酒造長生社
代表銘柄:信濃鶴
長野県
NAGANO
1883年創業
長野県駒ヶ根市に所在する1883年(明治16年)創業の酒蔵です。中央アルプスの伏流水と地元産の酒造好適米「美山錦」を仕込みに使用し、「醸は農なり」の精神のもと酒造りを行っています。仕込む酒のすべてをアルコール添加を行わない純米酒(純米吟醸・純米大吟醸)とする「全量純米蔵」であり、長期低温発酵や低温貯蔵により品質向上に取り組んでいます。
平成9年まで、前任の杜氏のもと醸造用アルコール添加の吟醸酒で全国新酒鑑評会の金賞を6年連続で受賞した実績があり、純米酒でも平成18酒造年度、令和4酒造年度(2023年発表)、令和7酒造年度などで金賞を獲得しています。代表銘柄「信濃鶴」のラインナップには、蔵元一族の北原名田造の名に由来する「名田造」や、二代目蔵元のあだ名から名付けられた「頑卓」などがあります。
酒造長生社の歩み
酒造長生社は、長野県駒ヶ根市のJR飯田線駒ヶ根駅から南へ数百メートル、線路の東側にある酒蔵です。創業は1883年(明治16年)で、創業者は北原久次郎です。1920年(大正9年)には会社として設立されました。銘柄の「信濃鶴」は、広島の銘酒「賀茂鶴」との縁から、その「鶴」の一字をもらって名付けられました。
蔵が醸す銘柄は信濃鶴だけです。かつては醸造用アルコールを添加した酒も造っており、少量の醸造用アルコールを添加した吟醸酒で、前任の杜氏のもと平成9年まで全国新酒鑑評会の金賞を6年連続で受賞した実績があります。杜氏を継いだ北原さんも、純米蔵宣言の直前の2年間に、アルコールを添加した吟醸酒で同じ金賞を2回受けています。
転機は、杜氏を務める北原岳志さんが2002年に「純米酒しか造らない」と宣言したことでした。北原さんは長男で、大学では工学部に進み、品質管理や経営学を学びました。1990年に家業に入って酒造りのあらゆる仕事を覚え、長く働いてきた杜氏が体調を崩したあと、後任が見つからないまま自ら杜氏になりました。数年の経験を積むうち、日本酒の消費が右肩下がりを続けるのは消費者に受け入れられていないからだと考え、醸造用アルコールを添加しない日本酒本来の姿に戻ることを決め、社長だった父を説得しました。
2007年の時点で、純米酒だけを造る蔵は全国で十数軒でした。
純米酒への切り替え当初は評判が悪く、売り上げも落ち、全国新酒鑑評会の金賞からも遠ざかりました。それでもコクを残しながらキレを出そうと試行錯誤を重ね、2007年に平成18酒造年度の純米大吟醸で全国新酒鑑評会の金賞を得ました。純米酒に絞ったあとでは初めての金賞で、北原さんは純米だけに絞ったことで蔵として一本筋が通ったと語っています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に14回入賞し、うち金賞は平成18・平成21・令和4・令和7の4つの酒造年度です。令和4酒造年度の金賞は2023年5月24日に発表され、この年は長野県が金賞数で全国3位でした。関東信越国税局酒類鑑評会では、平成22年の第81回に純米酒の部、平成30年の第89回に純米吟醸酒の部で優秀賞を受け、さらに第92回(令和3年)から第96回(令和7年)まで5回続けて純米吟醸酒の部で優秀賞を受賞しています。長野県清酒品評会では、2026年の第73回で純米吟醸酒部門の県知事賞を受けました。
蔵元は、2009年、2010年、2013年から2015年にも、この品評会で金賞(県知事賞)をいただいたと伝えています。
酒造りの特徴
原料米は、地元の農家から仕入れる上伊那産の美山錦100パーセントです。蔵は「醸は農なり」の精神を掲げ、地元の水で育った酒米を地元の水で酒にするのが最も自然な流れだと考えています。仕込み水は、地下約40メートルから汲み上げる中央アルプスの伏流水です。
設備は、小さな蔵とは思えないほど充実しています。麹室には5段仕込みの製麹機があり、それでも最後は自分の目と手で面倒を見ないと良い麹はできないと、杜氏は蔵に泊まり込んで麹を見守ります。仕込み蔵のタンクは温度管理のできるサーマルタンクで、もろみは低温でゆっくり発酵させます。搾り機(自動圧搾機)は丸ごと冷蔵室に入っており、気温が上がる時期でも温度を管理しながら搾れます。2015年時点で、酵母は3種類を使い分け、生産量は430石でした。
原料処理の洗米機械や、瓶詰め後の貯蔵用の冷蔵庫も導入し、酒質を高めています。美山錦は味がきれいな反面、線が細く硬くなりがちな米ですが、その持ち味を生かしながら、押しのある芯の強い酒に仕上げるのが信濃鶴の特徴です。2014年の時点では、原料費以外のコストを削減して、アルコール添加酒と変わらない価格で純米酒を出しています。
商品は、純米吟醸60の田皐、純米吟醸55の頑卓、純米大吟醸49の名田造、純米大吟醸39のQJの4種類です。田皐は精米歩合60パーセントで日本酒度は+3、酸度は1.4です。頑卓は55パーセントで日本酒度+2、酸度1.3です。名田造は49パーセントで日本酒度±0、酸度1.1です。QJは39パーセントの最高スペックで、鑑評会の出品酒と同じスペックの酒を、限定で無濾過生原酒に詰めた年もあります。
代表銘柄
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信濃鶴
蔵が醸す唯一の銘柄で、仕込む酒はすべて醸造用アルコールを添加しない純米酒です。原料米は上伊那産の美山錦100パーセントで、中央アルプスの伏流水を使い、低温でゆっくり発酵させます。ラインは純米吟醸60の田皐、純米吟醸55の頑卓、純米大吟醸49の名田造、純米大吟醸39のQJです。田皐は創業者の愛称、頑卓は頑固者で知られた社長・北原卓爾の呼び名、名田造は一族の北原名田造の名にちなみます。
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- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵での販売は行っておらず、上伊那の酒販店などで購入できます。
- 補足
- 営業時間は9時から17時、定休日は日曜・月曜・祝日です。蔵の見学は受け付けておらず、蔵のウェブサイトで360度カメラによるバーチャル蔵元見学を公開しています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長野県駒ヶ根市赤須東10-31
- 創業
- 1883年
- 公式サイト
- shinanotsuru.com
出典
kankou-komagane.com / sena-vision.jp / japansake.or.jp / sakenomy.jp / sake-times.com / shinanotsuru.com / blog.nagano-ken.jp / ina-dani.net / yukinosake.com / shimizuya.info / kikizake.com / pref.nagano.lg.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / ttcn.ne.jp
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