込み水には霧ヶ峰の伏流水を使用し、地元の長野県産美山錦をはじめとする酒米を用い、人の手による丁寧な酒造りを大切にしています。看板商品「太一」は50年以上蔵を支えた杜氏・北原太一氏の名に由来しており、かつて同氏のもとで長野県産美山錦を用いた酒が全国新酒鑑評会にて金賞を受賞しました。

現在は9代目蔵元杜氏のもと、食事に寄り添うお酒を目指し、少量ながら人の感覚を大切にした真面目な酒造りを続けています。

酒ぬのや本金酒造の歩み

酒ぬのや本金酒造は、長野県諏訪市の上諏訪にある酒蔵で、真澄、舞姫、麗人、横笛とともに「諏訪五蔵」の一つに数えられます。創業は宝暦6年(1756年)で、宮坂伊三郎が酒株を譲り受け、分家の志茂布屋(しもぬのや)として酒造業を始めました。屋号は志茂布屋で、当時の上諏訪町、いまの諏訪2丁目のあたりには13軒の造り酒屋があり、その中の1軒でした。

ご先祖は酒造業のほかにも諏訪の町の文化や商売の発展に力を尽くし、諏訪湖に川えびやしじみを放流したほか、『諏訪旧蹟誌』という書物をまとめ、神社の神主も務めました。明治、大正、昭和と時代が移るなかで、屋号は志茂布屋から酒布屋に改められました。戦時中の混乱では、国の政策で酒造蔵が縮小され、廃業を迫られる蔵も出ましたが、本金は保有工場となって廃業を免れました。

そのころに、現在につながる本金の酒造りの流れができあがりました。当時はまだ地域に酒造りの技術者がおらず、広島から杜氏を招いていました。その中で学んだ富士見乙事出身の三井氏が諏訪杜氏として本金を醸し、同じく乙事出身の北原太一氏へと受け継がれました。北原氏は高校卒業後から蔵人として通うようになり、本金一筋で50年以上酒を醸し続けた人です。杜氏として、本金に初の全国新酒鑑評会金賞をもたらしました。山田錦が多くの賞を占めるなかで、長野県産の美山錦での受賞だった点にも意味がありました。

製造量は百石強と、ごく小さな規模の蔵で、家族5人を中心に営む小さな造り酒屋です。9代目蔵元の宮坂恒太朗さんは、東京から諏訪に戻った当時を、売れ行きが悪く、タンク3本分ほどしか仕込まない状況だったと振り返っています。味には北原杜氏の酒という自信があり、変えるべきは売り方だと考え、酒屋を回り、市や商工会議所の集まりであいさつを重ねて「本金」の名を知ってもらうところから始めました。杜氏は平成20年(2008年)に北原氏から蔵元の恒太朗さんへ引き継がれ、現在も蔵元杜氏として酒造りの指揮をとっています。

受賞では、全国新酒鑑評会で平成12酒造年度と平成15酒造年度に金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降に限ると、平成15酒造年度の金賞を含めて計10回入賞しており、ほかに平成14、16、17、29酒造年度と令和元、2、5、6、7酒造年度にも入賞しています。関東信越国税局酒類鑑評会では、純米吟醸酒の部で第88回(平成29年)、第89回(平成30年)、第91回(令和2年)、第93回(令和4年)、第94回(令和5年)、第96回(令和7年)に優秀賞を受けました。

長野県清酒品評会の純米吟醸酒部門では、第70回(令和5年)と第71回(令和6年)に県知事賞を受賞しています。海外では、International Wine Challenge 2017のSake部門で「本金 純米大吟醸 美山錦」が銀賞(Silver)に選ばれました。

酒造りの特徴

仕込み水には霧ヶ峰の伏流水を使います。酒米は美山錦をはじめ、諏訪産の山恵錦、諏訪郡原村産のゆめしなの、あきたこまちなどを酒によって使い分けています。味のコンセプトは「すっと飲みやすい」「程よく味と香りが膨らむ」「主張しすぎない」の3つで、食事や人と人とのコミュニケーションのための酒であることを大切にしています。造りでは「人の手で作ること」にこだわり、麹や酵母は生きものなので、手触りや水分量など目で見て触ってわかる人の感覚を大切にしています。

2020年時点では、洗米にジェット気泡で米の汚れを落とす自動洗米機を使い、手洗いによる米の割れや洗い方のばらつきを抑えていました。麹室は壁の中や台の下に籾殻を敷き詰めて保温性を高めた造りで、酒によって米と酵母を使い分け、発酵途中の泡が立つ「泡あり酵母」も使っていました。醪の搾りには自動圧搾機のヤブタを使い、酒を空気に触れさせにくい搾り方です。蔵は3階建てで、いまはすべて1階で製造していますが、かつては2階で米の工程を行い、床の穴から1階のタンクへ落として発酵させる造りでした。

定番は、北原太一杜氏の名を冠した本醸造「からくち太一」(精米歩合60%)で、すっきり辛口の酒質で、本金の看板商品です。太一の生原酒にあたる本醸造生原酒「樋の口」(精米歩合60%)は、濃い味わいのたっぷりした酒です。黄色ラベルの「本金」はアルコール添加酒で、麹米60%、掛米70%の精米です。純米酒は精米歩合59%、純米吟醸は55%で、鑑評会用の出品酒でもある純米大吟醸は39%まで磨いています。

季節の酒も揃えています。令和7酒造年度には、美山錦を55%まで磨き長野D酵母で醸した純米吟醸「美青(みお)」のうすにごり生原酒と活性にごり、諏訪産の山恵錦を59%に磨いた純米の無濾過生原酒と火入れ、白麹のクエン酸を生かした夏の純米「雨あがりの空と」、ひやおろしなどが造られました。純米の無濾過生原酒では、麹米に美山錦、掛米にあきたこまちを使っています。日本酒を練り込んだ生チョコ「本金 日本酒ショコラ」は、諏訪市推せんみやげ品にも選ばれています。

代表銘柄

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本金

「本金」は、蔵の名を冠した銘柄です。左右対称の2文字には、裏表のない商売と、本当の一番(金)の酒を醸すという願いが込められています。すっと飲みやすく、味と香りが程よく膨らむ、主張しすぎない食中酒を目指し、純米酒や純米吟醸、純米大吟醸のほか、看板の本醸造「からくち太一」とその生原酒「樋の口」も造っています。

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太一すっぴん

販売店では「すっぴん太一」の名で扱われる、毎年12月ごろに出る冬の本醸造です。無濾過生原酒で、諏訪郡原村産のゆめしなのを精米歩合60%まで磨き、アルコール度数は18度です。令和4酒造年度から7酒造年度まで毎冬続けて発売され、新酒らしい若さのある味わいが特徴です。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵は諏訪市諏訪2丁目8番21号にあります。日曜が定休日です。営業時間は、お出かけ前に蔵へ確認すると安心です。
補足
酒蔵見学は受け付けていません。上諏訪の甲州街道沿いに5蔵が並ぶ「諏訪五蔵」の酒蔵めぐりでは、本金を含む各蔵の酒を呑み歩くことができます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
長野県諏訪市諏訪2丁目8番21号
創業
1756年
公式サイト
honkin.net

出典

honkin.net / wikipedia.org / liqlog.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / gitc.pref.nagano.lg.jp / internationalwinechallenge.com / suwakanko.jp / suwa-tourism.jp / city.suwa.lg.jp / jizakeyakodama.com / sake-masashi.shop / note.com

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