善哉酒造
代表銘柄:善哉 辛口
長野県
NAGANO
長野県松本市の市街地に唯一現存する酒蔵です。創業は江戸時代末期で、1955年12月に善哉酒造株式会社が設立されました。銘柄名「善哉(よいかな)」は、仏教用語でお釈迦様がお弟子を褒める際に使った「よきかな(真理にかなっている、素晴らしいの意)」に由来します。最大の特長は、敷地内から湧き出る「女鳥羽の泉」を仕込み水から洗米に至るすべての酒造り工程で使用している点です。この水は環境省「平成の名水百選」に選定された「まつもと城下町湧水群」の湧水の一つで、やわらかく雑味のない水質を持ちます。
この名水を生かした酒造りにより、淡麗ですっきりとした飲み口の酒を造っています。全国新酒鑑評会では平成12・13・20酒造年度と令和5酒造年度に金賞を受賞しました。代表銘柄は「善哉」と「女鳥羽の泉」です。
善哉酒造の歩み
善哉酒造は、長野県松本市大手にある日本酒の蔵です。創業は江戸時代末期の1860年代にさかのぼり、松本の城下町にはかつていくつもの酒蔵がありましたが、いまも市街地で酒造りを続けているのはこの蔵だけです。法人としての善哉酒造株式会社は、1955年12月の設立です。
銘柄名の「善哉(よいかな)」には由来があります。蔵はもともと別の銘柄で酒を造っていましたが、商標権の関係で新しい名前を探すことになりました。そのとき蔵に下宿していた学者がいくつかの候補を挙げ、当時の社長が選んだのが「善哉」です。仏教の言葉で、釈迦が弟子をほめるときに使った「よきかな」、つまり真理にかなっていることをたたえる意味を持ちます。もう一つの銘柄「女鳥羽の泉」は、蔵の敷地に湧く水と同じ名前を持ちます。
蔵の入口には、環境省の「平成の名水百選」に選ばれた「まつもと城下町湧水群」の一つ、「女鳥羽の泉」があります。美ヶ原を源とする湧水で、地下約30メートルから自噴しており、蔵の前では誰でも水を汲むことができます。仕込み専用の井戸でもあり、蔵はこの水を洗米から仕込みまで、酒造りのすべての工程に使っています。
全国新酒鑑評会では、平成12酒造年度と平成13酒造年度に2年続けて金賞を受賞しました。平成14酒造年度以降も入賞が10回あり、そのうち金賞は平成20酒造年度と令和5酒造年度の2回です。金賞以外の入賞は平成14・15・17・21・23・28・30酒造年度と令和元酒造年度で、平成17酒造年度以降は商標「女鳥羽の泉」で入賞しています。関東信越国税局酒類鑑評会では、吟醸酒の部で平成24年(第83回)と平成29年(第88回)、純米吟醸酒の部で令和元年(第90回)と令和3年(第92回)に、それぞれ優秀賞を受賞しました。
2019年度の全米日本酒歓評会では、大吟醸A部門で女鳥羽の泉が銀賞に入っています。蔵の発表では、令和7酒造年度の長野県の鑑評会で、善哉 純米大吟醸(金紋錦・山恵錦)が金賞を受賞しています。
近年は新しい動きが続いています。2021年5月には女鳥羽の泉 純米大吟醸が長野県原産地呼称管理制度の「奨励酒」に選ばれました。2026年5月には初めての蔵開きを開き、蔵見学ツアーも行いました。代表者は2025年1月時点では穂高啓右氏でしたが、2026年5月時点では別の方に代わっています。また2026年には新銘柄の「水澄吟(みとうた)」も加わっています。
酒造りの特徴
善哉酒造の酒造りは、仕込み水の「女鳥羽の泉」を軸にしています。やわらかく雑味のない水で、淡麗ですっきりした飲み口の酒になります。杜氏は根岸則夫氏で、20年以上の醸造経験を持ちます。原料米は国産米です。
2025年初めの商品一覧では、酒米は銘柄ごとに使い分けていました。女鳥羽の泉の純米大吟醸と純米吟醸は長野県産米100パーセントで、純米大吟醸は精米歩合39パーセント、純米吟醸は55パーセントでした。山廃純米酒は長野県産の美山錦を65パーセントまで磨いて使い、酸度は1.8でした。大吟醸は山田錦を40パーセントまで磨いていました。令和7酒造年度の善哉は、山恵錦、金紋錦、ひとごこちで仕込んだ純米酒が中心で、山恵錦を39パーセントまで磨いた純米大吟醸は低温でじっくり熟成させています。
季節の限定酒も蔵の個性です。「大安吉日 早朝しぼり」は、まだ発酵中の炭酸ガスが残る搾りたてを、蔵出し日を決めて届けるお酒で、2021年12月に本醸造、2022年1月に純米吟醸、3月に純米大吟醸と順に蔵出ししました。令和7酒造年度は、早朝しぼりに加えて袋吊りのおりがらみやうすにごりも出しています。春に火入れして夏を越させるひやおろし、17年間蔵で寝かせた純米古酒も造りました。にごり酒は、発酵を止めるための火入れと殺菌のための火入れを合わせて2回行います。
酒以外では、米麹100パーセントで仕込み水の女鳥羽の泉を使った甘酒を造っています。同じ水を詰めたミネラルウォーター「城下町の湧き水」も販売しています。
代表銘柄
善哉 辛口
「善哉 辛口」は、スッキリとした端麗辛口の普通酒で、蔵の普通酒の一つとして造られていました。日本酒度は+5、原料は国産米と国産米麹、醸造アルコールで、アルコール分は15度です。同じ善哉ブランドの菊印は日本酒度+3、上撰は本醸造で±0と、いずれも冷やでも燗でも合わせやすい日常酒でした。蔵は近年、純米酒を中心にした品ぞろえへ軸足を移しています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵と同じ敷地に直売所「穂髙酒店」があり、蔵元の酒を買えます。有料の試飲もできます。直売所の営業は、2025年初めの公式表記では9時からで、不定休のため、事前に問い合わせてください。なお蔵(会社)の営業時間は月曜から土曜の8時30分から17時で、日曜と祝日はお休みです。
- 補足
- 通常の蔵見学は受け付けていませんが、2026年5月2日から5日に初の蔵開きを開き、蔵見学やミニ杉玉づくり、日本酒のブレンド体験を行いました。蔵の前の「女鳥羽の泉」は誰でも自由に汲めます。蔵には来客用の駐車場が少なく、徒歩や公共交通機関での来訪が向いています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長野県松本市大手5-4-24
出典
returnable-navi.com / sakenomy.jp / jimdosite.com / mgpress.jp / nagano-ken.jp / ameblo.jp / saketime.jp / yoikanasyuzou.jimdosite.com / pref.nagano.lg.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / sake-times.com / biz-maps.com
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