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真名鶴酒造

代表銘柄:真名鶴・奏雨

福井県

FUKUI

1751年創業

真名鶴酒造の建物
真名鶴酒造の建物(2021年撮影)「Manatsuru Brewery 2021-07 ac.jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

福井県大野市にて江戸時代中期の1751年(宝暦元年)に創業した老舗蔵元です。かつては「亀の尾」の銘柄で知られていましたが、蔵を引き継いだ初代・泉善助の出身地を流れる真名川や、地域に伝わる「麻那姫伝説」の鶴にちなみ「真名鶴」へと改称されました。名水百選「御清水(おしょうず)」で知られる大野の、蔵の地下水を仕込みに使い、地元の酒造好適米「五百万石」「さかほまれ」を用いて、機械に頼らない全量手造りによる酒造りを行っています。

すべての製品が吟醸規格の高級酒専門蔵であり、伝統を守りつつも、天然乳酸菌を活用した仕込みやシェリー樽熟成、古代米の使用など革新的な挑戦を重ねています。代表銘柄は「真名鶴」のほか、甘味と柑橘系の爽やかな酸味が特徴の「奏雨 -sow-」などがあり、初心者や海外でも人気を集めています。金沢国税局酒類鑑評会での優等賞受賞や中国の「SAKE-China」での金賞受賞など、国内外の品評会で高く評価されています。

真名鶴酒造の歩み

福井県大野市にある真名鶴酒造は、城下町として栄えた越前大野で宝暦年間、1751年に創業した酒蔵です。当時の銘柄は「亀の尾」でした。江戸時代後期、蔵に奉公に来ていた蔵人が酒造りに非凡な才能を発揮して亀の尾の名声を高め、この蔵人が初代の泉善助として蔵を引き継ぎました。のちに銘柄が真名鶴に改められ、現在に至ります。真名鶴という名は、初代善助の生誕地である真名川上流の西谷地区に伝わる「麻那姫伝説」に由来します。村人を干ばつの飢饉から救うため、自ら淵に身を投げ、鶴の姿になって舞い上がったという話です。

現在の運営法人である真名鶴酒造合資会社は、1957年12月に設立されています。

五代目の蔵元は泉惠介さんです。1963年生まれで、東京農業大学と国税庁醸造試験場で発酵学、醸造学、微生物学を学びました。昭和63年に蔵へ入るとすぐに全製品を吟醸規格に改め、平成9年に合資会社の代表となり、平成10年の秋からは杜氏も兼ねています。跡を継いだ当時の真名鶴は、地元では安酒として知られ、飲みにくいと面と向かって言われたこともあったと、泉さん自身が振り返っています。そこで品質を高めるとともに、独自性のある酒造りに踏み出しました。

平成3年には廃坑になった鉱山の地下坑道を使った長期熟成酒造りを始め、平成5年にはシェリー酒の古樽で熟成させた大吟醸を商品化しています。

鑑評会での実績も重ねています。金沢国税局酒類鑑評会の優等賞は、平成16・17・18・19・21・23・24酒造年度と令和元酒造年度、そして吟醸の部と金沢酵母吟醸の部の2部門で受けた平成29酒造年度の、あわせて9酒造年度で受けています。蔵元の発表では、平成25・28酒造年度を含めて通算15回に及び、このうち平成19・28酒造年度は福井県第一位の首席でした。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度と平成18酒造年度に金賞を受け、平成16、17、20、21、28酒造年度にも入賞しました。

蔵元はこれより前の平成10酒造年度と平成13酒造年度にも金賞があるとしています。2007年の全米日本酒歓評会では、大吟醸Aの部(精米歩合40%以下)で「麻那姫伝説」が金賞に選ばれました。2018年の日本清酒品評会SAKE-Chinaでは、純米大吟醸部門で奏雨が金賞を受けています。このほか蔵元の発表では、ワイングラスでおいしい日本酒アワードで2012年に純米吟醸の奏雨、2013年に大吟醸 福一が金賞を受け、ロンドン酒チャレンジでは2013年から2016年まで4年連続で金賞を受けています。

海外への展開も早くから進めてきました。泉さんは2007年ごろから福井県の輸出支援事業に参加し、2009年の香港を皮切りに、シンガポール、台湾、タイ、米国、中国へと輸出先を広げています。海外向けに開発した「mana1751」シリーズのmana1751premiumは、2016年にロバート・パーカー氏が初めて手がけた日本酒のテイスティングで90点を獲得しています。同じ2016年にはバルセロナでの商談会で人気投票1位となりました。

シェリー樽で熟成した酒や、白麹を使った白ワインのような甘酸っぱい酒がスペインの来場者に好評で、レストランで使いたいという声も寄せられました。

六代目蔵元の泉瑠偉さんは1994年生まれです。東京農業大学を卒業後、カナダとアメリカに留学し、現地の清酒蔵や日本酒バーで世界の日本酒事情を学びました。2010年代末に真名鶴酒造へ入り、製造責任者として令和元酒造年度の金沢国税局酒類鑑評会吟醸の部で優等賞を受けています。この受賞酒となった「大吟醸 ルイ」は、六代目が初めて手がけた大吟醸で、日本酒が苦手な人にも飲んでほしいという思いから開発された、りんごのような甘酸っぱい香りの酒です。2020年12月に新発売されました。

2021年時点では五代目の泉惠介さんが社長と杜氏を務め、親子で新しい味わいの酒造りに取り組んでいます。

酒造りの特徴

酒造りは機械に頼らず、すべて手造りで行っています。蔵は全製品を吟醸規格とする高級酒専門を掲げ、伝統的な手法を守りながら新しい味わいを目指しています。仕込み水には蔵の地下水を使い、蔵元は大野には良い水があるので手を加えず、そのまま酒造りに生かしていると説明しています。大野は九頭竜川の上流にあって周囲を1000メートル級の山々に囲まれた扇状盆地で、積雪が多く、雪解け水や雨が地下にしみ込んで湧き水になります。名水百選の御清水をはじめ水に恵まれ、酒造好適米の五百万石の特産地でもあります。

山廃仕込の純米酒では、自然界の微生物を取り込みながら時間をかけて発酵させ、天然の乳酸菌がつくり出す複雑で濃醇な味わいを目指しています。蔵元は、山廃仕込の酒には独特のくせがあるものの、この酒は飲みやすいと好評だと話します。一方、酵母は金沢系の酵母を使った繊細で上品な吟醸造りを得意としています。福井県が開発した酒米さかほまれを35%まで磨いた純米大吟醸 ルイ サカホマレ35では、福井酵母FK-801を使い、リンゴのような吟醸香の高い酒に仕上げています。

熟成にも独自の工夫があります。シェリー樽熟成大吟醸は、1990年から1991年ごろに白ワインやシェリー酒を吟醸酒に混ぜて味わったことから着想し、スコッチウイスキーがシェリーの古樽を使うことにヒントを得て生まれました。スペインからシェリーの古樽を輸入し、前例のない洋樽での貯蔵について税務署に相談して許可を得たうえで、1993年に500リットルの樽へその年の大吟醸を注いで熟成を始め、同年に発売しています。

2020年にはオロロソとペドロ・ヒメネスの2種類のシェリー樽で熟成させた純米大吟醸を、クラウドファンディングのリターンとして用意し、酵母も福井酵母のFK-802に改めました。

新しいタイプの酒づくりも続けています。美雨roseは原料米の一部に古代米の黒米を使い、ロゼワインのような淡いピンク色に仕上げた酒です。黒米の表面にある赤い色素のアントシアニンが色を生みます。奏雨は焼酎用の白麹を使った酒で、ソーダ割り専用の純米吟醸サマーゴッデスは、この奏雨を原点に生まれました。服飾デザイナーやイラストレーター、ミュージシャンとの協働で現代アートや音楽と結びついた日本酒も手がけ、酒蔵秘蔵特別限定大吟醸には輪島の蒔絵師が金蒔絵を施しています。

代表銘柄

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真名鶴

蔵の名を冠した銘柄で、山廃仕込純米酒や大吟醸 福一、福井県の新酒米さかほまれを磨いた純米大吟醸などが並びます。山廃仕込純米酒は冷やすと繊細でキレがあり、常温ではまろやかに、熱燗にすると酸味の中にコクが感じられます。大吟醸 福一は金沢酵母吟醸の部で優等賞を受けた酒で、首席優等賞の酒としても発売されました。

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奏雨

奏雨 -sow- は、白ワインを思わせる涼やかな酸味とやわらかな甘味を持たせた銘柄です。蔵元は日本酒初心者や女性、海外の方にも好評で、2021年時点で一番の売れ筋だと話します。2018年の日本清酒品評会SAKE-Chinaでは純米大吟醸部門で金賞を受けました。蔵元の発表では、2012年のワイングラスでおいしい日本酒アワードでも純米吟醸の奏雨が金賞に選ばれています。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵に直営ショップがあり、無料で試飲をしながら好みの酒を選べます。駐車場はありません。
補足
酒蔵の見学は受け付けていません。ショップは日曜日と祝日が休みです。最寄りはJR越前大野駅で、徒歩約7分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県大野市明倫町11-3
創業
1751年
公式サイト
www.manaturu.com

出典

fukuisake.jp / maff.go.jp / rurubu.jp / yahoo.co.jp / nom2.jp / sakenomy.jp / sakagura-press.com / fuku-e.com / fuku-iro.jp / manaturu.com / jetro.go.jp / nta.go.jp / chunichi.co.jp / makuake.com / waterserver-mizu.com / sakidori.co / kuraport.com / sakeappraisal.org / nrib.go.jp

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