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久保田酒造

代表銘柄:富久駒

福井県

FUKUI

1753年創業

久保田酒造の建物
久保田酒造の建物(2014年撮影)「Kubota brewery limited.jpg」 — 写真:藤谷良秀 / CC BY-SA 3.0縮小・WebP変換

宝暦3年(1753年)、当時の丸岡藩主(有馬家)の命により、庄屋であった久保田喜兵衛が創業した丸岡町唯一の酒蔵です。代表銘柄の「富久駒(ふくこま)」は、創業者の子々孫々が富み栄えるようにとの願いを込め「福(富久)を見返りつつ駆ける馬(駒)」の姿に由来します。このほか主要銘柄として「鬼作左」なども醸造しています。

「地元の米と水で醸したものこそ地酒」という考えのもと、蔵の横に広がる水田で酒米「山田錦」を自社栽培し、仕込み水には地下200メートルから汲み上げた軟水を使用しています。また、自社で開発した製麹機を活用して麹を製造するほか、伝統的な袋搾り製法を取り入れるなど独自の製法でキレと旨みのある酒造りを行っています。漫画『蔵の宿』のエピソードモデルになった酒蔵としても知られており、事前予約制での酒蔵見学も受け付けています。

久保田酒造の歩み

久保田酒造は、福井県坂井市丸岡町山久保にある、宝暦3年(1753年)創業の酒蔵です。創業のきっかけは、当時の丸岡藩主である有馬家からの命でした。庄屋を務めていた久保田喜兵衛が、現在と同じ地で酒造りを始めています。命の内容は、室町時代に失われた伝説の酒「越前豊原の酒」をふたたび、というものでした。

代表銘柄の「富久駒」は、創業者の子々孫々が富み栄えるようにとの願いを込め、福を見返りながら駆ける馬の姿になぞらえて名づけられました。蔵は合資会社として運営され、現在は11代目の久保田直邦さんが蔵元を務めています。

ほかの銘柄にも由来があります。「鬼作左」は、長篠の合戦の陣中から妻へ宛てた「日本一短い手紙」で知られる、徳川家康の家臣・本多作左衛門の呼び名にちなんだ名前です。この手紙に出てくる「お仙」は、のちの越前丸岡城主・本多成重にあたります。「一筆啓上」は、「日本一短い母への手紙」にちなんで商品化された銘柄です。

純米吟醸「蔵の宿」は、蔵がエピソードモデルとなった漫画『蔵の宿』の連載にあわせて商品化されたお酒です。この漫画は1998年9月から2010年8月まで『週刊漫画TIMES』に連載され、2000年にはテレビドラマにもなりました。

フランスで開かれるフェミナリーズ世界ワインコンクールでは、2019年の第13回大会のリキュール部門で「一筆啓上」が金賞を受けました。2021年の第15回大会でも、リキュール部門で「一筆啓上 百香果のお酒」が金賞、日本酒の純米大吟醸部門で「特撰純米大吟醸 一筆啓上」が銀賞に選ばれています。2024年時点で、坂井市とあわら市で唯一の造り酒屋でもあり、毎年3月には酒蔵開放を行っています。

酒造りの特徴

蔵が掲げるこだわりは三つあります。一つ目はこの地から湧き出ている地下水、二つ目はその地下水と似た水質の水田で自社栽培した酒米、三つ目は高品質で安定した麹造りです。「日本酒の味を決めるのは、麹6割、米1割、水1割、造り手の技術2割」という考えのもと、「一麹・二モト・三造り」という格言を大切にし、キレのよい旨い酒を目指しています。コンセプトは「うまくなければ酒じゃない」で、食に合うスッキリとした日本酒造りをしています。

水と米は、できるだけ地元のもので賄っています。蔵で使う水はすべて、地下200メートルから汲み上げた軟水を紫外線で殺菌したものです。原料米は福井県産の酒米だけを使い、その8割以上を蔵の横に広がる水田で栽培しています。「鬼作左」は、蔵の隣の水田で育てた山田錦で仕込みます。農薬には、アキアカネの生態系に影響のないものを選んでいます。2018年の取材時点では、有志を募って酒米の田植えや収穫の体験も行っていました。

麹造りには、自社で開発した製麹機を使っています。先代が酒造りを追求するあまり作り上げたもので、蔵元は「麹は酒の命」と語ります。酵母は、蔵の自社酵母を大学の研究室で保管してもらっているものを使っています。酒造りの器具は熱湯と強酸性水だけで殺菌し、薬品が残らないようにしています。造りは少人数で行い、仕込み蔵では杜氏が櫂棒でもろみを混ぜます。櫂棒は使う人の身長や使い勝手に合わせてあつらえるため、長さが一本ずつ違います。大吟醸「杜氏一献」は、独自の製麹法による吟醸らしいフルーティーで涼やかな香りが特長です。

搾りでは、蛇腹式の自動圧搾機のほか、重力だけで酒を落とす袋吊り搾りも取り入れています。袋吊り搾りは、もともとイベント限定で始めたものが、町長に気に入られて要望に応える形で続いているものです。「鬼作左」は自社栽培の山田錦だけで仕込む銘柄で、袋吊り搾りの純米生原酒は、雑味の出にくいやさしい口当たりが持ち味です。純米燗酒の「鬼作左」は、搾った酒を加水して度数を落とし、2度火入れしたお酒です。日本酒を使った梅酒「梅霞」や柚子酒「柚子丸」、炭酸入りの「越前すぱーくりんぐ」といったリキュールも手がけています。

代表銘柄

富久駒

宝暦3年(1753年)の創業以来の代表銘柄で、福井県を代表する酒として広く知られています。創業者の子々孫々が富み栄えるようにとの願いから、福を見返りながら駆ける馬の姿を銘としました。蔵では普通酒の「富久駒」のほか、生貯蔵酒の「爽」なども造っています。造りの信条は、麹を最も重んじ、キレのよい旨い酒を目指すことです。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に併設の売店があり、日本酒やリキュールのほか、蔵でしか販売していない商品もあります。営業は午前9時から午後5時までです。
補足
酒蔵見学は予約制で、前日までに電話かお問い合わせフォームで申し込みます。当日の申し込みは受け付けておらず、蔵の都合で断られることもあります。見学は午前9時から午後5時の間で、午後4時開始の回が最後です。内容は蔵の歴史と酒造りの説明、蔵の案内、利き酒、買い物で、所要時間は約45分です。料金は一人500円で、おちょこのお土産と、販売している約10種類のお酒の試飲がつきます。一人1,500円の有料試飲では、見学に加えて非売品の古酒3種の飲み比べができます。運転される方の利き酒はできません。団体の場合はファクスでの申し込みに限られ、酒蔵喫茶は休止中です。毎年11月から2月の仕込みの時期に訪れると、酒造りの様子がより身近に感じられます。休みは年末年始(12月29日から1月3日)と、蔵開放の日(3月第一日曜日とその前日・翌日)です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県坂井市丸岡町山久保27-45
創業
1753年
公式サイト
www.fukukoma.co.jp

出典

fukui.lg.jp / sakenomy.jp / fukuisake.jp / jalan.net / sakeworld.jp / maff.go.jp / asoview.com / fuku-e.com / fukukoma.co.jp / fupo.jp / tabiiro.jp / sakagura-press.com / yukinosake.com / ja.wikipedia.org / feminalise-japon.com / kanko-sakai.com / chunichi.co.jp / buyer.fisc.jp

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