三宅彦右衛門酒造
代表銘柄:早瀬浦・桝々福々
福井県
FUKUI
1718年創業
福井県三方郡美浜町の若狭湾や三方五湖に囲まれた漁師町・早瀬に蔵を構え、享保3年(1718年)に創業した300年以上の歴史を誇る老舗蔵元です。代表銘柄には地名を冠した「早瀬浦」のほか、「桝々福々」などがあります。
仕込み水には自家蔵内の井戸から湧き出る、ミネラル分を含み発酵力が旺盛な水を使用しています。飲みごたえがありながらも飲み疲れ・飲み飽きしない芳醇旨口および爽やかな辛口の酒造りを信条としており、発酵の旺盛な井戸水で仕込む酒は「美男酒」とも称され、新鮮な魚介類や地元の食文化に寄り添う食中酒です。全量を槽(ふね)搾りで搾り、炭濾過を行わないなど独自のこだわりを持って丁寧な酒造りを行っています。伝統的な製造技術を継承しながら、時代の変化に応じた柔軟な挑戦を続けている酒蔵です。
三宅彦右衛門酒造の歩み
三宅彦右衛門酒造は、福井県三方郡美浜町の早瀬で享保3年(1718年)に創業した酒蔵です。早瀬は三方五湖の久々子湖と若狭湾に面した小さな漁村で、豊漁と航海の安全を祈るさまざまな神事が古くから行われてきました。蔵は、その神事に用いる神酒をつくる小さな蔵として始まり、以来300年以上にわたって酒造りを続けています。2018年には創業300年の節目を迎えました。
早瀬は北前船の寄港地であり船主の集落でもあって、かつては約1,200人が暮らし、料亭や旅館が立ち並ぶ商いの盛んな土地でした。現在の人口は約350人です。蔵の酒は、地元の漁師がたくさん飲めて、しかも翌日に残らない漁村ならではの酒として、長く地元の人に飲まれて鍛えられてきました。
先代までは普通酒のみを造る小さな蔵で、大きな蔵元に酒を卸してもいました。銘柄は「澤の井」でした。12代目の三宅範彦氏は東京農業大学で学び、卒業後に美浜へ戻ると、それまでの普通酒の製造を一切やめて、吟醸酒などの特定名称酒づくりに取り組みはじめました。銘柄も「澤の井」から「早瀬浦」に一新し、「早瀬浦」は平成7年(1995年)に立ち上げられました。戻って最初の年に東京で開かれた福井県酒造組合主催のイベントに出した「早瀬浦」は注目を集め、翌日から電話が鳴りやまない反響がありました。
当時の蔵には大吟醸を造る設備も道具もなく、もろみを冷やす機械がないときには、トラックで山まで雪を取りに行ったこともあったそうです。冬になると能登や新潟から杜氏と職人が蔵に泊まり込んで酒を造る時代で、経験の浅い若い蔵元の求めに杜氏が向き合ってくれたことが、蔵の転換を支えました。近年は遠方の杜氏を季節雇用する形から、美浜町内に住む職人を通年雇用する形に移っています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても14回入賞しています。そのうち金賞は、平成16、18、19、21、22、23、24、27の各酒造年度と令和4酒造年度の9回で、平成21から24酒造年度は4年続けての金賞でした。平成15、25、28、29の各酒造年度と令和7酒造年度は入賞です。金沢国税局酒類鑑評会では、令和2から令和7酒造年度までの6年すべてで吟醸の部の優等賞を受け、令和5から令和7酒造年度は金沢酵母吟醸の部でも優等賞を受賞しています。
令和2から令和7酒造年度の金沢国税局酒類鑑評会で優等賞を受けた酒の製造責任者は、いずれの年度も宮下茂輝氏です。
酒造りの特徴
酒の味を左右する水は、蔵に入ってすぐの場所にある小さな井戸から汲み上げています。創業以来この水を使い続けており、蔵のそばにはジュラ紀の地層が隆起していて、その影響を受けた井戸水は福井県では珍しい中硬水です。ミネラルが豊富で発酵力が強く、発酵が旺盛に進むため、その勢いを抑えて制御する酒造りが基本になります。この水が、芯の通った辛口の酒質を支えています。
酒は全量を槽搾りで搾っています。圧力をかけすぎず、一滴また一滴とじっくり搾る方法です。炭濾過は行いません。酒の成分がしっかり残る酒粕は、主に京都の奈良漬に使われています。
仕込みは、真夏を除いて8月末から6月いっぱいまで行います。仕込みの期間が長いため、夏の搾りたてやひやおろしなど、季節に合わせた限定酒を次々と出せるようになりました。造りの中心は美浜町内に住む職人たちで、昔ながらの方法を守りながら丁寧に仕込んでいます。
目指すのは、飲みごたえがありながら飲み疲れしない芳醇旨口で、飲み飽きしない爽やかな辛口です。発酵力の強い井戸水で仕込む「早瀬浦」は「美男酒」とも呼ばれます。漁師が魚を肴に飲む酒として育ってきた経緯から、若狭湾の新鮮な魚介や、美浜町の名産であるへしことよく合う食中酒です。
代表銘柄
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早瀬浦
蔵の代表銘柄で、名前は地元早瀬の地名に由来します。井戸水を生かした繊細さのある辛口が持ち味で、冷やでも燗でも楽しめます。定番の純米酒は五百万石を精米歩合55%まで磨いたものです。純米吟醸、純米大吟醸、本醸造のほか、純米系のおりを集めて瓶詰めした「浦底」、搾った酒を槽口から直接マイナス5度のタンクに貯蔵する特別純米酒「ひやしさけ」、季節の限定酒もそろいます。
楽天で商品を見る桝々福々
早瀬浦と同じ蔵が造る別銘柄で、「若州の酒」と冠して出されます。若州は若狭の異称です。限定流通のブランドとされ、搾りたての新酒が知られています。一例として、山田錦を精米歩合50%まで磨いた純米吟醸の生原酒があります。大吟醸も造られており、早瀬浦とは違う趣向で楽しめる、蔵のもう一つの顔といえる銘柄です。
見学・購入
- 直売所
- 2025年時点では蔵での直売もあります。ただし出荷は酒販店が優先のため、蔵の在庫が少ないことがあります。
- 補足
- 営業時間は8時30分から17時、休日は不定休です。見学や購入の前に、蔵(電話0770-32-0303)へ問い合わせるのが確実です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福井県三方郡美浜町早瀬21-7
- 創業
- 1718年
出典
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