大塚酒造
代表銘柄:竹雀
岐阜県
GIFU
1884年創業
岐阜県揖斐郡池田町に所在する1884年(明治17年)創業の酒蔵です。池田町唯一の造り酒屋で、家族を中心とした小規模な体制で酒造りを行っています。
現在の6代目蔵元杜氏・大塚清一郎氏が三重県の蔵元(元坂酒造)での修業を経て自蔵に戻り、2010年に立ち上げたブランドが代表銘柄の「竹雀(たけすずめ)」です。銘柄名は、大塚家の家紋である「竹に雀」に由来しています。
醸造では全量800kg以下の小仕込みを採用し、伝統的な生酛(きもと)造りや山廃仕込みを中心とした丁寧な手作業を徹底しています。香りや華やかさよりも米の旨味と酸味を大切にし、冷酒だけでなく燗酒でもおいしく味わえる力強く芯のある食中酒づくりが特徴です。また地産地消にも注力しており、地元・池田町産の米(「ハツシモ」や「山田錦」など)や近隣を流れる粕川の伏流水を用い、地域の気候風土を表現した酒造りを続けています。
大塚酒造の歩み
大塚酒造は、岐阜県揖斐郡池田町池野にある、池田町で唯一の造り酒屋です。蔵は、西国三十三所の結願寺として知られる谷汲山華厳寺へ通じる谷汲街道(巡礼街道)沿いにあります。先祖はもともと、現在の大垣市久瀬川町にあたる地で油を搾っていましたが、牧田川や杭瀬川の氾濫で油が流されてしまいました。そこで1884年(明治17年)、旅人が立ち寄る花街として栄えていた現在の場所へ移り、店を始めました。これが大塚酒造の創業です。
蔵元の大塚清孝さんは、造り酒屋になったのは1886年(明治19年)だと説明しています。最初に造った酒は「清松正宗」で、「清松」は初代・清太郎の「清」と妻お松の「松」から、「正宗」は名刀正宗にあやかり、キレのいい酒ができるようにとの願いから付けた名前です。
昭和25、6年ごろに、蔵は未納税移出の蔵に変わりました。大きな蔵が足りない酒を小さな蔵から買い上げ、自社ブランドとして出荷する仕組みで、当時の地方の小さな酒蔵の多くがこの形で経営を支えていました。毎年11月初めには新潟から杜氏や麹屋、精米屋など6人ほどが訪れ、3月下旬まで泊まり込みで仕込みを行っていました。しかし昭和の終わりから平成の初めにかけて、日本酒の需要が伸び悩み、大手が契約を打ち切ったことでこの体制は崩れました。
廃業も考えた蔵元の大塚清孝さんを励ましたのが、当時大垣市にあった五明酒造と大塚酒造の両方を見ることになった丹波杜氏の原田利治さんです。蔵は岐阜県特産のハツシモを使った純米酒「初霜」の造りを続け、2012年には「あなたのお米をおさけにしませんか」という取り組みが6回目を迎えました。ハツシモ1俵と1万円を一口として清酒12本(1.8リットル換算)を受け取れる企画で、この年は35名、玄米で65俵が集まりました。
6代目の大塚清一郎さんは、東京農業大学醸造科を卒業後、三重県の元坂酒造で2年間酒造りを学んで蔵に戻りました。それまでの蔵は、地元向けの小さな造りを続けていました。2010年に清一郎さんが立ち上げた新ブランドが「竹雀」です。酒名は大塚家の家紋「竹に雀」にちなみ、剣道に打ち込んだ清一郎さんが防具に付けていた紋でもあります。2021年までの11年間で醸造量は3倍強に増え、飲食店から高い評価を受けるようになりました。
酒造りの特徴
2021年の時点で、酒造りは杜氏の清一郎さんと妻の亜希子さん、清一郎さんの両親という家族だけで担う、家内制手工の蔵です。仕込みはすべて米800キログラム以下の小仕込みで、華やかな香りや甘さを前に出さず、芯があって飲み飽きず、燗にしてもおいしい酒を目指しています。
竹雀の中心は、生酛造りと山廃仕込みです。町内産の山田錦で醸す生酛の純米酒は、酵母を添加しない伝統的な造りで、無濾過で仕上げます。生酛では、蒸した米と水、麹を杜氏と蔵人3人ですりつぶす酛摺りを、一番櫂から三番櫂まで3時間ほどあけて繰り返します。さらに暖気を使った品温管理で糖化と発酵を進め、仕込み期間は30日以上に及びます。
米と水は地元のものを大切にしています。蔵の近くの田んぼで契約農家の野網さん親子3人が育てた山田錦を使い、その田んぼの水も仕込み水も、近くを流れる粕川の伏流水です。このほか雄町、五百万石、ハツシモなども使います。2021年時点では、全量を池田町内産の米で生酛造りにすることを目標に掲げ、土地の気候風土を酒として表現することをめざしていました。
「初霜」に使うハツシモは大粒の晩稲で、霜が降りるころに収穫されることから名が付いたといわれます。飯米のため粘りが強く、放冷すると餅のように固まったり、機械にくっついたりと扱いが難しい米です。西濃地方では昭和53年ごろに5社がハツシモでの酒造りを始めましたが、次々に撤退し、2012年には大塚酒造だけが、すべての工程を手作業で初霜を造っていました。大塚酒造は1978年(昭和53年)からハツシモで酒を造っており、「初霜」は池田町の「池田の太鼓判」に認定第9号として認定されています。
代表銘柄
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竹雀
竹雀は、2010年に6代目の大塚清一郎さんが立ち上げた大塚酒造の代表銘柄です。酒名は大塚家の家紋「竹に雀」に由来します。生酛や山廃を中心に、山田錦、雄町、五百万石などで純米酒を醸し、無濾過生原酒や超辛口の純米もあります。華やかな香りや甘さは抑えめで、米の旨味と酸味が調和し、燗にしても味がまとまる食中酒です。
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- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 2026年時点では、蔵で直売を行っています。
- 補足
- 2026年時点では、酒蔵見学は受け付けていません。蔵は谷汲山華厳寺へ通じる谷汲街道沿いにあります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 岐阜県揖斐郡池田町池野422
- 創業
- 1884年
出典
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