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小浜酒造

代表銘柄:わかさ・熊川宿・五芒星

福井県

FUKUI

1830年創業

福井県小浜市の日本酒蔵です。ルーツは1830年(文政13年)創業の「吉岡蔵」(小浜市中井)と1862年(文久2年)創業の「逸見蔵」(若狭町熊川)にさかのぼり、1965年に両蔵が合併して「株式会社わかさ冨士」となりました。わかさ冨士が酒造業から撤退した後、「地酒の灯を絶やさない」という思いのもと、2016年に「株式会社小浜酒造」が設立され、2017年に旧吉岡蔵の跡地で50年ぶりに酒造りが復活しました。

代表銘柄は「わかさ」や「熊川宿」など。小浜産の山田錦や五百万石を使い、仕込み水は蔵の前を流れる南川の伏流水で、「百伝ふ」には平成の名水百選「雲城水」を使います。大掛かりな機械はなく、洗米・浸漬を10kgずつ秒単位で管理するなど、丁寧な原料処理を心掛けています。

受賞歴としては、ルクセンブルク酒チャレンジ2022の純米吟醸部門で「純米吟醸わかさ」がプラチナ賞を受賞しています。

小浜酒造の歩み

小浜酒造の源流は、1830年(文政13年)に創業した吉岡蔵です。現在の小浜市中井にあたる地で酒造りを営んでいました。もうひとつの源流が1862年創業の逸見蔵で、こちらは現在の若狭町熊川にありました。

1965年に吉岡蔵と逸見蔵が合併して株式会社わかさ冨士が設立され、小浜地区で唯一の日本酒蔵として酒造りが続けられました。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても平成14・17・18・20・21の各酒造年度に5回入賞し、そのうち金賞は平成18酒造年度と平成20酒造年度の2回です。小浜市は地区ごとの祭りが盛んで、「わかさ」は御神酒として供され、祭りや慰労会にも欠かせない地元の酒でした。

その後、わかさ冨士は酒造業から撤退することになりました。2015年に先代社長から「蔵を引き継いでほしい」という申し出を受けたのが、合併前の吉岡蔵の子孫にあたる吉岡洋一さんと、娘婿の高岡明輝さんです。企業買収ではなく新たに酒造免許を取得する道を選び、「地酒の灯を絶やさない」を合言葉に、2016年11月に株式会社小浜酒造を設立しました。現在は、吉岡洋一さんが社長、高岡明輝さんが代表取締役を務めています。

国税局からは年に6万リットルを製造できる設備を整えることなどが求められ、市や金融機関と調整を重ねました。清酒製造免許を取得したのは平成29年(2017年)4月17日で、2017年に旧吉岡蔵の跡地で50年ぶりに日本酒蔵を復活させました。「わかさ」のブランドは引き継ぎましたが、設備も人も原料も入れ替わり、新たな杜氏と新しい味づくりに取り組んできました。最初の造りで杜氏を務めたのは、能登杜氏組合の紹介で来た当時87歳の坂頭宝一さんです。

小浜酒造は平成29酒造年度から清酒の製造を始めた新しい蔵です。2019年3月には「わかさ純米吟醸ファンド」と題したクラウドファンディングを行い、24時間で目標の400万円を集めました。2020年時点では、小浜市にある酒蔵は小浜酒造だけでした。同年には、事業継承後3年目に初めて醸した純米吟醸わかさを、小鯛のささ漬けや鯖のへしこといった地元名産品と組み合わせた家飲みセットとしてマクアケで販売し、それまで地元の酒屋と出資者にしか届けられなかった純米吟醸わかさにとって初めてのオンライン販売となりました。

2021年には大吟醸わかさと純米大吟醸若狭を、2022年4月には五芒星を発売しています。

酒造りの特徴

小浜酒造は山あいにある小さな蔵で、製造量は多くありません。仕込みの期間中は、杜氏の下に蔵人が4名ついて醸造を行っています。大掛かりな機械があるわけではなく、杜氏の経験と知恵、そして蔵で働く全員のチームワークが味をつくっています。お酒の良し悪しを分けるのは原料とその処理方法だという考えから、どのランクのお酒でも、洗米と浸漬を10kgずつ秒単位で管理しています。

福井県はコシヒカリが生まれた米どころで、五百万石をはじめ県内各地で酒米が栽培されています。小浜酒造は、有名産地の米を買う道もある中で、地元の米で造ってこそ地酒だという考えから、地元産の米にこだわっています。純米酒わかさと百伝ふは小浜市産の五百万石、純米吟醸わかさは小浜産の山田錦、大吟醸わかさと純米大吟醸若狭は小浜市宮川産の山田錦を使います。上撰わかさは福井県産の一般米です。仕込み水は、蔵の前を流れる南川の伏流水が基本です。百伝ふには、小浜市内で湧き出る平成の名水百選の雲城水を使います。

酵母は、福井県の研究所で開発されたFK-801Cを、純米吟醸わかさ、大吟醸わかさ、純米大吟醸若狭に使い、吟醸熊川宿にはFK-801を使います。純米酒わかさ、上撰わかさ、百伝ふ、岳颪にはきょうかい9号を使います。大吟醸わかさと純米大吟醸若狭は山田錦を38%まで磨き、純米大吟醸若狭は澱が沈むのを待って澱引きをしたのち、無濾過で瓶詰めします。岳颪は小浜市今富地区産の五百万石を使い、濾過も火入れもしていない辛口高アルコールの生酒で、令和2年産は水にも今富地区の井戸水を使った完全地域酒でした。

五芒星は、月の満ち欠けに基づく陰陽道の旧暦に着目し、醸造の全行程を暦上の吉日に行う日本酒です。蔵の近くにある土御門本庁の宮司が「わかさ」を買っていると聞いて訪ねたことが、誕生のきっかけだったと蔵は説明しています。令和3酒造年度の例では、酒母米の初蒸しを天恩日と天赦日が重なる11月12日に、三段仕込みを11月19日、21日、22日に行い、12月17日に搾っています。分析機器による温度管理も行ったうえで、旧暦の意味と職人の知見を生かして醸した酒です。

代表銘柄

わかさ

蔵の看板銘柄です。純米吟醸わかさは、福井酵母FK-801Cで醸し、南川の伏流水を使ったオール福井県産の酒で、精米歩合55%、アルコール度数16度です。現在は小浜産の山田錦を使い、2020年のクラウドファンディングの時点では小浜市産の五百万石でした。蔵の発表では、IWC2021の純米吟醸酒部門で大会推奨酒に選ばれ、ルクセンブルク酒チャレンジ2022の純米吟醸部門ではプラチナ賞(この年の最上位区分)を受賞しています。

熊川宿

わかさ冨士の代から広く愛されてきた吟醸酒です。麹米に山田錦、掛米に五百万石を使い、福井酵母FK-801で醸します。精米歩合は55%、アルコール度数は16度で、日本酒度は+5です。ふくよかな香りに米の旨味があり、日本酒らしい辛さの飲み口で、冷やでも燗でも楽しめます。2024年のJapan Women's SAKE Awardのリッチ&ウマミ部門で金賞を受賞しました。

五芒星

旧暦の吉日に醸造の全行程を行う特別純米大吟醸です。2022年に発売した最初の五芒星は、山田錦を精米歩合50%まで磨いた限定300本でした。ミラノ酒チャレンジ2023では純米大吟醸部門のプラチナ賞とデザイン部門のベストデザイン賞を受け、ルクセンブルク酒チャレンジ2025の純米大吟醸部門では金賞を受賞しています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に直売所を併設しています。営業時間は平日の9時から17時で、土曜・日曜・祝日・ゴールデンウィーク・年末年始は定休です。蔵でしか飲めない酒もあり、試飲もできます。蔵元の公式オンラインショップでも、通常商品、地元向け商品、ギフトセット、特別商品を扱っています。
補足
蔵見学は9時から17時で、希望する場合はなるべく事前に連絡してください。11月から3月は要相談です。JR小浜線の小浜駅から車で約15分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県小浜市中井18-34
創業
1830年
公式サイト
obama-sake.com

出典

obama-sake.com / sake-labo.com / makuake.com / jp.sake-times.com / goshu-pro.jp

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