SAKE BREWERY — NAGANO

湯川酒造店

長野県木曽郡木祖村薮原1003-1 1650年創業

紹介

長野県木曽郡木祖村の薮原宿に所在する湯川酒造店は、江戸時代初期の1650年(慶安3年)に創業した長野県内でも屈指の歴史を持つ酒蔵です。旧中山道の難所に面した宿場町で、旅人や地元の人々の酒を醸し続けてきました。標高936メートルという寒冷な気候風土を活かし、「社員全員で酒造り」の姿勢で醸造に取り組んでいます。代表銘柄には伝統の「木曽路」や「十六代九郎右衛門」「燦水木」があり、米麹を通常より多く使用した「木曽路 三割麹」や限定品の「木祖地」なども手がけています。現在は16代目当主の湯川尚子氏と、夫で杜氏の湯川慎一氏を中心に、山廃・生酛仕込など伝統と新たな挑戦を組み入れた酒造りを行っています。受賞歴も豊富で、全国新酒鑑評会で複数回の金賞を受賞しているほか、2023年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では「十六代九郎右衛門 純米吟醸 美山錦」が最高賞である「Champion Sake(チャンピオン・サケ)」を受賞しました。

歴史

湯川酒造店は1650(慶安3)年、中山道木曽路の宿場町・薮原宿で創業した長野県内でも屈指の歴史を持つ酒蔵です。木曽谷では良質な木材を年貢として納める代わりに米を得るという地域独自の仕組みがあり、そうして手に入った米を使って2代目九郎右衛門が酒造りを始めたと伝えられています。薮原宿は鳥居峠の難所を控えた宿場として、山仕事に就く日雇いの職人が各地から集まる町でもありました。

歴代当主も地域と深く関わってきました。9代目は高遠藩から扶持米を賜り、11代目は尾張藩から名字の公称と帯刀を許されています。13代目・寛夫は短歌に通じ、蔵の枕流館にはアララギ派の歌人たちが集ったほか、村長として村内整備にも尽力しました。14代目・須磨夫は「木曽路」を商標登録し、先代・寛史は法人化を進めて「木曽路」の販路を全国に広げ、新銘柄「十五代九郎右衛門」を立ち上げています。

2011年には長女の湯川尚子が16代目当主となり、夫の慎一が杜氏を務める体制に移りました。銘柄「十六代九郎右衛門」は、蔵元杜氏である夫妻自身を表した名前とされています。近年は2023年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門で「十六代九郎右衛門 純米吟醸 美山錦」が最高賞のChampion Sakeを受賞したほか、全国新酒鑑評会でも令和2酒造年度・令和3酒造年度に「木曽路」が金賞を受賞しています。2025年11月には杜氏の湯川慎一が長野県の「信州の名工」(清酒製造工)に表彰されました。

2024年には築150年の酒蔵母屋をリノベーションした「酒蔵YUKAWA」を新たに開業し、ショップとカウンターバーを備えた形で蔵の歴史とこれからを発信しています。

酒造り

蔵がある木祖村は標高936mの高地に位置し、気圧の影響で蒸気の沸点は約96℃までしか上がりません。冬は真冬日が続き、マイナス17℃まで冷え込むこともある寒冷地です。仕込み水には木曽川源流の水を酒蔵の井戸で汲み上げて使用しており、硬度は約52mg/Lの軟水です。標高由来の低い蒸気温度に寒さが加わることで、蒸米の水分量が多くやわらかく仕上がる傾向があり、これが米麹や酵母の発酵に影響を与えるとされています。

酒米は長野県産のひとごこち・美山錦・金紋錦・山恵錦のほか、兵庫県東条産の山田錦・愛山、岡山県赤磐産の雄町米などを用いています。

仕込みには生酛仕込みや、山廃で自然の乳酸菌を活用する手法を採り入れ、商品によっては酵母無添加の生酛仕込みも行っています。社員全員が造り手であるという意識のもと、伝統的な醸造技術と新たな挑戦を組み合わせた酒造りを続けています。

蔵データ

所在地

長野県木曽郡木祖村薮原1003-1

創業

1650年(長野県)

公式サイト

yukawabrewery.com

代表銘柄

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燦水木:原料米の産地・醸造地・銘柄の命名・書のすべてが木祖村産という、地元完結型の特別純米酒です。2006年に寒冷地向け品種ヨネシロの栽培を復活させて仕込みを始め、現在は原料米を木祖村産あきたこまちに切り替えています。看板銘柄「木曽路」とは別に、木祖村色を前面に打ち出した限定色の強い一本です。

木曽路:湯川酒造店が古くから地元で愛されてきた看板銘柄で、米の旨みたっぷりのふくよかな味わいを守りつつ、時代の流れに合わせて少しずつ進化させています。普通酒から純米大吟醸まで幅広いラインナップを持ち、生酛仕込み山田錦磨き35や山恵錦を使った純米酒、しぼりたてや夏酒など季節商品も展開。全国新酒鑑評会では令和2酒造年度・令和3酒造年度に金賞を受賞しています。

木曽路 三割麹:「木曽路」ブランドの一商品で、信州産ひとごこち(梓の郷島内ファーム契約栽培米)を精米歩合70%まで磨き、通常約20%の麹歩合を30%まで高めて仕込んだ純米酒です。アルコール度数16度の原酒で、フレッシュバナナのような甘酸のリッチな味わいと骨太な飲みごたえが特徴。冷酒や常温はワイングラス、ぬる燗での飲用も勧められています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

2024年に開業した「酒蔵YUKAWA」(築150年の酒蔵母屋をリノベーションした施設)のショップで、木曽路・十六代九郎右衛門(限定商品)・燦水木を販売しているほか、公式オンラインショップでも通信販売を行っています。

補足

食品衛生の観点から酒蔵見学は実施していません。「酒蔵YUKAWA」の奥座敷では予約制でテイスティング(2,700円/人)やお重弁当付きプラン、蔵元との日本酒トークが提供されており、予約は2週間前までの申込が必要です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

yukawabrewery.com / nagano-ken.jp / sakedata.jp / jizakeyakodama.com / kiso-catalog.jp / jp.sake-times.com / nrib.go.jp / shimintimes.co.jp

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