SAKE BREWERY — HYOGO

菊正宗酒造

兵庫県神戸市東灘区御影本町1-7-15 1659年創業

紹介

菊正宗酒造は1659年(万治2年)、徳川4代将軍家綱の時代に兵庫県神戸市の御影にて創業した歴史ある酒造メーカーです。江戸時代には灘から江戸へと運ばれる「下り酒」として親しまれ、大いに発展しました。同蔵は「品質本位」と「辛口ひとすじ」の姿勢を貫いており、伝統的な酒造技術である「生酛(きもと)造り」に強いこだわりを持っています。六甲山系の銘水「宮水」や兵庫県産の酒米「山田錦」を用い、丹波杜氏伝承の技で料理の味を引き立てるすっきりとした辛口酒を醸造しています。代表銘柄の「菊正宗」をはじめ、紙パック酒の定番「キクマサピン」、すだち果汁をブレンドした「すだち冷酒」、吉野杉の酒樽で仕込む樽酒、新ブランド「百黙」など、時代に合わせた多様な商品を製造・販売しています。

歴史

菊正宗酒造の創業は1659年(万治2年)で、徳川四代将軍家綱の時代にあたります。材木商として活躍していた嘉納治郎太夫宗徳が、当時最先端の産業であった酒造業に進出し、神戸・御影の本宅敷地内に酒蔵を建てたのが始まりです。嘉納家は文化・文政期(1804年〜1829年)の数十年間で石高を約3倍に増やし、幕府の御用商人的な立場を築くまでに成長しました。1790年には江戸へ複数の銘柄を送り出しており、江戸時代を通じて「下り酒」として発展を続けました。

明治期に入ると、1877年にイギリスへ清酒を初めて輸出し、1886年には「菊正宗」の商標を登録しました。この銘は本嘉納家8代目秋香翁が庭先に咲く一輪の白菊を見て名付けたと伝えられています。明治期には秋香翁がドイツから顕微鏡を購入して西洋の学問を修めた技術者を招くなど、レンガ造りの酒蔵やビン詰め工場を整備し、業界に先駆けて近代化を進めました。1918年には宮内省御用達を拝命し、1927年には菊正宗・白鶴・桜正宗の3家が共同で灘中学校を設立しています。

1947年には昭和天皇が本社に行幸しました。1945年の戦災で大部分の蔵を焼失しましたが、残った3蔵から復興を遂げました。1971年には酒造用具一式が国の重要有形民俗文化財に指定されました。1995年の阪神・淡路大震災で酒造記念館が被災しましたが、1999年に復興を果たしています。2009年の創業350年を機に、丹波杜氏伝承の技法により本醸造シリーズを菊栄蔵で生酛化しました。

酒造り

生酛造りは、水・米・米麹だけを原料に、昔ながらの手作業で酵母を育てる「酛(もと)」づくりに約4週間をかける伝統製法です。乳酸を添加する速醸酛に対し、蔵に棲みつく自然の乳酸菌の力を借りて酛を育てるため、速醸酛の倍以上の時間と手間がかかります。この方法で育った酵母は高濃度のアルコール環境でも死滅しにくく、力強く生命力の強い酒母になるとされています。出来上がる酒はペプチド態アミノ酸を多く含むことで生まれる奥行きのある「押し味」が特徴で、野性味がありながら嫌な甘さが残らず、すっきりとキレのあるのど越しに仕上がります。

同社は灘五郷の一つ御影郷に本拠を置き、丹波杜氏の技を受け継ぐ嘉宝蔵で寒造りを行っています。樽酒にも力を入れており、市場でトップシェアを誇る商品です。1965年に新設した四季醸造蔵「菊栄蔵」では、2009年の創業350年を機に本醸造シリーズの生酛化を実現しました。

蔵データ

所在地

兵庫県神戸市東灘区御影本町1-7-15

創業

1659年(兵庫県)

公式サイト

www.kikumasamune.co.jp

代表銘柄

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菊正宗:「菊正宗」は同社の看板銘柄で、伝統の生酛造りによる辛口を貫く「本流辛口」を掲げています。上撰・佳撰・特撰など幅広いラインナップを展開し、特に関東地方で高い人気を誇ります。樽酒でも市場トップシェアを持ち、料理の味を引き立てる食中酒として親しまれています。

キクマサピン:1983年発売のロングセラー紙パック酒で、パック酒の元祖のひとつとされています。国産米を100%使用し、アルコール分は14%以上15%未満。しっかりとした飲み応えがありながら飲み飽きしないすっきりとした辛口が特徴で、冷や・常温・ぬる燗など様々な温度で楽しめます。500mL・2.0L・3Lなど容量展開も豊富です。

すだち冷酒:辛口の日本酒に徳島県産すだち果汁をブレンドしたリキュールで、アルコール分10%。すがすがしい香りと爽やかな酸味が特徴で、甘すぎずすっきりとした味わいに仕上げています。冷やしてストレートのほか、氷を入れたオンザロックでも楽しめ、さっぱりした料理からスタミナ料理まで幅広く合わせられます。1.8Lと900mLの紙パックで展開されています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

記念館内の売店では、記念館限定商品として「奉献 純米吟醸」「大吟醸 菊絵徳利」「酒まんじゅう」を販売しているほか、「百黙 純米大吟醸」「シェリー樽貯蔵 大吟醸」やなら漬けなどの食品も取り扱っています。名物のオリジナルスイーツ「酒蔵ソフトクリーム」も人気です。

補足

営業時間は9:30〜16:30、入館無料です。定休日は2026年4月から火曜日(祝日の場合は翌水曜日)で、それ以前は年末年始のみでした。10名未満は予約不要で自由見学、10名以上40名未満は公式サイトからのオンライン予約、40名以上は電話予約が必要です。季節の生原酒などを楽しめる試飲コーナーもあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

japansake.or.jp / kikumasamune.co.jp / kikumasa-cosme.jp / kikumasamune.shop / sakagura-press.com / ja.wikipedia.org / kobecco.hpg.co.jp

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